いま求められる“効率的”人事給与業務とは?(第1回)
日々激しく変化する、ビジネス社会。企業を取り巻く環境も、厳しさを増している。今後、企業運営の根幹を担う人事部には、さらに効率的・戦略的に業務を進めていく姿勢が求められるだろう。特に、人事給与システムの活用を 始めとする、人事給与業務の改革は重要課題のひとつ。それでは、これからの時代、人事部は人事給与業務の改革をどのように考えていくべきなのか…。実際に企業が取り組んでいる事例を見ていきながら、「いま求められる、効率的人事給与業務」について、探っていく。
CASE1:株式会社サイゼリヤ
人事給与業務に関する“超”効率的オペレーションとは?
本格的なイタリア料理をリーズナブルな価格で提供するイタリアンレストラン『サイゼリヤ』を展開する、株式会社サイゼリヤ。食材の調達や料理の提供などを、一貫して自社で行う“製造直販・直営”にこだわり続けているように、あらゆる業務において、効率性を追及している。この徹底ぶりは、人事給与業務でも同様。果たして、同社ではどのようにして、人事給与業務を効率化しているのだろうか。同社の総務部 財務担当部長 潮田淳史氏にお話をうかがった。
- 株式会社サイゼリヤ
- 本社 〒342-0008 埼玉県吉川市旭2番地5
- 設立 1973年5月1日
- 資本金 86億1250万円
- Webサイト http://www.saizeriya.co.jp/
給与関連業務の「標準化」により、
業務ピーク時に他部門からの支援を実現
「サイゼリヤは、国内で約800店舗を展開しており、その全てが直営店。管理本部では、アルバイトを含む全従業員23,000名の給与管理業務を行っています」(潮田氏)。同社の場合、従業員は店舗、工場、管理部門など、さまざまな環境で働いているため、職種・雇用形態・給与体系・就業規則は複雑化。また、店舗数の増加などによって、今後も企業規模は拡大していくため、人事給与業務への負荷はさらに大きくなると予想していた。そこで同社では、さまざまな対策により、人事給与業務のスリム化を実現した。
まず同社では、給与体系を役員・正社員・アルバイト2種類(社会保険加入・非加入)の4種類に絞り込むことで、給与体系の簡素化を実現。業務バリエーションを少なくすることで、業務をスリム化しやすくなった。さらに、業務手順の習得も容易になり、担当以外でも対応可能になった。加えて、システム化の範囲が少なくなり、カスタマイズ不要で対応しやすくなった。
このような対応に加えて、同社では「標準化・平準化の徹底」を実行している。例えば、「アルバイト登録」や「年末調整」といった作業をメニュー化することで、給与担当者ではなくても作業を行うことを可能とし、業務ピーク時などに他部門からの支援を受けやすい環境を整えた。そして、このような業務改善に役立ったのが、人事給与システムの効果的な利用だった。同社では、人事給与システムとして株式会社クレオが開発・販売している「ZeeM 人事給与」を利用。業務に合わせて、さまざまなメニュー項目を自由に設定可能なので、「アルバイト登録」や「年末調整」といった作業も、メニューに従うだけで進めることができるようになったという。「毎月約1000名のアルバイトの増減がありますが、給与担当者以外のメンバーにも登録権限を与え、手の空いている人がアルバイトの登録を行っています」(潮田氏)。
同社のように業務の標準化を実現するには、どの人事給与システムを利用するのかが、大きなポイントになる。特に、「操作の簡便さ」「内部統制の対応」「業務拡張の際の柔軟な対応」は、重要な検討事項。新たなシステムを導入する場合には、今後の運営方法も念頭におきながら、慎重に選択する必要があるだろう。
業務の一部を店舗へ分散し、「スピード化」を徹底
同社では、独自開発の店舗POSシステムを構築。お客様の清算時だけではなく、在庫管理や勤怠管理、人事給与業務などでも使用し、業務の分散化と自動化を可能にしている。
例えば、勤怠管理には、POSのバーコードリーダーを利用。従業員の名札を読ませることで、「出勤」となる。さらに、毎月約1,000件に及ぶアルバイトの登録・修正作業の一部を、店舗に分散。管理本部の入力作業の負担を低減している。その他にも、印刷と郵送の経費を削減するため、店舗の従業員の給与明細を、店舗ごとにPOSシステムのレシート用プリンタで印字して配布。このように同社では、店舗においても徹底して業務の効率化を追求している。
同社のようにシステムを効果的に使用することで、給与関連業務に関する負担が大幅に軽減されることがわかった。それは、業務の上での新たな「時間」の創出にも繋がるだろう。その時間を使って、新たな人事戦略を考案したり、他社の人事担当者との交流を図ったり…。忙しい人事給与担当者にとって、大きなチャンスとなるだけに、人事給与システムの有効活用は大きな課題といえる。
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今後の展開を見越した上での、柔軟に対応できる仕組みの構築が必要
以上、サイゼリヤが展開する、人事給与業務に関するオペレーションの方法の一部を見てきた。人事給与ご担当者の皆様にとって、参考になる事例もあったことだろう。同社の成長の秘訣は、徹底した効率性の追及。それは現在の業務だけではなく、今後のさらなる成長も見越していた。
つまり、現代の人事給与業務には、新たな動きや変化にも、スピーディー且つ柔軟に対応できる仕組みが求められているのである。もちろん、人事給与担当者自身にも、今後の自社の事業展開や法改正などを見越した上で、柔軟に対応できる姿勢が必要となることは間違いない。続く第2回でも、企業の実例を見ながら、「いま求められる、効率的人事給与業務」について探っていく。
サイゼリヤが展開する、人事給与業務の超効率的オペレーションとは?本記事では取り上げなかった事例も、レポートにまとめました。無料でダウンロードできますので、ぜひご利用ください!
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