従業員の退職に関するご相談
いつもお世話になっております。
弊社の従業員が11/11付で退職することになりました。退職願の日付は9/13です。上司によると、退職するのは技術部の者で、その者しか知らない技術などもありますが、退職日までに2か月近くあるので余裕で引き継ぎしてもらえると思っていたそうです。ところが、昨日、残っている有休の内かなりの日数を消化したいと申し出があったそうで、そうすると、退職の申し出以前に決まっていた展示会への出席やセミナーの講師などの予定を除くと引き継ぎに使える日にちが4日ほどしか残らないそうです。少し話したところ、あまり譲歩してもらえそうもない感じだったそうです
しかし、4日ほどではとても終わらないので、これから消化する有休をもう少し減らしてもらえないかさらに交渉するとのことですが、もし受け入れてもらえなかった場合に下記のことを考えているそうなのですが、問題ありますでしょうか。
◆有休を取らせない、もしくは消化する有休の日にちを会社側で決める。(就業規則には、会社は、事業の正常な運営に支障がある時は、従業員の指定した時期を変更することができる、とは書かれていますが、取らせないことがあるとは書かれていません。)
◆引き継ぎをするために休日出勤をして貰う。
◆休日出勤を拒否された場合は、最終手段として、業務上の命令に従わなかったという理由で懲戒解雇にする。
お忙しいところ恐れ入りますが、ご教授いただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
投稿日:2018/09/20 11:30 ID:QA-0079144
- なるせさん
- 東京都/精密機器(企業規模 11~30人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
就業規則の退職規定にどのように記載されているかによります。
自己都合退職する場合、引き継ぎを完了させることの記載がないと、懲戒処分はできません。
その場合には、4日で引き継ぎ完了させること、それが無理であれば、お願いベースで有休買取、休日出勤をしていただくことを交渉するしかありません。
このことを契機に就業規則、退職時の引き継ぎについては規定しておくことをお勧めします。
投稿日:2018/09/20 14:16 ID:QA-0079150
相談者より
ご回答ありがとうございます。
上司にお伝えさせていただきます。
又、就業規則の改訂も検討いたします。
ありがとうございました。
投稿日:2018/09/21 09:56 ID:QA-0079189大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
諸要件の柔軟な組合せで、会社・本人が同意できる落し処を
▼ 懲戒解雇や損害賠償請求などの強硬策以外での解決には、次の諸要件の柔軟な組合せで、会社・本人が同意できる落し処を見出すことが必要です。
① 先ず、本人に、十分な引き継ぎをして貰うことは、大前提
② 本人に、退職日を遅らせることが可能か、再考して貰う
③ 退職日の変更が不可能ならば、未消化有休を買上げ等で、引継ぎに必要な期間を確保する
▼ 実際の話合い局面では、休日出勤の活用、引継期間短縮の可能性なども要件として、双方合意できる落し処を模索することになります。
▼ 憲法上の退職の自由、未使用有休に対する会社の時季変更権、不十分な引継ぎに対する損害賠償請求等の世界に入り込むと、泥沼化する可能性なきにしも非ずです。双方とも賢く話し合うべきです。
投稿日:2018/09/20 14:35 ID:QA-0079151
相談者より
ご回答ありがとうございます。
上司にお伝えさせていただきます。
泥沼化は避けたいと思いますので、話し合いにて落としどころを見つけたいと思います。
ありがとうございました。
投稿日:2018/09/21 10:00 ID:QA-0079190大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、たとえ退職で引継ぎが必要であっても、年次有給休暇の取得を拒んだり、年休日の出勤拒否に対して懲戒処分を科す事は法令で認められている年休取得の権利を侵害するものとしまして認められません。また退職の場合ですと、取得日を変えてもらうといった時季変更権を行使する事も現実問題としまして困難ですので、基本的には希望通り取得させることが求められます。
その上で、違法とならない現実的な対応としましては、文面のように年休日ではない所定休日に休日出勤を命じる(※法定休日の場合には36協定上で休日労働が定められていることが必要です)といった事が考えられます。休日出勤であれば、年休権の侵害には当たりませんので、これをやむを得ない理由もなく拒否された場合には懲戒措置も可能といえます。但し、これだけの理由で懲戒解雇では明らかに重過ぎますので、実務上は退職される以上実質的効果が余り無い懲戒ではなく、退職金減額等の措置で対応されるのが妥当といえるでしょう。
投稿日:2018/09/20 20:31 ID:QA-0079174
相談者より
ご回答ありがとうございます。
上司にお伝えさせていただきます。
懲戒解雇は重過ぎる旨も承知いたしました。そのあたりも踏まえて措置を検討したいと思います。
ありがとうございました。
投稿日:2018/09/21 10:04 ID:QA-0079191大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
対応
退職届提出の際に有給残数や引継ぎを考えるのは管理者のいろはの「い」です。またこうした突然(2ヵ月も余裕があるものは全く突然ではありませんが)退職が発生するリスクについても、当然上司と人事は常に考える義務があります。引継ぎはその最たる事項です。
有給拒否は違法であり、引継ぎ体制を取らなかったのも会社の責任ですので、懲戒は不可能でしょう。現実的落としどころとして、退職金上積みや休日出勤などで社員にメリットがある形での引継ぎをお願いするくらいしかないと思われます。
個人に業務を集中させることのリスクの例ですので、常に社員は辞めるものという前提で業務割り振りをする「予防的対策」以外、根本的に対応は難しい問題です。
投稿日:2018/09/21 10:14 ID:QA-0079192
相談者より
ご回答ありがとうございます。
上司にお伝えさせていただきます。
弊社は少人数のため、一人ひとりの負荷が及び責任が大きくなっていることは確かだと思います。今後はご教授いただいたように予防的対策を考えておこうと思います。
どうもありがとうございました。
投稿日:2018/09/21 11:15 ID:QA-0079200大変参考になった
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