社内異動を拒否した場合について
当社の工場に、パフォーマンスがなかなか上がらない社員がいます。もう社歴は5年ほどになりますが、製造部、技術部と異動させて本人の適性を見てきたのですが、他の社員の足手まといになってしまっています。周りの社員も、指導をしていますが、改善がなかなかみられません。適性から考えても、このまま辞めてもらうのが当社としてはよいのですが、すぐやめてもらうよりは、一応工場の三交替勤務を提案し、それを断った場合は、辞めてもらうことを検討しています。その際に、気をつけるべき法的問題をご教示いただければと思います。よろしくお願いいたします。
投稿日:2010/01/26 14:43 ID:QA-0019030
- *****さん
- 東京都/化学(企業規模 301~500人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
繰り返し指導を行ってもパフォーマンスが改善されない成績不良の社員について、退職を検討されるのは会社としまして当然の措置といえます。
文面内容からは再三の指導や配転等会社も雇用継続の努力をされているようですので、成績が極端に悪い場合、他に特別な事情が無い限り最終的には解雇もやむを得ないものと考えられます。
そうした際の対応ですが、まずは本人に事情を説明された上で自ら退職し適職に就くことを勧められるのが望ましいものといえます。
それでも尚本人が就労を希望しつつ改善姿勢も全く見られないようであれば、就業規則に定められた解雇事由に基き解雇処分とされる方向で検討されるとよいでしょう。解雇処分が決定すれば、法に定められた30日前の解雇予告かまたはそれに代わる解雇予告手当の支払を行わなければなりませんのでご注意下さい。
本人に事の原因があるものとはいえ、トラブルを避け会社の信用を落とさない為にも突然の一方的な解雇通告といった強引な方法だけは避けるべきというのが私共の見解になります。
投稿日:2010/01/26 22:58 ID:QA-0019035
相談者より
投稿日:2010/01/26 22:58 ID:QA-0037443大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
気をつけるべき法的問題について
ご相談のケースにおいて、進め方としては既に回答されている方の
考え方でよろしいと思います。ご質問の、気をつけるべき
法的問題として考えられるのは下記2点だと考えます。
①異動拒否を理由とする場合
異動に関する就業規則が盛り込まれているかどうか、また解雇
要件に異動を拒否した場合が盛り込まれているかどうかを確認
する必要があります。
②パフォーマンスが悪いことを理由として解雇する場合
前提としてパフォーマンス改善に向けての話し合いを持ちつつ、
改善されなかった場合の退職について少しずつ話をされるのが
良いと思います。
最終的に成績不良を理由とする場合も解雇事由の中に勤務成績の
著しい不良等の事項が盛り込まれているかどうか確認する必要が
あります。
盛り込まれていなかった場合は今後のケースを想定して、
項目を追加することをお勧めいたします。
また実際に解雇した後を想定すると、パフォーマンスが上がらず、
足手まといになっている旨を証明できる証拠の文書等があるか
どうかが問題となってきます。
というのは仮にご本人との間で退職に関するトラブルが発生
してしまった場合には、具体的な事実をあげて勤務成績が不良で
あることを証明出来るかどうかが鍵となってくると考えられる
ためです。
仕事上のミスや業務の遅れ等についてメモ等で控えておくこと、
また本人に注意をする場合にも書面を交付するなどして証拠を
残しておくことが必要でしょう。
最後に法的問題という事ではありませんが、ご本人との
コミュニケーションの在り方として、出来る限り話や注意をして
自分に適性がないという自覚して貰い、ご本人にとって勤め
続けることが本当に良いのか、という相手の立場にたった話を
されると良いと思います。
そのコミュニケーションがしっかりととれていれば
トラブルになりにくいのではないでしょうか。
以上、ご参考になれば幸いです。
投稿日:2010/01/27 10:07 ID:QA-0019036
相談者より
投稿日:2010/01/27 10:07 ID:QA-0037444大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
裁判で解雇の正当性を認めて貰う局面をイメージした対応策が必要
■ 自然退職や自主退職など名目に関わらず、実質的な不当解雇として、労働者であること地位確認を求めて、裁判所に提訴した事例は溢れ返っています。ご相談のケースについては、入社後5年も経った社員であること、能力不足という具体的立証が難しい事由であること、今日明日にも措置を講じなくてはならないといった、業務的に緊急な状況にないことなどを考えると、シッカリした措置的シナリオを書き、その実行が望まれます。
■ 裁判で退職勧告や解雇の正当性を認めて貰う局面をイメージし、具体的には、次の諸点に留意しつつ、対応することが重要です。
▼ 能力を向上させるために、どのような「教育・指導」を行ったか、その内容と記録
▼ 配転や出向など、企業内外に亘り、「適性が発揮」できるための努力と実証
▼ 適正な能力査定に基づき、降格、減給などの措置とともに、再起に向けて、適切な
「フィードバック」の実施と記録
▼ 退職勧告の場合には、退職金加算など「支援的措置」を提案したか、その記録
▼ 解雇申し渡しと「法的措置実施」の確認
■ 裁判係争に至るどこかの段階で、決着がつくものと思いますが、争いになった場合でも、会社として雇用維持のために努力した証拠が豊富であればあるほど、裁判で解雇の正当性が認められる可能性が大きくなるものです。
投稿日:2010/01/27 10:18 ID:QA-0019037
相談者より
投稿日:2010/01/27 10:18 ID:QA-0037445大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- この回答者の情報は非公開になりました
法律以外の点にご留意下さい
コンプライアンスの徹底は当然ですが、解雇関係は、法律を超えた部分での対応が何より重要です。上記のご指摘のように、法的なアプローチはいろいろございますが、それでも労働者から訴えられた場合、弱い・不利な立場になるのは企業です。
退職勧奨の場合、とにかく最も大切なことは本人の納得です。そのために何度も話合いを行い、それをすべて記録するという、地道で、非常に担当者(人事)にとって負荷のかかる任務です。会社として取り組み、仮に法的に問題なさそうに見えても、必ず本人の納得を目指してお進めいただきたいとおもいます。
それが最終的には最も目的達成への早道になります。
投稿日:2010/01/27 10:42 ID:QA-0019038
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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