給与規定の改定について
給与規定の改定で社員の不満が多い為、アドバイス頂きたくお願い致します。
これまで当社では営業と開発に営業手当(=みなし残業手当として)を支給していたのですが、 旧規程での営業手当の定義は「営業活動に従事している者」とだけ記載されており、営業手当はみなし残業手当であることも明記されていない曖昧なものであった為、9月に「外勤営業社員に対して、一定時間の時間外労働、深夜手当及び休日手当として営業手当てを支給する」と給与規定を改定しました。
この改定に伴い、内勤営業と開発は支給対象から外れ、10月からは実残業分の時間外手当の支給へ変更になると通達しました。
これは時間管理ができる職場においては、適正な時間管理と時間外手当の支給をすることが法律上も求められている為です。
この改定に当たり、対象となる社員には事前説明会を実施しましたが、各個人の同意は得られないまま決議を行いました。
説明会の中で同意出来ない理由として上がっていた内容は、
1.入社時に提示された賃金の固定給には営業手当も含まれるものであった為、これを大きく下回る決定に納得出来ない。
2.改定後の実残業時間はゼロにしろと言われているが、時間内に終わるような業務内容ではない為、業務が円滑に回らなくなる上に給与は約20%の減収となる。
3.転勤条件の中で給与形態は変わらないと説明があったのにも関わらず、これでは全然話が違う。(今年4月に開発の一部に転勤が有り、その際の説明との相違)
というもので、気になる点は、
1.この改定に法律上の問題は無いか。
2.不利益変更に該当するか。
投稿日:2012/09/21 07:24 ID:QA-0051393
- hana8825さん
- 東京都/精密機器(企業規模 301~500人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
御相談の件ですが、毎月決まって支給されていた手当を廃止することは減給になりますので、変動する残業代等とは性質が異なります。従いまして、法律上の問題としましては労働条件の不利益変更に該当するものといえますし、社員が容易に納得しないのも当然予想される事態といえます。加えて、「改定後の実残業時間はゼロにしろと言われているが、時間内に終わるような業務内容ではない為、業務が円滑に回らなくなる上に給与は約20%の減収となる」というのであれば、一種の不合理な残業規制(現実には時間外労働が不可避である為結果としてサービス残業に繋がる)に当たり認められないものといえるでしょう。
そして、適正な労働時間管理をする事はみなし残業代を廃止しなくても可能ですので、それだけで全て正当化されるわけではございません。
対応としましては、会社側での一方的措置を通告するのではなく、時間をかけてでもきちんと労使間で協議を行い、会社側としましても実際に残業を減らす為の業務運営の見直しや手当廃止に伴う代替・経過措置を行う等の配慮を示される等柔軟な姿勢で望まれる事が必要といえます。
投稿日:2012/09/21 09:29 ID:QA-0051399
相談者より
ご回答ありがとうございました。
柔軟な対応を検討したいと思います。
投稿日:2012/09/21 10:55 ID:QA-0051400大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
改訂前の状況に既に法的問題が・・。
先ず、通常の所定労働時間を超える時間を労働したとも看做す場合には、「 超える時間 」 を決めるため、現実的に業務内容と必要な労働時間をよく分っている労使間で協議し、労使協定化が望まれます。 労使協定すれば、労働基準監督署への届出が必要です(労基法38条の2の3)。 次いで、裁判例では、「 営業手当 」 といった名目で支給する場合、時間外割増が含まれていると主張するためには、 手当が何時間分の割増賃金に相当するかが分かるように、営業手当のうち割増賃金相当部分とそれ以外の部分とを明確に区別することが必要です。 改訂前の状況そのものに、このような法的要件を満たしていないと思われる点があるように見受けられます。 改訂に先立って、会社側自身が問題点を的確に把握しないままだと、説明に論理性、合理性、一貫性を欠くことになり、「 不利益変更 」 ではないと言い通すことは無理だと思います。 問題点を再整理の上、問題解消に向け、改めて、改訂案のご検討をお薦め致します。
投稿日:2012/09/21 12:15 ID:QA-0051401
相談者より
ご回答ありがとうございました。
問題点を整理した上で問題解消に向け、再検討したいと思います。
投稿日:2012/09/21 13:15 ID:QA-0051402大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
営業手当(みなし残業手当)の廃止
1.就業規則の変更について
就業規則の変更に合理性があれば、社員の同意は不要ですが、
合理性があるかないかは以下の点もポイントです。
・営業手当=みなし残業手当の明記があいまいということは会社の落ち度ですが、
かつ社員にも、みなし残業としての意識はあったのでしょうか?
・ 旧規程での営業手当の定義は「営業活動に従事している者」とあるのに
なぜ、開発にも支給していたのか?
2.改定の背景
・適正な時間管理と時間外手当の支給をすることが目的であれば、あながち不合理ともいえません。
ただし、改定後の残業は0にしろと、現段階で言うのは、社員からすれば、給与削減のためとだけ思われてしまいます。
・経営的問題もあるようであれば、説明することです。
3.説明のポイント
・仕事の内容も把握しないで、残業0にしろというのではなく、必要な残業は認めるが、不必要な残業は認めず、残業を許認可制にして時間管理をしっかり行うことです。
その上で、残業はするなということは、そもそも残業を認めていない労基法にも適合しています。
4.経過措置
・経営状況が許すようであれば、経過措置として、半年間は、他の部署も営業手当分を固定残業代として支給することも検討すべきでしょう。
5.新規定について
・「外勤営業社員に対して、一定時間の時間外労働、深夜手当及び休日・・・」とありますが、具体的に時間数を明記する必要があります。
以上
投稿日:2012/09/21 19:34 ID:QA-0051404
プロフェッショナルからの回答
方針
実際に不利益変更となっている以上、社員の不満はもっともな気がいたします。モラール(士気)ダウンによる能率や生産性のマイナスが起こっては、そもそもの人件費抑制以上の売上・利益の減少を招かないでしょうか?仕事は減らさない・およそ現実的に処理できな分量、しかし残業させないでは、社員の言う「一方的減給」に理があります。訴訟においてもかなり不利になるように感じます。会社が経営危機などであれば、そのことを説明し、入社時と経営環境が変わっていることをまずは説得することがスタートです。会社側が圧迫的に要求を飲ませるのは非常にリスキーなアプローチだと思います。ぜひ経営陣の方針を決めていただき、何を実現したいのかを絞っていただきたいと思います。
投稿日:2012/09/21 22:31 ID:QA-0051407
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
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