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報酬の下げ幅について

 当社に在籍する社員への報酬についての相談です。

 当社員Aは現在61歳ですが、年俸制契約社員(非正規雇用)として、57歳時から契約を開始し、60歳以降も報酬を含めた基本的な処遇を変えずして1年ごとに雇用契約を繰り返しております。

 次回の契約更新において、報酬を大幅に減額したいと考えております。当然、責任・役割・業務負担も相応に軽減した上でのことであります。

 当方の解釈としては、同一労働同一賃金的な観点から「減額した割には仕事自体は軽くなっていない」ということはあってはならないと認識しています。
 しかし下げ幅自体がいかようであろうと、それ単体では問題ではないと思っているのですが、その認識は正しいものでしょうか?もしくはそれを問題とする判例などがありますでしょうか?
 平たく述べれば、「どんなに仕事が軽くなろうと、○%以下にまで減額してはいけない…」という規程もしくは判例等があるのか否か?を知りたく思います。

 ちなみ社員Aに提示予定の下げ幅は50%近くになりますが、Aはそもそもこれまでの報酬も一般的な水準よりはかなり高いものであります。(50%減したとしても高年齢者雇用継続給付の対象にもなりません。)ただし、それに見合った働きぶりではない…という評価査定が散見されることも、減額提示を検討している背景にあります。

以上、ご助言をお願いいたします。

投稿日:2019/04/25 09:46 ID:QA-0084109

スイーツ男子さん
長野県/機械(企業規模 501~1000人)

この相談に関連するQ&A

プロフェッショナル・人事会員からの回答

全回答4

プロフェッショナルからの回答

服部 康一
服部 康一
服部賃金労務サポートオフィス代表

お答えいたします

ご利用頂き有難うございます。

ご相談の件ですが、賃金減額に関する判例は多数ございまして、その多くは労働契約法で禁止されている労働条件の不利益変更に該当するものとしまして違法な措置とされています。仕事の内容が軽減されるとしましても賃金が減る為不利益になる事に変わりはないので、いわゆる同一労働同一賃金とは別の観点から判断される必要がございます。

しかしながら、挙げられているような具体的な減額の数値基準までは示されておりませんし、そもそも減額に至る詳細経緯は個別の事案毎に異なりますので、過去の判例が該当するとも限りません。

文面を拝見する限りですと、やはり50パーセントの下げ幅については当人の生活を脅かす程度のものであって、会社側で事実上契約更新の意思が乏しい事を示すものと判断される可能性が高いですので、訴訟になればこうした条件提示の有効性が否定される可能性も十分にあるものといいえます。

但し、詳細事情を踏まえて判断される必要がありますし、この場で確答出来る問題ではございませんので、どうしても大幅な減給を提示したい場合ですと最悪訴訟も見据えてお近くの労働問題に精通した弁護士にご相談される事をお勧めいたします。

投稿日:2019/04/25 11:08 ID:QA-0084110

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プロフェッショナルからの回答

小高 東
小高 東
東 社会保険労務士事務所 代表(特定社会保険労務士) 

ご質問の件

有期契約ということですから、契約更新時に労働条件を変更し、賃金をみなすことは可能です。

労働条件変更内容と、評価査定が合理的であれば、あとはよく説明して、本人合意のもと、再契約するかどうかということになります。

注意点としては、合意しなければ雇止めとなりますということを会社側からは強く言わないことです。この場合には恣意的な変更ととられかねないからです。

また、高額な年報契約者については、毎年労働条件、報酬は見直す旨、雇用契約書にも明記しておくべきでしょう。

投稿日:2019/04/25 13:11 ID:QA-0084117

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プロフェッショナルからの回答

川勝 民雄
川勝 民雄
川勝研究所 代表者

60歳以降の雇用のプライオリテイ

▼同一労働同一賃金の原点は、国際労働機関(ILO)憲章における基本的人権の一つで、性別、雇用形態(フルタイム、パートタイム、派遣社員など)、人種、宗教、国籍などに関係なく、「労働の質と量」に基づいて賃金を支払う賃金政策のことです。
▼労働の質は、所謂、職務記述書が不可欠ですが、仕事の内容、重要度、難易度が、労働の量は、時間と密度がドキュメント化されていないと基本概念に終わってしまいます。
▼日本は、 ILO第100号条約を1967年に批准していますが、関連する判例としては、女性臨時社員の賃金が女性正社員の8割以下であれば違法とするもの、定年後再雇用で正社員との賃金格差を、支給項目別に合法・非合法とする最高裁判決もあり、一枚岩になっている訳ではありません。
▼いくつかご質問がありますが、回答者としては、次の様に考えています。
・経験したことのない急激な高齢化社会に対応するには、60歳以降に社員に関するトップ・プライオリテイは、雇用機会の確保で、「同一労働同一賃金」なる原則は、社会通念の範囲内におけるセカンド・プライオリテイとならざると得ない。
・具体的な、セカンド・プライオリテイは、住居手当・家族手当・賞与等の不支給を含め、60歳時点の賃金と最低賃金間の着地点とする。

投稿日:2019/04/25 14:34 ID:QA-0084121

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プロフェッショナルからの回答

増沢 隆太
増沢 隆太
株式会社RMロンドンパートナーズ 人事・経営コンサルタント

慎重に進める

有期雇用契約ですので、契約更新で新条件締結は可能ではあります。ただ50%の激減となれば本人納得も通常は得にくくトラブルになる恐れがあります。やはり段階的に下げるよう、下げ幅は再考されてはいかがでしょうか。
何よりこれまで何度か更新しているにもかかわらず、「それに見合った働きぶりではない」なら、なぜもっと早くに対応していないのか、会社側の責任を問われる可能性はあります。
いずれにしても業務内容削減の内容や、低評価への指導内容など、会社側の責任を十分果たした上で、本人とも話し合うなど、ていねいな対応が必要だと考えます。

投稿日:2019/04/26 09:47 ID:QA-0084125

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回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。



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