通常解雇について
当社就業規則の(通常解雇)に以下の記載がありますが、これは通常どのようなことがあてはまるのでしょうか?
(私の理解としては、「会社業績の悪化」等があてはまるのではないかと思っております。
(通常解雇)
次の各号に該当するときは、解雇することがある。
『その他事業の都合によりやむを得ない事由があるとき』
また、以下についてお答えいただきたく思います。
1. 上記『』の内容に「会社業績の悪化」が該当する場合、どの位までの業績悪化が「会社業績が悪化した」と判断されますか?
2. 会社業績はプラスであったが、その者が所属する部署の業績が悪化した場合、上記『』に該当しますか?(部門業績が悪化した場合、通常解雇の対象となるのか)
3. 契約社員の雇用契約期間の一般的な期間について
4. 雇用契約期間を1年とした場合、更新後に1年を下回る雇用契約(3ヶ月とか6ヶ月など)を締結することが可能かどうか。
投稿日:2007/10/24 13:19 ID:QA-0010197
- *****さん
- 東京都/商社(専門)(企業規模 31~50人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、「会社業績の悪化」も文面の事由に該当すると考えて差し支えないでしょう。
しかしながら、その場合はいわゆる整理解雇に該当しますので、就業規則上の根拠のみで使用者が自由に解雇することは出来ません。
その点を踏まえまして各質問にお答えしますと、
1. 明確な基準は無く、解雇を巡り紛争となった場合には個々の具体的事情を総合的に勘案して判断される事になります。例えば、一時的に収益が低下する程度であれば正当な解雇事由とならない可能性が高く、雇用を続けた際に給与が現実に支払える見込みが無い等かなりの経営悪化状況の存在が求められるでしょう。
2. 通常ですと、こうした場合には配置転換により解雇を避ける事が可能と思われますので、まずそうした解雇回避努力を最大限行わなければ不当解雇とみなされる可能性が高いといえます。
3. これも特に定めは無い(※但し1回の契約期間の上限は原則3年)ですが、あくまで一般論としましては1年を中心としまして半年から2年程度ではないでしょうか‥
4. 契約期間の見直しについて契約時に明示が無ければ、契約期間につき従前の期間が更新時にも適用されると労働者が期待するのは当然といえます。従いまして、やむを得ず変更を行いたい場合には、更新時の事情説明を真摯に行った上で労働者の同意を得ることが必要といえるでしょう。
投稿日:2007/10/24 14:14 ID:QA-0010200
相談者より
早速ご回答いただきありがとうございます。
さて、『その他事業の都合によりやむを得ない事由があるとき』に企業業績の悪化が該当するということは理解いたしました。
これ以外に何か『』の事由に該当するようなことはありますか?
投稿日:2007/10/24 14:28 ID:QA-0034083大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
経営悪化と整理解雇の条件その他
■当初設定された時点での議事録でもない限り、推測にしか頼れませんが、大多数の方々はご相談者と同様に理解されると思います。4点のご質問については、①と②、③と④の2グループに分けて回答することに致します。
■グループ 1.(会社業績の悪化に伴う整理解雇)
① 『全社業績の悪化に対処するための整理解雇』の判断は、経営者により大きく異なります。予防的措置として早い段階で手を打ちたいと考える経営者、ギリギリまで追い詰められ、切羽詰まって打ち出す経営者など様々です。同じ経営数値でも、見る角度、判断する人によりその評価は異なり、ご質問の一元的判断の線引きは不可能で、労使問題化した場合には司法判断に任されることが多いわけです。逆に、多くの判例から得られた整理解雇の4要件と呼ばれる法理が唯一の解雇規範となっています。即ち、次の4点です。
1 人員削減の必要性
2 整理解雇を選択することの必要性(解雇回避努力)
3 被解雇者選定の合理性
4 手続きの妥当性(労組や労働者に対する説明、協議)
② 特定の部署業績の悪化に対しては、当該分野からの撤退、縮小および余剰人員の配置転換など、企業としての解雇回避努力が要求されます(上記 2 参照)。ご質問に対するとしては、全社業績が好調であるにもかかわらず、特定部署の業績悪化を事由とする整理解雇はできないことになります。
■グループ 2.(有期契約について)
③ 労働契約の法的な契約期間は、原則3年以内、高度のものとして厚生労働大臣が定める基準に該当するものを有する労働者がそのような専門的知識等を必要とする業務に就く場合には、契約期間を5年以内となりました。(07/01/01)然し、実際の労働者数としては、1年ないし6カ月の場合が圧倒的に多いのではないかと推測しています。
④ 元契約で特段の定めがない限りは、更新に際し、元契約を下回る期間とすることに特に問題はないと考えます。
投稿日:2007/10/24 15:16 ID:QA-0010203
相談者より
投稿日:2007/10/24 15:16 ID:QA-0034084大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
再度お答えいたします
こちらこそご返事頂き感謝しております。
『その他事業の都合によりやむを得ない事由があるとき』という解雇事由は、いわゆる包括的な事由を示していますので、何か個別の事態を想定しているものではないといえます。
しかしながら、「事業の都合により」という限定もされていますので、その意味する所はほぼ経営事情に関する事柄になるものと思われます。
他で想い当たる事由としましては、部門や支店・営業所の閉鎖や移転等が挙げられますが、これも企業業績の悪化と同じく該当するというだけで自由に解雇出来るというわけではございません。
解雇の正当性については、あくまで個別具体的なケースバイケースの判断によらざるを得ないという点を常に念頭に置いておく必要があるといえます。
投稿日:2007/10/24 20:20 ID:QA-0010209
相談者より
投稿日:2007/10/24 20:20 ID:QA-0034087大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
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