固定残業代の改定(廃止)
いつも拝見させていただいております。
当社で営業社員(外勤)に対して固定残業手当として月40H(または20H)分を支給しています。
超過した分は別に割増賃金を支給しています。
手当として、就業規則と別に賃金規程にて規定しています。
実態としてゼロ時間から40時間超の社員もいる状態です。この度賃金規程の改定を行うにあたり、
固定残業手当を廃止し実際の残業時間分を支払うことにしたいと考えています。
以下の2点についてご教示ください。
①不利益事項となるので、対象者に対して個別に説明する必要があると思いますが、労働契約法
第10条のくだりにある「就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものである」の
『合理的なもの』とは具体的にどのような場合を指すのでしょうか?
今回は、実態として残業していない社員に対しても一律支払っていることから実態に合わせて支給
することで、長時間労働の抑制や残業時間の削減を図ることが目的です。
②労使双方の意思確認を書面に残す必要はあるでしょうか?合意を得られることが一番良いこと
だと思いますが、なかなか難しい場面も想定しています。当時のやり取り模様を記録に残すことは
いたしますが、書面として残しておく場合の記述内容等があればご教示ください。
投稿日:2020/04/23 17:48 ID:QA-0092508
- なうさん
- 東京都/運輸・倉庫・輸送(企業規模 51~100人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
固定残業代の廃止
▼具体的な数値情報がないので確定的に言えませんが、規定と実態間に「過払い方向に」に可なり大きな乖離が存在するような気がします。
▼従い、可及的速やかな正常化に向けて作業開始が必要です。先ず、何を差置いても、時間外労働の的確な把握が最重要です。不利益の有無、その程度、原因を、労使、第三者に拘らず、理解できる方法・方式を検討します。
▼数字というのは、同じものでも、それを読む人に依って違った重みを持ちます。せめて、同じ土俵で見られるよう環境作りが重要です。
▼ご質問
① 労働契約法第10条の「合理的なもの」の判断には様々な条件の確定が必要です。この場合、時間と数字が主役であるのは心強いですね。白いものを黒と言えませんから、・・・。次に、「現賃金規程に織り込み済み時間と想定時間」と「調査後の洗替え済実態時間」の差異です。次いで、会社が「是」として放置してきた期間です。
② 交渉経緯の要点を簡潔、且つ、体系的に記録することは、後日の不要な理解差異に基づく紛争回避に有効です。勿論、法的観点から、就業規則の変更や労使協定の締結は欠かせません。
投稿日:2020/04/24 12:12 ID:QA-0092531
相談者より
ご回答いただきありがとうございます。
時間外労働(残業)がどの程度発生、労働時間の長短についても勤怠管理システムで把握しているので、実態を取りまとめて進めていきたいと思います。
また、労使ともに誠実な話し合いの場を設けて丁寧な説明をしていきたいと思います。
ご教示いただきありがとうございました。
投稿日:2020/04/27 14:20 ID:QA-0092589大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、①につきましては、具体的にどのようなものを指しているかにつきましては個別の事案毎に変わりますし、詳細事情を知りえないこの場で確答差し上げる事は困難といえます。しかしながら、文面に掲げられた目的であればまさに理に適った変更事情と考えられますので、合理性が認められる可能性は高いものといえるでしょう。
②につきましては、当然ながら合意文書の取り交わしは不可欠といえます。記述内容としましては、日付や双方の署名捺印といった一般的な必須事項に加えまして、就業規則(賃金規程)の内容変更になりますのでそうした変更に関わる合意である旨を明記される事が必要です。
投稿日:2020/04/24 18:03 ID:QA-0092546
相談者より
ご回答いただきありがとうございます。
足元の状況が厳しい中ではありますが、働き方改革の一環として残業ゼロを目指した取り組みを考えており、労働時間の把握を行っていたところでした。
労使ともに誠実に話し合い、書面での取り交わしや説明した状況等を記録に残しておきたいと思います。
ご教示いただきありがとうございました。
投稿日:2020/04/27 14:20 ID:QA-0092590大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
対応
①具体的な説明はなく、個別案件を審査されることになるでしょう。ご提示の情報だけで判断すれば合理的というのに無理は感じませんが、掲示板での判断は現実的には無理です
②合意を取っていることが何より重要ですが、その交渉過程を細かく記録しておくことはトラブル時に有効です。内容についての明確な指示は無いと思いますが、いつ、誰と、どこで、どのような交渉をし、どのような意見が交わされ、どうなったかという記録を丁寧に残すべきでしょう。
投稿日:2020/04/27 10:13 ID:QA-0092583
相談者より
ご回答いただきありがとうございます。
掲示板に記載した情報だけではご判断が難しいと思っております。単純に減額することではなく実態に即した勤怠管理を行い働き方改革を行っていこうと考えております。
慎重に検討し、労使ともに誠実な対応ができるよう準備していこうと思います。
ご教示いただきありがとうございました。
投稿日:2020/04/27 14:21 ID:QA-0092591大変参考になった
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