復職後も欠勤が続く社員への対処について
メンタルヘルス上の傷病で、休職後復帰したもののすぐにまた欠勤(連絡がほとんど取れない)状態が続く社員の対処についてお聞きします。
弊社では、私傷病等により出勤できない社員に対し、欠勤がある一定期間続くと休職を発令(給与等の支給停止)、休職期間が満了してもなお休職事由が解消されない場合は、当該社員を退職とする旨を就業規則で定めております。
2年前から出社できなくなり、休職発令となった社員が、この程休職期間満了と同時に復職しました。当初は2日に一度の頻度で出社しておりましたが、復職後1ヶ月半程度経過した頃から再び無断欠勤するようになり、本人とほとんど連絡が取れないまま、3ヶ月が経過しました。また、主治医の見解でも復職の目処や具体的な今後の治療方針を見出せず、今後さらに長期化することも考えられます。
就業規則の定めに則って、当該社員の退職を検討しておりますが、本人となかなか連絡が取れないことから、落着するまでには時間を要するものと思われます。
それまでの間、当人に再び休職発令し給与支給を停止したいと考えておりますが、一方で、休職発令=「雇用は休職期間満了まで継続する」という意思表示と解釈されることも懸念されるため、二の足を踏んでおります。
①当該社員を再び休職発令することは可能でしょうか。
②休職を発令しても、雇用継続ではなく、退職に向けての一時的な措置であると客観的に位置付けることはできますでしょうか。
上記につきまして、アドバイスをいただければ幸いに存じます。
投稿日:2010/03/08 21:42 ID:QA-0019650
- *****さん
- 東京都/不動産(企業規模 1001~3000人)
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プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご質問の件について回答させて頂きますと‥
①:就業規則上の休職事由に該当する限り、再度の休職発令は当然可能です。文面内容から考えますと、勤務状況や主治医の見解等からも恐らく休職とされることに問題はないでしょう。
②:休職というのはあくまで一時的な労務提供の不能によるものです。従いまして、再度休職とされた場合でも現時点では「客観的には」雇用継続の状態でしかなく、先を見越して退職に向けての一時的な措置であると「客観的に」位置付けることはできません。
ただ医師の診断書等から回復の見込みが全く立たないというのであれば、恐らくは就業規則上の理由に基き解雇予告を行って解雇されることも可能ですので、文面にございますように御社の意識の中において退職へのワン・クッションと考えておかれること自体は問題ないでしょう。
いずれにしましても、当該労働者につきましては休職期間満了時において復職自体が困難であったものと思われます。安易に復職を認めたことが問題だったといえますので、今後同様の事案が発生した際には専門家のアドバイスも受けられた上で復職させる場合でも無理の無い勤務スケジュールを立てる等慎重な判断をされるべきです。
投稿日:2010/03/08 23:12 ID:QA-0019653
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
退職条件は有利だが、安易な復職の承認の代償は高いかも
■ 就業規則に、いわゆる「通算制度」の定めがあるかどうかによって、対応措置は違ってくると思います。
■ 休職期間の通算制度が就業規則等に無く、他に特別な事情がなければ、基本的には認めざるを得ず、状況次第では、手を焼く事案になる可能性があります。休職を繰り返す事例では、メンタルな病気が増えていいますが、早期復帰への焦りから、治癒せぬまま復職することも多いように見受けられます。逆に、通算制度のないことを利用されても、会社として検証することが困難です。
■ 「通算制度」の定めがある場合でも、一般的には、同一傷病に限るとされている場合が多いのですが、メンタルな疾病では、同様の疾病でも違う病名がつくこともあり、争いの理由になることもあります。然し、休職制度は、会社が恩恵的に定める解雇猶予措置という性格から、疾病の種類は、比較的、幅広く解釈される傾向にあります。
■ 以上を、踏まえて、ご相談を派遣しますと、
① 先ず、「通算制度」の定めの有無、その内容をチェックしておく。
② 上記如何にかかわらず、休職発令ではなく、下記の諸点を明記した通知書を作成、本人に交付する。
▼ 原則として休職期間を通算すべき考え
▼ 現状(復職を認めた事実)が臨時的措置であること
▼ この臨時的措置に一定の期間を設けること
▼ 同措置の満了を持って退職とすること
■ 将来への布石としての制度整備は別にして、当面の事案に就いては、「2年間の休職」、「復職後1カ月半の短期間、不規則就労」、「3カ月に亘る無断欠勤」などの事実は、退職への地ならしの条件として有効だと思いますが、通算制度がない場合には、安易な復職の承認の代償が高くつくことも予想されますので、身近な労務弁護士さんと相談された上で進められることをお勧め致します。
投稿日:2010/03/09 11:08 ID:QA-0019655
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