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内定者教育の考え方

当社では実践的な実力をつけるための教育は行なっていません。
定期的なコミュニケーションを目的とした通信教育にとどまり
新人を即戦力化するという概念は教育制度には全く盛り込まれていません。

しかし、昨今の経済状況で採用数も減る中で
より優秀な人材を採用して早くから実力を発揮させる為には
本人の希望があれば内定の段階から必要な教育をしても良いと私は考えています。

担当者間でそのような議論を持ち出すと
内定者時期に教育をしなくても早くから実力を発揮できるような
優秀な人材を採用すれば良いという結論になります。
また卒研で忙しい理系学生にはある程度時間を必要とする
内定者教育は気が引けますが。。。

ただこのような経済状況で当社の採用人員も減り
経営者も優秀な人材を求めています。
少数精鋭で実績をあげる為には若手社員にも早い活躍が求められます。
それであれば尚のこと優秀な人材を獲得し、
早い段階から業務に必要なスキルや取得できるような環境を
会社として支援することで更なる成長が見込めると考えます。

是非、みなさんの会社でやられている内定者教育とその目的、
また新人の即戦力化を求める企業の姿勢(教育体制)については
どのような考え方をお持ちか教えていただけると幸いです。

投稿日:2010/06/30 17:08 ID:QA-0021403

総務さん
東京都/精密機器(企業規模 1001~3000人)

この相談に関連するQ&A

プロフェッショナル・人事会員からの回答

全回答4

プロフェッショナルからの回答

田添 忠彦
田添 忠彦
ソフィアコンサルティング株式会社 コンサルティング本部 代表取締役社長

内定者教育のポイントと方策

ご相談を拝見し、ご連絡差し上げます。

内定者教育(※新人教育も含めて)の基本的な考え方について、ご質問文中に重要な要素が記載されていますので、それについてまずコメントしておきます。

>担当者間でそのような議論を持ち出すと内定者時期に教育をしなく
>ても早くから実力を発揮できるような優秀な人材を採用すれば良い
>という結論になります。
⇒この考え方は誤りを含んでおり、こうした考えで人材開発を進めると、将来的に貴社の競争力をそぐことにもなりかねません。
こうした考えのベースには、企業における教育のターゲットをいわゆる知識や技術に限定して狭く捉える発想があります。しかし、教育の対象には、モチベーション(職務意欲)やコミットメント(組織帰属意識)等より重要な要素があり、それらが確保されなければ、結局人材は育たず、会社に貢献してくれない結果になります。
また、予め優秀な人材がいて、そうした人材は入社後活躍するための実力を予め保有している、というのも基本的に誤りでしょう。
優秀な人材はいるかもしれませんが、実力は企業が育てなければならないからです。

さて、以上の基本事項を確認した上で、具体的な「教育体制」についてです。
その眼目は、まさにお書きになっているように「早い段階から業務に必要なスキルや取得できるような環境を会社として支援する」ということに尽きるでしょう。
特に「支援」の中身としては、個々の人材がその能力特性に応じた実力を実際に身に着けていくための“学習プロセス”を「環境」として確保していくことが重要です。
弊社でも推奨している人材育成のためのメンタリングプログラムは、社員が自分の対話者(メンター)を持つことで、個々の人材の能力特性に応じた実力形成を強力にサポートする仕組みで、メーカーはじめ優良企業で大きな効果が挙がっています。もちろん新人・内定者教育にも最適です。

ご参考まで。

投稿日:2010/06/30 17:26 ID:QA-0021404

相談者より

田添様

お世話になります。早速のご回答ありがとうございました。
相談内容につき、もう少し説明をさせていきますと
内定者教育では通信教育教材により、人事課と内定者の定期的なコミュニケーションすることで入社までの不安を取り除く目的で行なわれています。

その教材では、経営者のエッセイや先輩社員の体験記の他
ビジネスで必要な知識を開設している講座、ビジネス文書の書き方、
ビジネスマナー など学生が社会人になるに必要な知識を半年間にわたり学ぶものになっています。

しっかり受講している内定者であれば学習したものを業務で発揮することができます。しかし、その教材を入社後の研修で生かせているかというと、そうではないという現状もあります。
教材について感想を聞くと「めんどくさかった」「納期に間に合わせるので精一杯、片手間でやった」など簡単な教材でもこのような意見がでます。

実際、課題のフリーコメント欄に記載された質問や、課題に対してはフィードバックをきちんを行なっており、月1で発行する内定者通信にのせて内容を全体で共有できるようにしています。

モチベーション(職務意欲)やコミットメント(組織帰属意識)の部分は、入社後の新人研修のプログラムで、企業理念の輪唱会などで行なっています。
本年より新入社員研修については現場主導であったプログラムを見直し
人事課が介入をして各部門へ送り込むという試みも始まりました。
このような状況を話すと他社からは時間かけ、丁寧に行なっているという評価をいただきますが、それは新人の力になっていないということでしょうか?

だからこそ、入社後でなくても内定期間中にできることであれば
希望者に提供して各自でスキルを磨いてほしいというのが私の考えです。ただそれには費用(コスト)と希望しない内定者には不均衡にならないかという議論もあり簡単には実現できる内容ではないと思います。

ツールも含め、これは最適!といったようなツールには、正直未だにめぐり合えたことはありません。。。。

投稿日:2010/06/30 18:06 ID:QA-0040529大変参考になった

回答が参考になった 0

プロフェッショナルからの回答

この回答者の情報は非公開になりました
 

内定者教育

内定者教育についてはいろいろな考え方があり、極端な例ですが、ある人材派遣会社(ナスダック上場)は、入社前に内定者教育ですべての新人教育を済ませておくようにしていました。夏ごろから毎月2回土日に集め、1日ないし2日程度の研修を行なっていました。これはトップの方針で、入社後に新人教育を行なう時間と金がもったいないということで、実際、内定者教育は遠方者以外、交通費も出ないです。担当者も代休です。しかし、数年前、内部からの批判が出て、全面的になくなりました。内定者辞退が相次ぐとか、大学からも苦情が出たのです。
地銀などでは、財務や銀行実務の通信教育を行い、入社後のモチベーションを高める工夫をしていますね。
私の見解ですが、入社前に内定者教育をやっても、会社に対する期待感を高める工夫をすれば十分で、知識教育やスキル研修をすることはないと考えます。必要以上の拘束は冒頭企業の例にあるように弊害が多いです。
近年学力低下していますので、漢字や算数をやらせるのは良いかもしれないです。

投稿日:2010/06/30 19:54 ID:QA-0021411

プロフェッショナルからの回答

田添 忠彦
田添 忠彦
ソフィアコンサルティング株式会社 コンサルティング本部 代表取締役社長

Re:内定者教育のポイントと方策

いろいろとご丁寧な補足説明、ありがとうございます。

追加でのご質問・「それは新人の力になっていないということでしょうか?」についてですが、少なくとも文面からは、教育方策上のポイントのズレが感じられます。
職務知識、リテラシーやスキルと、モチベーション(職務意欲)やコミットメント(組織帰属意識)とは、分離して教育するという性質のものではなく、一体的に進めて初めて教育効果が得られるものです。
しかも現実の課題に即して、個々人の学習課題を見極めながら、アクションプランに繰り返し取り組ませて成長が得られると考えるべきです。
教育方策を能力要素によって分解して進める発想に難点があるのです。
前述においてご紹介した方策は、その難点を克服する一例です。

ご参考まで。

投稿日:2010/06/30 22:39 ID:QA-0021414

相談者より

田添様

お世話になります。
追加いただきありがとうございます。


教育方策上のズレについては、まだ自身よくわかっていないところがありまして盲点でございました。
田添様の指摘によりつかめましたので、現実の課題に即して、個々人の学習課題を見極めながら、アクションプランに繰り返し取組ませるという部分は現在の新人教育ではない部分でした。
本配属まではまだ期間があり、様々な部署をまわっている状況なので上記のような体制を組むことは難しいと思いますが、配属後は同部門内の教育者となる先輩社員が教育にあたります。
その教育者となる社員の実際の教育施策までは人事課が介入して調査していない状況で『おまかせ』となっていますので、もう少し介入することで課題に即したアクションプランを練っていければと考えます。

田添様の会社の取り組みも拝見させていただきました。
今後の参考とさせていただきます。

投稿日:2010/07/01 11:11 ID:QA-0040534大変参考になった

回答が参考になった 0

プロフェッショナルからの回答

この回答者の情報は非公開になりました
 

内定者の視点

たいへん深いお考えをもって取り組まれている姿勢に感銘いたしました。新入社員も中堅も幹部の教育まで行うものとして自己否定にもつながりかねませんが、「ベストな教育」というものは無く、常にベストを目指して行くことに尽きるのだろうと感じております。

さてそのポイントですが、小職といたしましては「内定者教育で何を実現したいか」だと考えます。それには御社の意向だけでなく、受ける側・内定者の状況も見る必要があります。
国立大学の教官として日々学生と接しておりますが、残念ながら「早くから実力を発揮できるような優秀な人材」がいる、というのは現実的ではないと言えるでしょう。採用に関わる人事の皆さんは血眼で「優秀な人材」を探しまくっている訳ですが、それでもその獲得は用意ではありません。どんな有名な採用テストや面接テクニックを使っても、改善は出来ますが、解決は出来ないと思います。

やはり残念ながら学生一般のレベルは期待に比べ低いと言わざるを得ません。その中で少しでも優秀なポテンシャルを見抜くことが選考であり、そのスタンスからすれば、ポテンシャルをどう戦力化するかという、教育の成功なくしては、結果として優秀な人材を得るのは難しいのではないでしょうか。

理系と文系ではかなり学生生活が異なります。理系学生であれば、いわゆる有名大学ですと修士での就職が主体になりますが、文系では学部卒で就職が圧倒的でしょう。修士課程は2年間のため、理系では非常にスケジュールがつまっています。その課程をスキップしての事前研修は、恐らくモチベーション的にも効果の視点でもあまり期待が出来ないと思っております。

入社後のOJTや先輩との連携の促進で打てる手は無いでしょうか。

投稿日:2010/06/30 23:55 ID:QA-0021415

回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。



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