事後報告の残業申請の仕方について(タイムカードへの手書き)
	いつも参考にさせていただいております。
 
 この度、残業申請制を導入することになりました。
 職種は、農業関係とうこともあり、終了時間が読みにくいため、事後報告になる可能性が高いです。
 
 その場合、本人にタイムカードに手書きで記入してもらい、上長が認め印などを押すような形でも、法律的には認められるのでしょうか?
 また、上長より時間の修正があった場合、手書きで修正は認められるのでしょうか?
 
 事後報告が多い場合の残業申請について、他にもっと簡単な良い方法はありますでしょうか?(勤怠システムの導入は、考えておりません。)
 
 ご教授いただければと思います。
 よろしくお願いいたします。    
投稿日:2025/07/09 12:08 ID:QA-0155158
- おはなさん
 - 大阪府/農林・水産・鉱業(企業規模 11~30人)
 
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
                ご質問について、回答いたします。
 
 |本人にタイムカードに手書きで記入してもらい、上長が認め印などを押す
 |ような形でも、法律的には認められるのでしょうか?
 ↓ ↓ ↓
 労働時間の実態を正確に把握していることが前提であれば、認められます。
 重要なのは、実態が、きちんと記録化され、実態にもとづき、給与の支払い
 がなされていることであります。
 
 |また、上長より時間の修正があった場合、手書きで修正は認められるので
 |しょうか?
 ↓ ↓ ↓
 本人同意が必要です。必ず、本人へ修正内容を伝え、同意をとってください。
 また、第3者が修正する際は、誰が・いつ・なぜ修正したかの記録が残るよう
 にしておくことが望ましいです。
 
 今後の対応策ですが、何故、事後報告が多く発生するのかの発生要因の追及
 が必要です。本来であれば、タイムカードの記録は、本人の業務終了時になさ
 れるものである為、事後が生じることはございません。タイムカードへ勤怠を
 記録するタイミングについて、問題があれば、再考ください。                
投稿日:2025/07/09 13:57 ID:QA-0155161
相談者より
                早速の返信ありがとうございます。
残業申請制を導入するにあたり、大変参考になりました。教えていただいた内容をもとに、社内の残業管理を見直し、ルール作りをしていきたいと思います。                
投稿日:2025/07/09 15:46 ID:QA-0155175大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
                残業申請については下記の流れになると思います。
 
 1. 申請書の作成:
 従業員は、残業時間、残業理由、業務内容などを記載した申請書を作成します。
 (タイムカードへ手書き)
 
 2. 上司への提出:
 作成した申請書を上司に提出します。
 (タイムカードを提出)
 
 3. 承認:
 上司は、申請内容を検討し、必要に応じて修正を指示したり、承認または不承認を決定します。(上司による認め印による承認)
 
 4. 残業の実施:
 承認された場合、従業員は申請された時間内で残業を行います。
 
 5. 勤怠記録:
 従業員は、実際の終業時刻をタイムカートで打刻します。
 
 1~3は残業する前に行う必要があるため退勤時刻の発生はないと思います。
 ご検討頂ければと思います。                
投稿日:2025/07/09 14:22 ID:QA-0155163
相談者より
                丁寧にご回答いただき、感謝いたします。
いただいた内容を参考にさせていただき、従業員の方々がより申請しやすい環境作りを整えていきたいと思います。
大変ありがとうございました。                
投稿日:2025/07/10 09:42 ID:QA-0155185大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
                ご質問いただきまして、ありがとうございます。
 次の通り、ご回答申し上げます。
 (はじめに)
 農業関係のように業務終了時間が天候や作業内容に左右されやすい職種では、残業申請の事後報告は一定程度やむを得ません。以下、ご質問に沿って法律的な観点と実務的な対応をご説明します。
 
 1. タイムカードへの手書き記入+上長の認印は、法的に認められるか?
 原則として、認められます。
 労働時間の把握は、労働安全衛生法第66条の8の3や労働基準法に基づき、事業者が客観的な方法で適正に行う義務があります。厚労省のガイドライン(2017年1月「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」)では、以下のような方法が認められています:
 タイムカード打刻
 ICカードや入退室記録
 パソコンのログオン・オフ時間
 やむを得ない場合には、自己申告(手書きなど)でも可
  ※ただし、適切なチェックと管理(上長の確認など)が必要
 したがって、
 タイムカードに手書き記入し、上長が認め印などで確認する形態も、適切に運用されていれば問題ありません。
 
 2. 上長による手書きでの修正は認められるか?
 修正の内容・理由が明確で、本人が確認していれば認められます。
 労働時間の記録を修正する場合、次の点に留意してください:
 本人の同意または確認があること
 修正の経緯(例えば「帰宅後、退勤打刻を忘れたため」など)を記録に残すこと
 修正前の記録を保存しておく(トレース可能にする)こと
 つまり、一方的な修正(本人の確認なし)はNGですが、
 上長が内容を確認し、本人と合意の上であれば「手書き修正」も合法的に認められます。
 
 3. 事後報告が多い場合の、簡便で適法な運用方法は?
 以下のような方法が現実的です:
 【簡便な紙ベース運用の例】
 「時間外労働申請兼承認書」様式を作成
  → 申請者が「○月○日、〇時〇分~〇時〇分、業務内容:〇〇作業」と記入
  → 上長が日付・認印・コメントで承認
  → 勤怠台帳と一緒に保存(3年間)
 
 【タイムカード併用方式】
 タイムカード打刻(打刻漏れや残業が生じたら)
 裏面や別紙に「訂正申請欄」「時間外申請欄」を設けて手書き
 上長が認印・確認欄記入 → 勤怠担当者が月次集計
 
 4.運用上の注意点
 手書きでも「改ざんの疑いが出ないように」管理責任者の確認・保管を徹底
 残業の多寡にかかわらず「業務命令としての残業」であることを明示(黙認残業を避ける)
 毎月の労働時間の集計と、36協定の上限超過の管理は忘れずに
 
 以上です。よろしくお願い申し上げます。                
投稿日:2025/07/09 14:24 ID:QA-0155164
相談者より
                丁寧にご回答いただき、感謝いたします。
細やかな注意点など、大変参考になりました。
残業管理をもっと明確化し、適切に運用できるように環境作りを整えていきたいと思います。
大変ありがとうございました。                
投稿日:2025/07/10 09:55 ID:QA-0155189大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
                農業関係ということですが、
 農業自体は、天候等に左右されることから、労基法の対象外とされています。
 
 もう少し、業務を洗い出い出した方がよろしいでしょう。
 ・なぜ、終了時間が読みにくいのか。
 ・上長より時間の修正があった場合とはどのようなケースなのか。
 
 業務によっては事業場外みなし労働時間制も選択肢になります。
 
 事後報告かつ自己申請にならざるえないのであれば、
 本人にヒアリングしたり、たまに現場に顔を出して確認する必要があります。                
投稿日:2025/07/09 15:20 ID:QA-0155169
相談者より
                ご回答感謝いたします。
農業が労基法の対象外ということは承知しておりますが、従業員の方には適切に残業代を支払っていきたいと考えております。
業務の洗い出しは、全くその通りでございます。
今回いただいた内容をもとに、業務内容の見直しも検討していきたいと思います。
大変ありがとうございました。                
投稿日:2025/07/10 10:05 ID:QA-0155193大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご参考
                 以下、御参考として情報提供させていただきます。
 
 (1)労働基準法で定められている「労働時間に関する規定」は、農業に従事す
   る労働者については適用されません。
 
 (2)そうであっても、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置
   に関するガイドライン」(厚生労働省 平成29年1月20日策定)で記載され
   ている、「自己申告制により始業・終業時刻の確認及び記録を行う場合の措
   置」はご参考になるのでないかと思われます。以下、ポイントです。
     ※ 労働者に対して、労働時間の実態を正しく記録し、適正に自己申告 
       を行うことなどについて十分な説明を行うこと。 
     ※  実際に労働時間を管理する者に対して、自己申告制の適正な運用を
       含め、十分な説明を行うこと。 
     ※ 自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致している
       か否かについて、必要に応じて実態調査を実施し、所要の労働時間
       の補正をすること。
     ※    自己申告した労働時間を超えて事業場内にいる時間について、その
       理由等を労働者に報告させる場合には、当該報告が適正に行われて 
       いるかについて確認すること。 
     ※    自己申告制は、労働者による適正な申告を前提として成り立つもの
       である。このため、使用者は、労働者が自己申告できる時間外労働
       の時間数に上限を設け、上限を超える申告を認めない等、労働者に
       よる労働時間の適正な申告を阻害する措置を講じてはならないこ 
       と。                
投稿日:2025/07/10 07:30 ID:QA-0155181
相談者より
                ご回答いただき、感謝いたします。
ガイドラインのポイントを教えていただき、大変参考になりました。
いただいた内容をもとに、しっかりルール作りをしていきたいと思います。
大変ありがとうございました。                
投稿日:2025/07/10 10:14 ID:QA-0155196大変参考になった
    回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
    回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
    ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
    
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