職員が個人的なブログで法人の名誉を傷つけた場合の取扱い
いつも拝見させて頂いております。
当社が運営する施設のある職員が、個人で立ち上げているブログに、施設・法人の名誉を著しく傷つける文章を掲載した(と思われる)のですが、この職員の処罰を含めて、どのような取扱いをしたら良いでしょうか?
①該当の職員は(ほぼ)特定できていますが、本名の記載等明確な物的証拠はありません。
しかし、本人が周囲の職員に自分がブログを立ち上げたので見てほしいと話していた(その後、突然、自分は書いていないと豹変)ことと、記載された日々の行事内容等から、まず間違いないと思われます。
②就業規則では、「職場の内外を問わず、当社の名誉・信用を傷つけることはしてはならない」と規定しております。
この場合は、「けん責、減給、出勤停止」の内いずれかを適用することとしております。
上記のような状況なのですが、できれば自主退職にもっていければと考えておりますが、
①その場合の注意点
②個人面談等具体的な対応の仕方
についてご教授頂けますと幸いです。
宜しくお願い申し上げます。
※運営事務局で一部の文章を削除いたしました。
投稿日:2008/07/15 17:38 ID:QA-0013092
- 鬼平さん
- 新潟県/医療・福祉関連(企業規模 1001~3000人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、「本人も事実を否定しており証拠が無い」となれば、やはり慎重な対応をしなければなりません。
刑法でも「疑わしきは罰せず」が原則ですので、「まず間違いない」と「間違いない」とでは雲泥の差がございます。
従いまして、ブログ記事の件を理由とする自主退職の話は現時点では出来ないものとお考え下さい。
ちなみに、確証をつかみ本人も認めた際の対応ですが、
① 文面を見る限り、就業規則上では解雇事由に挙がっていませんので直接記事の件で解雇とすることは出来ません。自主退職に持って行くとしましても、就業規則に従い、まずは「けん責、減給、出勤停止」のいずれかを適用して様子をみることが必要です。記事内容の歪曲度合いや本人の反省の有無等も考慮に入れた上で、出来れば軽い処分から進められる方が望ましいでしょう。ちなみに、書いてある内容に事実性が高いものがあれば、重い処分を課した場合逆に提訴される可能性もないとはいえませんので、極端な感情的表現のみに捉われず、記事内容全体の分析も慎重に行う事が不可欠です。
② ①とも関連しますが、いきなり解雇を伝えるなどいうのは明らかに解雇権の濫用で逆に御社が訴えられることも考えられます。また、自主退職といっても当人に強制的と取られるような威圧的な対応は不可です。あくまで軽い懲戒処分から始め、今後同じような事が繰り返されるようであれば更に重い処分が課されることを予告した上で、会社としても当人に対し十分な改善指導を行うべきです。また、こうした書き込みの背景には当然ながら会社への大きな不満があるものといえます。仮にその原因の一端が会社にもあるとすれば会社自らも職場の改善等を進めて同様の事件が起こらないように尽力しなければなりません。そういったことも本人に伝える等、一方的に本人を糾弾することなく、本人の弁明にも耳を貸した上で対応されるべきというのが私共の見解になります。
投稿日:2008/07/15 23:27 ID:QA-0013093
相談者より
早速ご回答頂き、ありがとうございました。
自主退職は、確証もなくまた、本人も認めていない現状では無理ということですが、現状で当社として打つことが出来る、また、打っておくべき対策はどのようなものがあるでしょうか?(該当者に対すること、組織全体に対すること等)
重ねての質問でお手数をお掛けしますが、ご教授くださいますようお願いいたします。
投稿日:2008/07/16 22:14 ID:QA-0035241大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
再度お答えいたします
こちらこそご返事頂き有難うございます。
再度ご質問の件ですが、
・該当者と思われる個人に関すること‥ 基本的に表立った措置に関しては何も出来ません。出来ることは引き続き情報収集を進め確証を掴むか、本人に対して直接的な言及を避けた上で確認してみる等、裏での調査ということになります。そういったことが行われていれば例え処分が出来なくとも当人にとってプレッシャーとなり、再発の抑止につながる事は間違いありません。
・組織全体に対すること‥ 個人のブログ等の管理まで会社が行なうことはプライバシーの侵害になりますので通常出来ません。但し、例えばそういった名誉毀損に関して、事実関係が明確になった場合について、損害賠償請求や解雇事由ともなりえることを就業規則上に明記しておくことで安易な記事書き込みへの防止効果が期待できるものといえるでしょう。
但し、従業員が(事実であるかは別としまして)会社に大きな恨みを持っていたり、何らかの大きな不満を抱いていたりしますと、どのような防止策を講じていても通用しないでしょう。
従いましてこうした行為をなくす為には、日頃から面談等によって従業員との意思疎通をしっかりと行い、不満が合った際には気軽に相談できる窓口を設けて実際にも機能させるといったことが重要といえるでしょう。
投稿日:2008/07/17 11:47 ID:QA-0013114
相談者より
詳しいアドバイスを頂き、大変ありがとうございます。
出来ることから進めていきたいと思います。
今後とも宜しくお願いいたします。
投稿日:2008/07/18 08:59 ID:QA-0035246大変参考になった
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