法定労働時間を超える雇用契約書の書き方
いつもお世話になっております。
タイトルの件でどなたかご教示いただけますでしょうか。
1日10時間、週4日で雇用契約を結ぶ場合、雇用契約書への適切な書き方を教えて下さい。
変形労働時間制は導入していません。
労使協定は締結済みです。
1日8時間を超える労働時間については割増賃金を支払います。
※下記の時間は例えばです。
① 就業時間 始業:午前9時~終業:午後8時 休憩1時間 実働10時間
時間外労働 上記のうち、午後6時~午後8時の2時間
所定労働時間 10H × 週4日 = 40H/週
割増賃金率 法定外25%
② 就業時間 始業:午前9時~終業:午後6時 休憩1時間 実働8時間
時間外労働 午後6時~午後8時の2時間
所定労働時間 8H × 週4日 = 32H/週
但し、毎回2時間の時間外労働がある
割増賃金率 法定外25%
上記が適切でない場合、適切な書き方をご教示いただけないでしょうか。
よろしくお願いいたします。
投稿日:2020/07/15 21:16 ID:QA-0095156
- 人事三郎さん
- 神奈川県/保安・警備・清掃(企業規模 501~1000人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、当初から時間外労働を含めて1日10時間で契約されることは法定労働時間への違反となり認められません。
従いまして、①は当然に不可となりますし、②につきましても「毎回」という約束を契約書に事前に織り込む事は出来ません。また、②で示されたように「時間外労働 午後6時~午後8時の2時間」と具体的な時間数や時間帯まで記載されますと、その範囲内でしか時間外労働を指示する事が出来なくなり、柔軟な運用が出来なくなってしまいます。
対応としましては、②の上記部分を「時間外労働 1日〇時間まで」といった風に上限時間のみ記載される事で、実際には労使協定の範囲内におきまして1日10時間勤務でも回していく事が可能といえます。
投稿日:2020/07/16 09:42 ID:QA-0095170
相談者より
ご回答いただき、ありがとうございます。
毎回、参考にさせていただいております。
例えば、1ケ月単位の変形労働時間制を導入した場合は違反にはならないでしょうか。
例えばこの場合であっても8時間を超える時間について割増賃金を支払うことは問題ありません。
投稿日:2020/07/16 18:14 ID:QA-0095194大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
①のように初めから法定労働時間を超える契約は無効となりますので、
②で以下、ご参考までに
就業時間 始業:午前9時~終業:午後6時 休憩1時間 実働8時間
時間外労働 毎日2時間(午後6時~午後8時)の時間外労働がある
割増賃金率 法定外25%
投稿日:2020/07/16 11:55 ID:QA-0095180
相談者より
ご回答、ありがとうございます。
重ねてご質問恐縮ですが、例えばこのような契約を締結した場合、2時間の時間外労働をしないで帰ってしまっても従業員の非は問えないものですか?
(質問の内容が変わってしまって申し訳ございません)
投稿日:2020/07/16 17:59 ID:QA-0095191大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
労基法
基本的に時間外ろうとを禁じるのが労基法の趣旨ともいえますので、それを規定した契約は無効です。1日8時間までの契約しか拘束はできません。
その上で、実運用上野残業が発生する場合があるということで対応となります。契約書による残業強制はできません。
投稿日:2020/07/16 14:03 ID:QA-0095185
相談者より
ご回答、ありがとうございます。
重ねてご質問恐縮ですが、例えば8時間を超える部分の賃金を割増にした1ケ月単位の変形労働制を導入する(本来は割増しないで良いのでしょうが)ということは可能でしょうか。
投稿日:2020/07/16 17:54 ID:QA-0095190参考になった
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
- 大阪府/その他業種
基本的には②が適切な書き方になるかと存じます。
ただし、時間外労働に関していいますと、「毎回2時間の時間外労働がある」と書いてしまえば、2時間を超えて残業をさせることはできませんのでそこは注意が必要です。
出勤日によっては残業時間が2時間を超えるようなこともある場合は、例えば「毎回2時間の時間外労働がある。ただし日によっては2時間を超えて時間外労働を命ずることがある。」あるいは、時間を特定せずに「毎回〇〇時間以内の時間外労働がある」と記載する方法もあります。
①のように、初めから実働10時間と書くことは、労基法上も好ましいことではありません。
投稿日:2020/07/16 14:50 ID:QA-0095186
相談者より
ご回答いただき、ありがとうございます。
よく理解できました。
ちなみに他の先生にもお伺いしておりますが、1ケ月単位の変形労働を導入した場合(1日あたり8時間を超える部分の割増は支払う)にも2時間以上の時間外労働を命ずることがある旨は必須記載事項でしょうか。お忙しいところ申し訳ございません。
投稿日:2020/07/17 09:21 ID:QA-0095201大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
再度お答えいたします
ご返事下さいまして感謝しております。
ご質問の件ですが、1ケ月単位の変形労働時間制を導入した場合ですと、法定労働時間の総枠を超えない場合は1日10時間労働の日があっても差し支えございませんし、その場合事後に変更さえなければ時間外労働割増賃金を支払う必要も生じません。
投稿日:2020/07/17 17:04 ID:QA-0095227
相談者より
お忙しい中ご回答いただき、ありがとうございます。
法令に違反しないよう注意してやっていきたいと思います。
投稿日:2020/07/20 10:34 ID:QA-0095263大変参考になった
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
- 大阪府/その他業種
1ケ月単位の変形労働時間制を導入する場合、1日の労働時間を何時間と定めるかよって、時間外労働の捉え方が異なります。
つまり、1日について、あらかじめ8時間を超える時間(御社の場合でいえば10時間)を定めた日はその時間(10時間)を超えて労働した時間が、それ以外の日は8時間を超えて労働した時間が、時間外労働となります。
したがって、御社の場合、1日10時間、週4日勤務ですから、1ケ月単位の変形労働時間制のもと、1日の労働時間を10時間と定めておけば、時間外労働は発生せず、割増賃金を支払う必要もありません。
ただし、10時間を超えて労働させることもある場合は、例えば、「所定労働時間10時間、ただし、業務上必要があれば10時間を超えて労働を命ずることがあり、超えた分の割増賃金は法定どおり支払う」といった体で記載しておけばいいでしょう。
この考え方は1週についても同様であり、あらかじめ40時間を超える時間を定めた週はその時間を超えて労働させた時間が、それ以外の週は40時間を超えて労働させた時間が、時間外労働となります。
投稿日:2020/07/18 07:49 ID:QA-0095242
相談者より
詳しいご説明で大変よく理解できました。
どうもありがとうございます。
法令に違反しないよう、注意してやっていこうと思います。
投稿日:2020/07/20 10:32 ID:QA-0095262大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
問題が解決していない方はこちら
-
時間外労働について 時間外労働について質問です。当社... [2021/06/03]
-
週の所定労働時間の設定について 1日の所定労働時間と週の所定労働... [2021/07/10]
-
フレックスタイム制の残業時間について フレックスタイム制の残業の端数処... [2023/01/27]
-
月をまたぐ場合の週法定労働時間を超える時間外労働 労働時間管理上における、月をまた... [2020/03/02]
-
フレックスにおける育休復帰者の月途中日割 フレックスタイム制を適用している... [2024/03/15]
-
所定労働時間>法定労働時間の場合の時間外賃金について 弊社はフレックスタイム制で割増賃... [2019/03/07]
-
時間外労働分の別日調整について質問 時間外労働の他日調整について質問... [2024/07/04]
-
労基法の休憩時間について 労基法の休憩時間について教えてく... [2019/12/16]
-
時短勤務者の所定時間外労働について(フレックスタイム制) フレックスタイム制における時短勤... [2019/11/14]
-
時間外労働総量規制における所定労働時間と法定労働時間の関係 本年4月1日からの「働き方改革法... [2019/06/03]
お気軽にご利用ください。
社労士などの専門家がお答えします。
関連する書式・テンプレート
雇用契約書
雇用契約書のテンプレートです。ダウンロードしてご利用ください。
雇用契約書(正社員用)
雇用契約書(正社員用)の記入例つきテンプレートです。
時間外労働申請書
時間外労働は法令に従って管理し、適正に割増賃金を支払う必要があります。管理の補助ツールとしてご利用ください。
再雇用契約書
高年齢者雇用安定法の中でも2021年4月に施行された内容に対応して、再雇用契約を結ぶための書式文例です。