初任給アップの際
新卒で毎年、新規入社者を迎えています。
来年も若干名の入社を予定しております
が、本年の外部環境の初任給の見直しを
受け、同業他社との水準比較や人材確保
の観点から、当社も初任給の見直しを今
から予定をしようと考えています。
そこで初任給を1万円前後程度アップし
ようと考えますと、当然、前年度入社の
者と逆転現象が発生してしまいます。
この是正をしてやりたいのですが、どう
考えるべきでしょうか?初任給の前年と
のアップ額を全額(例えばこの場合は1
万円を)乗せて支給するべきか、それ以外の考え方があれば教えて下さい。
また前年入社者のほかの既存従業員に対し
ての配慮は必要ありませんでしょうか?
(初任給改訂に伴うもの)
初歩的な質問で申し訳ありませんが、宜しくお願い致します。
投稿日:2006/06/19 14:01 ID:QA-0005121
- にきさん
- 千葉県/販売・小売(企業規模 3001~5000人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご相談の件ですが、御社の賃金制度が具体的にどのような仕組みになっているかによっても随分変わってきますので、ここで明確な回答は出来ないことを最初にお断りしておきます。
その上でお答えいたしますと、仮に御社の賃金制度が名称は別として、おおむね「年齢と共に上がっていく従来型の賃金表」を採用している場合ならば、他の従業員についてもベースアップされるのが基本線になるでしょう。
そうしないとご指摘の逆転現象等により制度の整合性自体が保たれなくなってしまいます。
加えて、賃金は労働者にとって最も重要な労働条件になりますので、労働組合または労働者過半数代表者等と十分協議を行い、世代によって不公平が生じないよう配慮された上で決定するべきでしょう。
なお、上記のようなベースアップを極力避ける為には、年功的な要素を排除し「成果・業績」等により個別に給与決定を行う制度を導入されることが望ましいといえます。
投稿日:2006/06/20 23:37 ID:QA-0005129
相談者より
投稿日:2006/06/20 23:37 ID:QA-0032140参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
初任給アップの際の賃金逆転
■昨年までの10年あまりに亘る長期構造不況時には、初任給に大きな下落は見られなかったものの、上昇することはありませんでした。それ以前のバブル期や高度成長期には、前年度のみならず、前々年度入社者の賃金を上回る事態さえ見受けられたことがあったと記憶しています。
■さて、大幅な初任給水準の変更は、前年度入社者の賃金との間に大きな歪をもたらします。ご相談の引上げは格差縮小ないし逆転、引下げは格差拡大をもたらします。賃金テーブルの体系と水準は、会社の長期戦略的な観点から慎重に決められているものであり、人材確保の観点からとはいえ、単年度の初任給動向に振り回されるといったことがあってはなりません。
■従い、基本的には、初任給の設定は、賃金テーブルと切り離して検討するべきです。現実に問題になるのは、引下げのケースではなく、大幅な引上げの場合です。ご相談事例のように、1万円の引上げの場合、現賃金テーブルの初任給はそのまま据え置き、1万円を「初任調整給」として設定します。仮に、現賃金テーブルの初年度・2年度間の格差が4千円とすれば、調整給を加えた所定賃金では、6千円の逆転が生じることになります。
■この「初任調整給」は、人材調達のための「政策給」の意味合いを持ち、いずれ、賃金テーブルに吸収されなくてなりません。吸収の受皿要素は、賃金テーブルの引上げ、定昇などですので、吸収スピードは個別企業によって異なってくることになります。しかし、遅くとも3年以内には解消すべきだと考えます。
■「初任調整給」が吸収解消されない間は、年次間の逆転不整合が続きます。この不整合をなくするために、前年度入社者の賃金をアップすれば、前々年度との間に不整合を移動させるだけのことになります。仮に、賃金テーブル全体を被引上げるような事態になれば、多くの企業にとっては、由々しい経営圧迫が生じることになります。
■結論としは、次の措置が必要と考えます。(逆のケースも想定しつつ考えて下さい)
① 初任給の見直しを賃金テーブルのあり方に持ち込まないこと
② 見直し額を必要以上に大きくしないこと
③ やむを得ず発生する逆転額は一過性の「政策給」と位置づけ、必要な説明を行うこと
④ 早期の解消策を講じること
投稿日:2006/06/21 09:34 ID:QA-0005132
相談者より
投稿日:2006/06/21 09:34 ID:QA-0032142大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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