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【ヨミ】ベースアップ ベースアップ

物価の上昇や賃金相場の変動に合わせて会社の賃金テーブルを書き換え、全社員の賃金を一律に引き上げることをベースアップ、略して「ベア」と言います。ベアの引き上げ幅について労使間で交渉する場が「春闘」(春季生活闘争)。かつてベアは慣例のように行われてきましたが、現在ではデフレ経済の進行によって物価が上がらなくなっていること、企業間の業績格差が広がっていること、成果主義の賃金制度を導入する企業が増えたことなどから、春闘による業界横並びのベア要求は難しい環境にあります。
(2010/2/15掲載)

ベースアップのケーススタディ

「2010年デフレ春闘」ではベアより定昇
賃金凍結は景気の二番底を招く恐れも

賃金改定による昇給には、大きくベースアップと定期昇給(定昇)の二つがあります。労使交渉の結果によって、全体の賃金水準を一律に引き上げるのがベア。個人の年齢・勤続年数と賃金額との相関関係を表した賃金カーブに従って賃金が上がるのが定昇で、改定の額や率は各企業固有の賃金制度によって定められます。

2010年1月26日、日本経団連と連合の首脳懇談会が開かれ、10年春闘がスタートしました。前回の09年春闘では、物価上昇を背景に連合が8年ぶりの統一ベア要求を打ち出しましたが、08年秋以降の世界的経済危機のあおりで、自動車や電機などの主要労組では軒並みベアゼロ回答に終わりました。そればかりか、一部の電機大手では春闘妥結直後に定昇凍結を余儀なくされる異例の展開となりました。今春闘では、連合はベア要求を断念する代わりに定昇確保を掲げる現実路線に転換。こうした方針を受け、春闘のリード役であるトヨタ自動車労働組合も早々に5年ぶりのベア要求見送りを決めました。

しかし経団連側は賃金よりも雇用確保を優先し、定昇の凍結やカットも辞さない姿勢を打ち出しています。企業にとっては無理な賃上げをすれば、雇用者数の減少につながり、失業率の悪化を招きかねません。景気の先行きが厳しく“二番底”の懸念も高まるなか、賃上げは難しいのが現実でしょう。かといって、定昇の凍結など賃金の抑制傾向がさらに強まれば、消費は低迷し、企業収益の悪化へとつながります。さらなる賃下げ、物価の下落へと連鎖する「デフレスパイラル」に陥る心配もあります。

連合の古賀伸明会長は「給料の高い団塊世代の退職で、企業の人件費負担は下がっている。定昇は維持できるはずだ」と指摘しています。定昇維持を巡って、労使交渉は例年以上に難航するものとみられています。

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