会社に対する損害賠償金の給与引きについて
いつもお世話になります。
営業車両で物損事故を起こした社員がおります。その社員は直近1年間で2度目の事故であり、車両は全損に近い状況(人身に及ぶ事故ではありませんでした)ですので、会社に実損がありますし、会社名の入った営業車で事故を起こしていますので会社の評判や信用にも関わる問題でもありますし、他社員への抑止力の意味でもペナルティを課したいと思います。
当社で締結している労使協定の『賃金控除に関する協定』にて次に定めるものを社員の毎月の給与及び賞与から控除できると定め、『次に定めるもの』の中に以下項目があります。
・会社に対する損害賠償金
就業規則の『損害賠償』の項目に、以下のように定めています。
(損害賠償)
第69 条 社員が故意又は過失によって会社に損害を与えた場合は、その全部又は一部を賠償させることがある。ただし、損害の賠償をしたことによって第64 条、第65 条又は第66 条の懲戒を免れるものではない。
ちなみに、64条の(譴責、減給、出勤停止、降格)には、
(6) 故意又は過失によって、会社に損害を与えたとき。
(7) 業務上の怠慢又は監督不行届によって、災害、傷害、その他の事故を発生させ、又は発生する危険を生じせしめたとき。
65条の(諭旨退職、懲戒解雇)には、
(10) 故意又は重大な過失によって会社に著しい損害を与えたとき。また、重要な会社の指示命令に反抗し、会社の信用を著しく傷つけたとき。
と定めています。
この場合、労使協定にて『会社に対する損害賠償金』を賃金控除できると定めていますので、損害額の一部を給与より控除しても問題ないという認識でよろしいでしょうか?
投稿日:2017/12/04 15:58 ID:QA-0073806
- newyuiさん
- 神奈川県/その他業種(企業規模 31~50人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
賃金控除の労使協定ですが、労使協定を締結すれば何でもかんでも控除できるというものではありません。
特に損害賠償については、事案ごとに賠償額が異なりますし、高額になることも考えられますので、労使協定の対象外と考えてください。
ただし、分割控除も含めお互いの合意があれば、賃金控除は可能となります。
投稿日:2017/12/04 17:25 ID:QA-0073807
相談者より
いつもお世話になります。
大変参考になりました。有難うございました。
投稿日:2017/12/04 17:47 ID:QA-0073808大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、労使協定の締結により賃金全額払いの原則に関わらず賃金の一部を控除して支払う事が認められています。『会社に対する損害賠償金』につきましても、基本的には同様になります。
しかしながら、法令上控除が認められる事とは別に、損害賠償金の請求自体が有効であるか否かが問われる事になります。
文面の場合ですと、故意ではないとしましても再犯でかつ大きな物損事故といえますので、損害賠償請求自体は可能と思われます。但し、社有車による業務上の事故である以上、会社にも使用者責任がございますので、賠償金は一部にとどめ、再発防止へ向けては降格等の懲戒措置を併用することで対応されるのが妥当といえるでしょう。
投稿日:2017/12/04 20:07 ID:QA-0073815
相談者より
いつもお世話になります。
大変参考になりました。
有難うございました。
投稿日:2017/12/05 09:10 ID:QA-0073817大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
安全策
合意ができているので天引きは可能ではあるといえますが、一方でこうした弁償的な経費の回収について、天引きをするのはトラブルの元であり、避けた方が良いのではないでしょうか。要は事故の原因と責任について、会社側、社員側が100%責任という事象は考えにくく、何らかの形でいずれにも責任が及ぶ可能性が高いといえます。そのような複雑でデリケートな問題を一方的に天引きするのはリスクを背負うだけなので、必要な弁済金額を提示し、自主的に支払ってもらうのが一番無難な方法と考えます。
投稿日:2017/12/05 13:32 ID:QA-0073826
相談者より
いつもお世話になります。
大変参考になりました。
有難うございました。
投稿日:2017/12/05 15:57 ID:QA-0073830大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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