退職後に死亡した者への賞与支払い
いつも利用させていただいております。
定年退職後に賞与を支給するような場合、賞与を受け取る前に死亡したケースは、誰に支払えばよいのでしょうか。
退職金規程には、労基法42条から45条の定めを準用して支払うとしているのですが、賞与の場合は規定がありません。
退職金のように労基法を準用するのか、民法を適用するのか、どちらなのでしょうか。
また、当該ケースで手続き上、注意しなければならない事項がありましたら、ご教示ください。
宜しくお願いいたします。
投稿日:2013/06/25 10:03 ID:QA-0055061
- *****さん
- 兵庫県/その他メーカー(企業規模 10001人以上)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
労働基準法施行規則42条以下につきましては、遺族補償に関する規定ですので賞与について適用する義務はございません。
就業規則で同法準用の規定がなければ、現状では民法上の相続人に支給されるのが妥当といえるでしょう。
ちなみに、本人死亡の際の受取人につきましては支給内容によって分けることなく、その他の賃金も含め全て労基法準用で統一されておかれることをお勧めいたします。
投稿日:2013/06/25 10:35 ID:QA-0055063
相談者より
早々のご対応に感謝いたします。
追加で質問なのですが、
退職金は労基法を準用しなければならないのでしょうか。
また、民法と労基法でなにか異なるのでしょうか。
さらに、賞与についても労基法を準用した場合は、何か法的に問題があるのでしょうか。
宜しくお願いします。
投稿日:2013/06/25 10:49 ID:QA-0055064大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
死亡後に支払われる賞与
支払いを受けるべき相手 ( 会社の支払先 ) に就いては、 現行退職金規程 ( 但し、 労基法ではなく、同法施行規則 ) を援用されるとよいでしょう。 国税庁は、 同種の照会に対し、 次のように回答しています。 QTE 『 死亡した者に係る給与等で、 その死亡後に 《 支給期 》 の到来するものについては、 本来の相続財産として、 相続税の課税対象となるため、 「 給与所得の源泉徴収票 」 の 「 支払金額 」 欄に含める必要はありません。 なお、 死亡時までに支給期の到来している給与等については、「 給与所得の源泉徴収票 」 の 「 支払金額 」 欄に含める必要があります。 尚、 この分も含め、年末調整を行います 』 UNQTE.。 文中の、 《 支給期 》 とは、 雇用契約、 就業規則、 慣習等により定められている支給日のことをいいます。
投稿日:2013/06/25 11:30 ID:QA-0055065
相談者より
早々のご対応に感謝いたします。
退職金と同様に、民法ではなく、なぜ労基法施行規則を準用することがよいのでしょうか。
宜しくおねがいいたします。
投稿日:2013/06/25 11:45 ID:QA-0055066大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
再度お答えいたします
ご返事有難うございます。
ご質問の件ですが、まず退職金は当然ながら御社規程通り労基法に従って支給しなければなりません。
また、労働基準法施行規則の遺族とは「配偶者」とされており、配偶者がいない場合の受取人優先順位は、「労働者の子、父母、孫及び祖父母で、労働者の死亡当時その収入によつて生計を維持していた者又は労働者の死亡当時これと生計を一にしていた者」とされています。
これに対し、民法の相続人とは「配偶者」「子」が同順位とされており、共にいない場合には「被相続人の直系尊属(親等の異なる者の間では、その近い者を先にする)、被相続人の兄弟姉妹」の順とされています。
従いまして、若干相違がありますが、配偶者がいればいずれも最優先ですので会社としましては配偶者に渡しておく事で特に問題ございません。
そして、労基法を準用しても特に問題は起こらないでしょうが、規程根拠が無いですので厳格に考えれば民法の定めに従うのが妥当ではと考えられます。但し、取り扱いについて直接の法的定めは無い為あくまで私見になる件ご理解頂ければ幸いです。
投稿日:2013/06/25 12:10 ID:QA-0055067
相談者より
ありがとうございました。
投稿日:2013/06/25 13:44 ID:QA-0055070大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
特別法は一般法に優先
民法と労働法は、 民法が一般法、労働法が特別法、 という関係にあります。 法律の有効順位は、「 特別法は一般法に優先する 」 となっています。 法律を適用するとき、明文の規定があれば、 常に、 労働基準法の規定が民法の規定に優先します。 労基法の規定と民法の規定が矛盾するときは、労働基準法の規定が有効となります。
投稿日:2013/06/25 12:32 ID:QA-0055068
相談者より
ありがとうございました。
投稿日:2013/06/25 13:44 ID:QA-0055071大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
問題が解決していない方はこちら
-
退職者の賞与分社会保険料について 先月弊社の従業員が、賞与の支払を... [2007/01/12]
-
退職日前の退職金一部(または全部)支払について 3月末付で退職予定の従業員に対し... [2009/02/13]
-
定年退職時の退職金 定年退職時の退職金支給について... [2008/02/14]
-
退職日 当社は退職の申し出があった者に対... [2010/05/15]
-
退職時の賞与精算について 当社は定年退職時に、退職金とあわ... [2006/06/15]
-
定年退職について 社員が定年で退職した場合は、一般... [2008/06/12]
-
退職者の有給について パートで退職された方がいますが、... [2024/08/23]
-
59歳時の賞与に関して 59歳時の賞与に関して、「前年の... [2007/07/04]
-
退職率 よく退職率 何%と表示があります... [2006/11/24]
-
希望退職募集の場合の退職金 経営がかなり逼迫している状況で、... [2010/11/30]
お気軽にご利用ください。
社労士などの専門家がお答えします。
関連する書式・テンプレート
退職理由説明書
退職合意済みの社員に、どのような理由で退職に至ったかを記入してもらう書類です。ヒアリングは慎重に行いましょう。
退職証明書
従業員が退職したことを証明する「退職証明書」のサンプルです。ダウンロードして自由に編集することができます。
退職手続きリスト
従業員の退職では社会保険や退職金の手続き、返却・回収するものなど、数多くの業務が発生します。ここでは必要な退職手続きを表にまとめました。ご活用ください。
退職承諾書
退職届を受理し、承諾の旨と今後の指示を記載した書類です。