健康状態を理由とした内定取消について
我が社では、採用内定者には内定付与後(採用することが決定~入社までの間)に直近の健康診断書を提出してもらい、健康状態を確認しております。新卒・中途採用とも同様です。
この場合、仮にその健康状態に重大な問題等があったとしても、内定取消は難しい…というのが過去のQ&Aを拝見しての当方の理解です。
繰り返しの質問とも言えますが、以下のような予防線を張っていてもやはりそれは難しいでしょうか?難しい場合、企業側としてそのような人物の採用を極力避けるためにどのような措置を行うことが適切でしょうか?
①内定付与時に、保険会社の告知書のように、過去の傷病歴を問い合せ、虚偽等が発覚した際には内定もしくは入社を取り消す。
②採用選考時点から健康診断書等を提出させ、採否の判断材料のひとつとする。(診断書の内容が芳しくない場合、不採用とすることがあり得る)
③内定付与後に本人から署名してもらう入社承諾書内に、「入社前に健康その他勤務に重大な支障があると認められた場合は、採用内定を取り消されても異議は申しません。」という文言を書き入れ、提出してもらう。
上記はいずれも、内定付与~入社までに行おうという考えの措置でございます。(これも過去のQ&Aから、内定≒採用であり、内定取消は解雇と同様という考え方が通例であることも承知の上でのことですが)
恐れ入りますがご助言の程をお願いいたします。
投稿日:2016/04/28 15:53 ID:QA-0065886
- スイーツ男子さん
- 長野県/機械(企業規模 501~1000人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、健康状態に関しましては、就労の可否を判断する上で大変重要な判断基準になるものといえます。それ故、正式に入社した後であっても、そういった事柄について虚偽の申告をしていた場合に関しましては、通常解雇事由になりえるものといえるでしょう。
従いまして、何らかの形で就労に直接影響を及ぼす程度の傷病が発覚した場合ですと、内定を取り消しされても差し支えないものといえます。
しかしながら、仮に虚偽の申告または傷病歴を隠して内定を得たとしましても、その傷病によって直ちに就労に影響があるとまではいえない場合ですと、内定取り消しまでは難しいといえるでしょう。そのような場合には、診断書を提出してもらった上で判断される事が必要になります。その結果、就労可能と示された場合でも、入社後の就労状況を確認の上、業務遂行に重大な支障が出るようであれば解雇される事も通常可能であるといえます。
投稿日:2016/04/28 18:03 ID:QA-0065889
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
採用選考時点(内定にも至らない段階)での提出が望ましい
▼ 採用に関する健康診断は、労働安全衛生法(66条)に基づく健康診断とは違いますので、その取扱いに関する法の定めはありません。従い、診断書の提出時期・健診項目・実施機関も、自治体、民間企業、各種学校などの採用側により、かなりのバラツキが見受けられます。
▼ 実際は、採用内定時に提出させるケースが比較的多いようですが、内定後の提出で「問題あり」として、採用を取消すのは、大変難しい場合が多いのが実態です。従って、出来れば、② の様に、採用選考時点(内定にも至らない段階)で、提出して貰うのが、求職、求人双方にとって好ましいと考えます。
投稿日:2016/04/28 19:22 ID:QA-0065892
プロフェッショナルからの回答
選考過程で
身体状況が業務に影響する場合は当然採否に関わることになります。ただし影響がないものであれば、それを理由とする解雇はできませんので、まずは採用選考の最終段階などで診断書提出などが一般的といえます。業務で要求される健康状態があるのであれば、それが支障ない旨、本人から誓約してもらうと良いでしょう。
投稿日:2016/04/28 23:47 ID:QA-0065896
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
①について
過去の傷病歴だけでは、入社取り消しは、できません。現在、治癒していれば、問題ないといえるからです。また、病歴詐称についても、入社取り消しはできません。判例では、年齢、学歴、経歴については、重大な詐称として、入社取り消しが可能とされています。
②について
会社には採用の自由が認められています。診断書の内容により採否を決定しても問題はありません。
③について
入社承諾書へ記載することは問題ありません。
ただし、採用内定は、始期付解雇権留保付労働契約が成立したものと解されます。内定時に知ることが不可能であった、またそのことを知っていれば採用しなかったとされる合理的な理由がなければ取り消しはできません。
投稿日:2016/04/30 03:47 ID:QA-0065901
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
問題が解決していない方はこちら
-
採用内定書をタイミングと10月以降の採用内定解禁時の内定書 今年度大学卒新卒者を6月に採用、... [2009/06/18]
-
内定通知書について 間もなく10年度卒業の学生に対し... [2009/05/13]
-
内定辞退 今年になって内定辞退が急増してお... [2005/08/01]
-
内定通知の時期について 新卒採用で10月以前でも内々定で... [2005/09/03]
-
内定式 この度、弊社として初めて『内定式... [2005/07/27]
-
内定式と入社式の同時実施について 本年度より入社の時期(10月・4... [2009/08/03]
-
【2010年度入社】 新卒の採用単価について [2009/09/17]
-
先着順の内定 内定期限を設けず、または長い期間... [2021/02/10]
-
採用内定取り消し 採用内定の取り消しについて、ご相... [2014/12/16]
-
内定通知時の入社期日 中途採用において内定を提示する際... [2024/10/18]
お気軽にご利用ください。
社労士などの専門家がお答えします。
関連する書式・テンプレート
内定通知書
新卒採用において、内定出しをする学生に渡す「内定通知書」の一例です。
採用内定通知
採用内定通知書です。
最後の一文がポイントです。是非ご利用ください。
内定通知書
新卒者向けの内定通知書です。どうぞご利用ください。
内定承諾書
新卒採用において、内定出しをする学生に渡す「内定承諾書」の一例です。