ハラスメントになるのかどうか
いつもお世話になります。
早速ですが、事例の条件(事実)で必要なファクターを以下列記します。
●種別:セクハラ(?)
●環境:就業時間後の自社事務所外の居酒屋店舗での打ち上げ会
●参加者数:30名(男性12名、女性18名)
●当事者:上級管理職(場の中では最上位)
●状態:酩酊(当日は記憶なし)
●行為と被害者数:抱きつき(というより抱擁)(男女5名)、肩ポンポン(激励だが男女5名程度)、デュエットでの腰に手回し(女性1名)、上半身脱ぎ腹見せ(女性1名)
★被害を訴えたもの 0名
●翌日当事者自身がなんとなく違和感を感じ、部下に確認して事態を認識。
上位職への報告と、被害者(?)の謝罪を実施。
●本社監査担当者が関係者にヒアリングを実施。
特に被害者意識をもっている社員が0名であった。
という状況です。会社としてはセクハラ禁止事項、相談窓口、秘密保持、通報者不利益禁止等の均等法への就業規則の批准はできています。また、ハラスメント予防、内部通報意識醸成のコンプライアンス教育を年1回講じており、会社としての周知義務、予防措置義務は果たしていると考えています。
当事者の行った行為は、一般的に見て十分ハラスメントに該当するものと思われますが、「優越的地位」を利用した悪質性の高い案件ではなく、稚拙な「乗りの良さ」からくるコミュニケーションの勘違いだと思われます。
気持ちが悪いのは、これだけの行為があっても当事者は「セクハラ」と認識・申告しているが、被害者が誰一人セクハラを受けた自覚がないということです。質問は2点です。
1.こんなケースで当事者を処分する妥当性(根拠)
2.むしろ被害者側のセクハラに対する意識の低さや、当事者の処分を行わなかった場合、会社が負っている安全配慮義務違反や均等法上のハラスメント防止義務に抵触するかどうか。
です。珍しいケースなので、対処案に困っています。
ご教示いただければ幸甚です。
投稿日:2024/06/20 15:45 ID:QA-0139975
- リュウのパパさん
- 東京都/その他業種(企業規模 5001~10000人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
セクハラ行為というのは、労働者の意に反してという枕言葉があります。
行為を拝見する限り、セクハラなのかどうか現場の状況にもよりますので、
ギリギリ微妙なラインです。
本人がなぜ翌日違和感を感じたのかも不思議です。
30名?のヒアリングを行った結果、特に被害者意識をもっている社員が0名であった。
ということですから、単なる楽しい飲み会であった可能性もあります。
被害者、あるいは現場にいたメンバーから相談があったのであれば、
さらに客観的に判断する必要がありますが、
今回は、今後十分気をつけるよう、懲戒処分前の指導でよろしい気がします。
投稿日:2024/06/20 17:46 ID:QA-0139991
相談者より
小高先生、早速の回答ありがとうございました。
ほぼご教示に近い見解も持ってはいたのですが、おっしゃるとおり「ハラスメントは意に反して」ということになると、悪質性は低いとなります。褒められたものではありませんが、全社的な厳重注意が必要だと認識しました。
投稿日:2024/06/21 07:50 ID:QA-0140009参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、文面内容を拝見する限り、通常であればセクシャルハラスメントに該当する行為に当たるものといえるでしょう。
従いまして、御社就業規則におけるハラスメント行為に関わる規定に基づき処分を科す事は可能といえますし、何も対応されませんと法令上問題があるものといえるでしょう。
たとえ被害の申し出が無かったとしましても、内心は嫌な思いをされている方もいないとは言い切れませんし、上司に遠慮して申告出来なかった可能性も十分にございます。
従いまして、客観的に見て問題が有る行為につきましては、被害の申告有無を問わず会社としてきちんと対応される事が必要といえます。
投稿日:2024/06/20 19:31 ID:QA-0139997
プロフェッショナルからの回答
管理職のハラスメント意識
セクハラ対応で多数の事例を担当してきましたが、本件のように「被害者ゼロ」という例は、実はかなり多く見られます。決して珍しいものではありません。
これは2つあって、本当に仲良しな間柄で被害のないもの。しかしもう一つ、本当は嫌だったが空気を悪くしたくない、上長への気遣いから表ざたにしたくないというものがあり、こちらが実際にはほとんどだと考えます。聞き取り調査で嘘をついたり隠すのが普通なので、後者は顕在化しません。
顕在化するのはもっと深刻なトラブルに至った時、辞める時など、リスクがエスカレートした場合です。
つまり今回の行為者は上級管理職でありながら、ハラスメント認識ができておらず、きわめて不適切な行為を働くという、十分懲戒にあたる行為をしたと思います。実際の被害者は出なかったものの、こうした認識欠如は、本来上級管理者として絶対に許されないことです。
飲酒運転をしたが事故にならなかったというのと変わらない罪だと思います。
管理者は自分以外の他の社員がそうした行為に及んだ際は、率先して止め、厳しく禁止する義務があります。この宴会は業務との連続性が高く、業務上のセクハラと考えるのは普通です。
社長などトップ、役員、上級管理者など、職位の高い人物からハラスメント高リスク者となりますので、ハラスメント研修でも、一般社員より危険性も優先順位も高いのは上層部です。
法律に抵触するかどうかより、社全体でのハラスメント意識の見直しをする機会なのではないでしょうか。
投稿日:2024/06/20 20:48 ID:QA-0140006
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