社員が起こした警察沙汰のトラブル対応について
お世話になっております。
弊社社員が警察沙汰のトラブルを発生させてしまいました。
内容は盗撮行為です。
弊社の就業規則には、
諭旨退職・懲戒解雇基準に「刑罰法令に触れる行為に及んだとき」と
記載があります。
本人は警察から取り調べを受け、概ね行為を認めております。
今後は被害者との協議で示談となるか起訴されるかが決まるのですが、
現時点で懲戒処分(諭旨退職or懲戒解雇)を適用することは
時期尚早でしょうか?
また仮に不起訴になった場合、懲戒処分(諭旨退職or懲戒解雇)を
適用することは行き過ぎた対応となりますでしょうか?
よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/08/26 11:34 ID:QA-0157236
- 匿名平社員さん
- 愛知県/電機(企業規模 501~1000人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
対応
不起訴であっても懲戒解雇にする会社もあるようですが、ここはコンプライアンス上極めて慎重に正確な対応が必要です。
人事マターを超えた内容ですので、ぜひ弁護士にご相談の上、方針と対応を決めて下さい。
投稿日:2025/08/26 11:48 ID:QA-0157238
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1. 懲戒処分の前提(時期の問題)
懲戒解雇・諭旨退職といった重い懲戒処分を行うには、「客観的事実」と「就業規則上の根拠」が必要です。
現時点では「警察から取り調べを受け、本人が概ね認めている」という段階。
→ 刑事事件として確定していないため、懲戒処分を即断すると「処分時期が早すぎる」として不当懲戒と争われるリスクがあります。
2. 不起訴・示談となった場合の扱い
不起訴(嫌疑なし/嫌疑不十分)であれば、刑罰法令に触れる行為が立証されなかったことになるため、「就業規則の懲戒事由(刑罰法令に触れる行為)」を直接根拠に処分するのは難しいです。
ただし、不起訴=無実ではなく「起訴に足る証拠がない」という判断であることも多いです。
また、示談成立=加害行為自体は存在したが被害者が処罰を望まないというケースもあり得ます。
→ この場合、「会社の信用を著しく失墜させた行為」「職場の秩序を乱す行為」といった別の就業規則条項を根拠に処分を検討することは可能です。
3. 実務上の対応ステップ
(1)懲戒処分は確定判断が出るまで待つ
起訴・有罪判決が出れば「刑罰法令に触れる行為」で処分可能。
不起訴でも事実関係の認定(本人の自白・社内調査)で懲戒処分を検討できるが、重い処分ほどリスクが高い。
(2)当面の対応(身分上の処遇)
事実関係が明らかになるまでの間、自宅待機・出勤停止(有給/無給)などで会社の信用リスクを抑える。
(3)
処分の重さの選択
有罪確定 → 懲戒解雇も妥当性あり。
示談・不起訴 → 会社の信用失墜や職場秩序の観点で「諭旨退職」や「けん責・減給」など相対的に軽い処分が無難。
4. リスク整理
時期尚早に懲戒解雇 → 無効判決リスク(解雇無効・賃金支払請求)
不起訴後に重処分 → 行き過ぎと判断される可能性
したがって、処分の根拠と重さのバランスを慎重に調整する必要ありです。
5.まとめ
(1)現時点では懲戒解雇・諭旨退職は時期尚早。
(2)起訴・有罪であれば懲戒解雇は可能。
(3)不起訴・示談でも「信用失墜・秩序違反」を理由に一定の懲戒処分は可能だが、重い処分(懲戒解雇)は行き過ぎのリスクが高い。
(4)当面は自宅待機等の暫定措置を講じ、事実の確定を待つのが安全。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/08/26 11:55 ID:QA-0157240
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
|現時点で懲戒処分(諭旨退職or懲戒解雇)を適用することは
|時期尚早でしょうか?
↓ ↓ ↓
就業規則において、「刑罰法令に触れる行為に及んだとき」との規定があります
ので、不起訴になる可能性もある以上、時期尚早と言えます。
懲戒処分は、客観的で合理的な理由と社会通念上の相当性が求められます。
捜査段階で処分を下すと、この要件を満たしているか疑義が生じる可能性が
ある為です。
|また仮に不起訴になった場合、懲戒処分(諭旨退職or懲戒解雇)を
|適用することは行き過ぎた対応となりますでしょうか?
↓ ↓ ↓
一概に行き過ぎているとも言えません。
不起訴は刑事罰を科さないという判断であり、民事上の責任や会社の就業規則
違反の事実までを否定するものではないからです。
その際は事実関係を詳細に調査し、処分理由を明確に文書化しておくことが極めて重要です。また、本人からの弁明の機会を設けるなど、適正な手続きを踏む必要があります。
投稿日:2025/08/26 14:55 ID:QA-0157260
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、盗撮での起訴が確定すれば「刑罰法令に触れる行為に及んだとき」に該当するものといえますので、懲戒処分が可能となります。
但し、現時点では不起訴の可能性もございますので、一般的な対応としましては、自宅待機を命じた上で状況を見守られるのが妥当といえるでしょう。
投稿日:2025/08/26 15:58 ID:QA-0157274
プロフェッショナルからの回答
合理的な解釈
以下、回答いたします。
(1)私生活上の行為については、本来的には、使用者による規制を受けるべきいわれはないものの、企業の円滑な運営に支障をきたすおそれがあるなど企業秩序に関係を有する場合には、企業秩序の維持確保のために、懲戒を課することも許されるものと考えられます。(参考:関西電力事件 昭和58年9月8日 最高裁判決)
(2)ただし、懲戒が許されるのは、「当該行為の性質、情状のほか、会社の事業の種類・態様・規模、会社の経済界に占める地位、経営方針及びその従業員の会社における地位・職種等諸般の事情から綜合的に判断して、行為により会社の社会的評価に及ぼす悪影響が相当重大であると客観的に評価される場合」に限られると考えられます。(参考:日本鋼管事件 昭和49年3月15日 最高裁判決)
(3)本件においても、「刑罰法令に触れる行為に及んだとき」をこうした観点から合理的に解釈し、懲戒処分の適否を検討することが肝要であると考えられます。
投稿日:2025/08/26 18:29 ID:QA-0157290
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
- 大阪府/その他業種
現時点で、懲戒処分とするのは時期尚早です。
起訴され、有罪が確定すれば懲戒解雇も妥当といえるでしょうが、示談が成立し不起訴になった場合は、本人には強く戒め、次はないと毅然と警告したうえで一定期間の職務停止とする等の処分も考えられます。
ですが、職務停止が明け職場復帰しても周りの見る目が変わり、社内での信用はなくなり、歓迎もされないでしょうから、平常心で働くためには勇気もいるし困難も伴います。
本人とよく反し合ったうえで、退職届を出してもらうのが、リスクも少なく安全策といえるのではないでしょうか。
投稿日:2025/08/27 08:47 ID:QA-0157300
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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