子会社への出向者の降格について
子会社への出向者の降格について相談させて下さい。
弊社は資格等級制度を用いており、親会社では管理職相当の資格等級の社員を1年半前に子会社に管理職として出向させたのですが、子会社ではマネジメント能力がないとのことで、半年前から管理職を外してメンバーとして業務担当しています。出向者の賃金は親会社から出向前賃金を保証(年度昇給あり)して支給しています。(子会社からは出向料として同額を親会社に支払っています)
現状では、該当社員の役割と賃金に格差が発生しており、これを是正するために以下の策を検討しております。どちらの策が妥当性が高いのでしょうか。ご指南下さい。
(1)親会社に戻して、管理職としての役割を与える。この際、管理職としての能力なしと評価した場合は、次年度降格とする。
(2)子会社での評価で管理職の能力なしと評価されたわけであり、業務は今のまま(子会社出向)として降格とする。
なお、該当者は子会社に残ることを希望しています。(ただ、マネジメント能力は発揮できているとの認識です)また、子会社で該当者を評価している上司達も元は親会社におり、該当者とほぼ同じ時期に出向しています。
よろしくお願い致します。
投稿日:2008/09/08 10:08 ID:QA-0013614
- okabaさん
- 大阪府/情報処理・ソフトウェア(企業規模 501~1000人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、人材評価は独自の制度内容に基き会社が判断して決める事になります。
その際出向者であるか否かは特に大きな問題ではなく、あくまで人材の評価自体を所定のルールに基いて適切に行う事が最も重要な事柄といえます。
文面の管理職の方の場合には、出向先での評価が適切な内容であるとしますと、およそ当人を出向させた意義は失われているものと思われます。
このまま出向先で就業し続けるとしますと、全ての当事者にとって不幸な状態が続きますので改善を図ろうとされるのは当然ですが、最も気になりますのは低い評価に関しまして肝心の本人が十分に認識しておらず出向先での就業継続を希望しているという点です。
これでは、降格処分自体が客観的に見て妥当であったとしましても本人に不満が残り、今後のパフォーマンスにも悪影響が残ってしまいます。
従いまして、まずは当人に評価結果をきちんとフィードバックをし、このままでは降格せざるを得なくその結果としまして賃金規程に基く給与の見直しにも繋がる件について納得が行くよう十分説明される事が大切です。
その上で、本人の今後の業務への取り組み方や就業先の希望も確認された上で、改めて1と2のどちらの方策を採られるかを状況に応じて御社自らの判断で決定されるべきというのが私共の見解になります。
投稿日:2008/09/08 13:28 ID:QA-0013615
相談者より
ご回答ありがとうございます。
参考になりました。本人へのフィードバックをまずは考えてみます。
ありがとうございました。
投稿日:2008/09/08 21:19 ID:QA-0035411大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
出向先の評価を鵜呑みするのは避けるべき
■出向では、労働者は、出向先の指揮命令を受けますが、「出向元との間の労働契約」と「出向先との間の労働契約」の二重の労働契約が成立します。ただし、出向先の出向労働者に対する人事権は、就業規則の適用、労働条件の変更などに限られ、賃金・解雇・退職等の労働契約の根幹に係るような事項の人事権は出向元に留保されているものと理解されています。
■ご相談の降格と、それに伴う処遇変更は、雇用契約の重要な事項ではありますが、マネジメント能力を含む「評価」は、指揮命令を受ける出向先でしか行うことができません。然し、事の重大性に鑑み、出向元の親会社としては、出向先の評価結果を鵜呑みにすることなく、その妥当性を検証した上で、最終的に決定するのが妥当だと考えます。
■「出向解除するか、継続するか」ということと、「降格させるべきか否か」ということを、同時に判断すべき状況だと思いますが、この2つの事項は、少々異質の問題なので、選択肢は2つではなく4つあることになります。いずれのシナリオを選択するにしても、《評価している上司達も親会社からの出向者であること》及び《本人がマネジメント能力を発揮できているとの認識をもっていること》のズレを放置したまま、降格人事を強行することは避けるのが賢明でしょう。
投稿日:2008/09/08 20:07 ID:QA-0013631
相談者より
ご回答ありがとうございました。
考課の妥当性をまずは確認、納得することの必要性を強く感じました。再度、上司、本人と面談等を行い、ズレの解消を図った上で、今後を検討していきます。
ありがとうございました。
投稿日:2008/09/08 21:23 ID:QA-0035417大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
問題が解決していない方はこちら
-
転籍出向者の出向について 弊社の子会社に転籍出向させている... [2006/03/01]
-
出向者が一定期間 出向元で働かいていたときの労災は? 出向元から、出向者を一定期間 出... [2020/03/28]
-
出向通知の取得について 出向において、出向通知や同意書を... [2022/10/13]
-
出向に関する注意事項 出向契約をする際、通常、出向元の... [2011/07/28]
-
出向契約期間中に一時的に出向元で就業させる場合 出向者を出向契約期間中に一時的(... [2022/08/26]
-
出向者の労災保険料 出向者(在籍出向)の労災保険料を... [2006/04/26]
-
二重出向の可否について 二重出向(再出向)の可否について... [2018/12/13]
-
出向者をその出向元から請け負った業務に就かせる 質問させて頂きます。以下のような... [2013/03/28]
-
出向者の時間外労働賃金について 出向者の時間外労働賃金ですが、こ... [2010/09/30]
-
子会社へ出向させた社員 親会社の本社(出向元)から子会社... [2006/02/13]
お気軽にご利用ください。
社労士などの専門家がお答えします。
関連する書式・テンプレート
出向同意書(サンプル2)
出向同意書の書式文例です。
出向命令書と出向同意書はセットで用意しましょう。また、出向命令が権利濫用にあたらないかの注意も必要です。
在籍出向・転籍出向など形態に合わせて適宜編集した上でご利用ください。
出向同意書(サンプル1)
出向同意書の書式文例です。
出向命令書と出向同意書はセットで用意しましょう。また、出向命令が権利濫用にあたらないかの注意も必要です。
出向通知書・出向命令書(サンプル1)
出向通知書・命令書の書式文例です。
出向命令書と出向同意書はセットで用意しましょう。また、「労働契約法14条」の定めに則って、出向命令が権利濫用にあたらないかの注意も必要です。
出向辞令
出向辞令のサンプルです。Word形式のものをダウンロードして自由に編集することができます。