給与規程改定により月収が下がる場合の措置
弊社では来期に固定残業代を廃止して、実残業による時間外手当の支給に制度を改定する予定です。
それにより月収もしくは年収が下がる社員が出てくることが想定されていますが、
激変緩和措置について質問があります。
①会社の方針として、規程改定前の年収と改定後の年収を比較して、著しく収入が減った社員について
昇給加算等の措置を取ることで対応しようとしていますが、この方法で良いかどうか
②月収の減額率が7%を超えなければ減給補償をする必要なしということで進めようとしておりますが、
それでいいのかどうか。また、減額率が7%を超えた社員については何らかの緩和措置を取るという
方針だが、7%を基準に差を設けていいのかどうか。そもそも7%の減額率に根拠があるのかどうか。
上記についてご教示のほどよろしくお願い申し上げます。
投稿日:2012/12/18 19:09 ID:QA-0052564
- *****さん
- 東京都/建設・設備・プラント(企業規模 501~1000人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
増加コストと緩和効果との綱引き、労使協議により、妥当な 「 落し処 」 を
時間外労働賃金の支払い基準を、固定から実績ベースに変更されることは、正常化措置として、大変、好ましいことです。 変更に伴い発生する、個人別 ( ±) インパクトの現れ方は、千差万別なので、激変緩和措置の必要性の有無、必要な場合の基準、措置内容も、個別事案毎に検討しなければなりません。 特に、法的基準がある訳ではありませんが、本来の激変緩和というのは、減収者への補填と増収者から徴収と双方向であるべきなのですが、多くの場合、前者だけに限るため、コスト増となります。 7%という基準値の根拠は分りませんが、増加コストと緩和効果との綱引き ( トレードオフ ) の問題ですので、会社原案を基に、労組、或いは、労働者代表との協議を通じて、妥当な 「 落し処 」 を見出すことが必要です。
投稿日:2012/12/18 21:06 ID:QA-0052565
相談者より
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2012/12/25 15:35 ID:QA-0052619大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
御質問の件ですが、文面のような不利益変更の激変緩和措置につきましては法令上明確な基準がございません。但し、不利益変更の有効性を判断する上でのポイントにはなりますので、変更事情等に応じて検討される事が重要といえます。
その上で回答させて頂きますと、まず昇給加算するか、別途調整手当を当てるかにつきましては一概にどちらがよいとは決め付けられません。但し、一般論としましては、昇給加算してしまいますと基本給に継続して組み込まれてしまいますので、現実的には後者の方法が会社側としましてはコストダウンのメリットが大きいものといえます。
そして、減額率7%という基準根拠につきましては、御社自身で示さなければなりません。そうした説明が出来ないということであれば、当然ながら根拠は無いということになります。どこから「7%」という数字が出てきたのか私共では分かりかねますが、仮に何となく著しい収入減の境目と考えられたとしますとあくまで会社独自の判断ということですので、補償措置を全く受けられない従業員からは不満の声が上がる事も考えられます。従いまして、基本的には減額の多少を問わず調整手当等によって激変緩和措置を数年に渡り実施されるのが公平であり妥当な措置ではというのが私共の見解になります。いずれにしましても、会社案の押し付けにとどまることなく、労使間で真摯に協議された上でどのような措置を行うかについて決定する事が重要といえます。
投稿日:2012/12/18 23:42 ID:QA-0052569
相談者より
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2012/12/25 15:36 ID:QA-0052620大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
固定残業制度の廃止について
①について
固定残業を廃止して実残業管理することは、必ずしも不利益変更とはいえません。
固定残業代といってもその定義や実態は会社によってまちまちです。
合理性がある改定であるためには、現状の固定残業代がいくらで何時間分なのか、賃金規定等で明確になっていることが必要です。
残業代であるならば、実残業管理にきりかえた場合に、月ごとに、増える社員もいれば、減る社員がでてくることは、全社員平等な条件における結果論であり、不公平とはいえないでしょう。
固定残業が明確になっていない場合には、従業員に誤解のないよう、改定の背景、理由をよく説明した上で、経過措置も検討し、個別合意も必要となってきます。
②について
法律や判例で明確な基準はありません。今までの固定残業時間、金額の占めるパーセンテージ、実残業時間との差などで、独自に〇%と導く方法もありえます。
投稿日:2012/12/19 14:08 ID:QA-0052577
相談者より
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2012/12/25 15:37 ID:QA-0052621大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
制度変更の移行措置と昇給加算等は分けて考えられた方がよろしいでしょう。
ご質問の件、回答いたします。
まず、ご質問の①ですが、制度変更の移行措置と昇給加算等は
分けて考えられた方がよろしいでしょう。
移行措置は、制度変更時に起こる影響を抑えることが目的ですので、
時限的措置として一定期間を以て廃止することが望ましいです。
昇給加算等の継続的に影響のある事項とは別のものとして
考えられてはいかがでしょうか。
次に、ご質問②についてですが、
減額率7%の根拠は不明ですが、減額率7%の該当者が多い等の根拠があれば、
会社として減額率7%で補填対象と決めてもよろしいかと思います。
最後に、今回のご質問は緩和措置を設けるという内容でしたが、
制度変更の移行措置を行わないという選択肢もございます。
固定残業廃止の趣旨を明確にした上で、固定残業の廃止をすることを予め従業員に周知し、
制度廃止後に備え、時間外手当を抑制するための対応策を制度変更前までに行う方法です。
実残業よる時間外手当の支給は、従業員の働き方と大きく関係するため、
制度変更までに従業員の働き方を変えていくことは、本来の制度変更の趣旨にも
沿っているかと思いますので、ご検討頂ければ幸いです。
投稿日:2012/12/24 17:32 ID:QA-0052614
相談者より
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2012/12/25 15:37 ID:QA-0052622大変参考になった
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