メンタルヘルスの従業員の給与を減給できるかどうか
いつもお世話になっております。
弊社は、メンタルヘルスでたびたび欠勤している従業員がいます。
昨年、休職を3ヵ月していたのですが、復帰後たびたび欠勤しております。
現在1ヶ月欠勤しております。
欠勤理由は、頭痛、腹痛、風邪、発熱等で、診断書にも病名ではなくこのような症状が記載されているものばかりです。
以前の病気と関連性があれば休職をしてもらうよう勧めたのですが、本人は「病院で検査してもらったが、よくわからない」と言い、休職を拒否します。
毎日、休む連絡はあるのですが、その度に周りの従業員はその従業員の仕事をしないといけないので、過重労働になってしまいます。
むしろ、周りの従業員のモチベーションが下がり、社内の雰囲気が悪くなってしまいます。
そこで、本題なのですが、このような従業員の基本給を下げることは可能でしょうか?
その場合、10%までしか下げれないのでしょうか?
投稿日:2012/11/21 09:45 ID:QA-0052222
- **りんさん
- 兵庫県/建設・設備・プラント(企業規模 101~300人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
御相談の件ですが、基本給減給につきましては御社就業規則(賃金規程)の根拠が必要です。つまり、勤怠状況の悪い場合に人事評価によって減給出来る制度になっていれば可能ですし、そうした規定が現状なければ減給は出来ないものといえます。その場合は短時間就労で対応する事も考えられますが、労働条件の不利益変更にもなりえますので原則当人の同意を得る事が求められます。
ちなみに余りに勤怠不良であれば、労働契約の義務を果たしえないものといえますので、きちんとした診断書を提出してもらうべきです。病名も分からない診断書というのでは偽装の可能性もございますし、健康管理の面からも当人の許可を得た上で主治医の意見を聴いたり場合によっては会社指定の医師の診断を受けてもらうべきといえます。また、就業規則にもよりますが通常ですと休職命令につきまして本人の承諾は不要ですので、現状のまま勤怠不良が続けば、以前の病気との関連性に関わらず産業医等とも相談の上再度休職の方向で検討されるのが妥当といえます。
投稿日:2012/11/21 10:26 ID:QA-0052226
相談者より
就業規則の懲戒の種類で『譴責のうえ、1回の額が平均賃金の1日分の半額以内、総額で1ヵ月の賃金の10分の1を超えない額を減ずる』というのが、適用できるでしょうか。
給与規定では、減額を明記したものはないので、やはり難しいでしょうか。
投稿日:2012/11/21 11:35 ID:QA-0052230大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
法規定に抵触しない引下げも不可能ではないが、条件が・・
欠勤に対する賃金不支給 ( カット )、 勤怠を考課要素とする基本給引下げ、 賞与減額などは、労基法第91条の減給制裁の制限に抵触しないとするのが一般的です。 但し、 就業規則 ( 或いは、付属の賃金規程や考課規程 ) にその旨を明記しておくことが必要です。 更に、ご質問事案では、当該社員の欠勤事由と、再休職 ( 休職は会社が命じるものです ) 措置の適否について、産業医などの意見聴取をお勧め致します。
投稿日:2012/11/21 10:44 ID:QA-0052228
相談者より
産業医には、以前相談したものの、専門外だからなのか、あまり親身になってくれませんでした。
投稿日:2012/11/21 11:37 ID:QA-0052231大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
まずは、就業規則の休職規定の記載を確認してください。会社が命ずる休職を拒否できないとなっていないか。また、休職となる条件はどうなっているのでしょうか?
基本給を下げることは、懲戒ではありませんので10%というきまりはありませんが、本人の合意がない限り、簡単にはできません。
欠勤控除により、給与は減額となってはいないのでしょうか。
会社にも安全配慮義務がありますので、業務命令として、診断書を提出させること。その上で、必要があれば、会社の産業医等指定医に診断してもらい、業務命令として休職を命じることです。
御社の就業規則がメンタルヘルス不調者に対応していないようであれば、早急に見直しが必要と思われます。
投稿日:2012/11/21 15:47 ID:QA-0052237
相談者より
就業規則には『病気欠勤7日以上に及ぶ場合は医師の診断書を添付しなければならない』と明記しているのですが、提出を拒むことはできないとまではしておりませんでした。
休職規定がメンタルヘルスに対応していないので、整備していくしかないということですね。
投稿日:2012/11/21 17:57 ID:QA-0052238大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
勤怠問題
メンタルへルスがからみますとどうしても会社側が及び腰になることが多々ありますが、本件は勤怠管理の問題です。勤務状況による原因でメンタルヘルスに問題が出たのでない以上(その証明は非常に難しいです)、単に頻繁に休んでいるだけで、本人もそう申し立てている以上、他の社員と平等に扱わなければなりません。また有給休暇を使っているかと思いますが、仮に有給をあまり取らない、取りにくい社風であったとしても、これは法律上許されませんので、少なくとも有給がある以上は認めるしかないでしょう。
ただし有給を使い切り、欠勤が続くのであれ、普通は著しい勤怠不良ですから、継続的に確実な指導と改善を要求し、それが果たせなければ退職になるでしょう。一発で減給して済むことではなく、このように時間をかけて、確実に指導とその結果の実績を重ね、解雇あるいは退職につながるとお考えいただきたいと思います。
投稿日:2012/11/21 20:02 ID:QA-0052240
相談者より
結局、この社員は精神疾患の診断書を提出しました。
3週間自宅療養のあと、休職に入ると思います。
投稿日:2012/12/06 09:52 ID:QA-0052395大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
再度お答えいたします
ご返事頂き感謝しております。
理由の不明確な欠勤等で御社規定の懲戒事由に該当すれば、就業規則の懲戒の種類で「譴責のうえ、1回の額が平均賃金の1日分の半額以内、総額で1ヵ月の賃金の10分の1を超えない額を減ずる」との規定は適用可能です。額が少ない為実際の効果は乏しいですが、懲戒措置を取る事で状況改善がなされない場合に今後さらなる重い措置(例えば懲戒解雇等)が取り易くなるといった効果が得られます。
給与規定では減額を明記したものはないということであれば、減給は困難でしょう。成果重視の給与制度導入が進んでいる中、評価減給の制度すらないというのは明らかに賃金制度の整備が遅れているものといえます。この点は今後の重要課題としまして社内で検討されるべきです。
投稿日:2012/11/21 23:35 ID:QA-0052242
相談者より
ご回答ありがとうございました。
今の規定では難しいということがわかりました。
結局2ヶ月近く欠勤している状態です。
3ヶ月続けば、休職に入ることになりそうです。
この、欠勤が3ヶ月というのも長い気がします。
投稿日:2012/12/06 09:54 ID:QA-0052396大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
会社と従業員の方がお互いに納得できる働き方を目指されてはいかがでしょうか。
基本給の降給は、例えば評価において勤怠の指標があれば、評価制度の範囲で行うことができます。
また、10%とは、懲戒としての減給の制限になります。
しかし、給与面の検討よりもまず、産業医の受診をさせたほうがよろしいでしょう。
主治医は日常生活ができるかかどうかで判断しますが、産業医は業務に照らし合わせて診断するため、このまま業務を続けることが可能かどうかの判断に、産業医の診断が重要となります。
産業医の診断により、業務が可能と判断された場合でも、現在1カ月の欠勤が続いていることから、このまま現在の業務内容を続けるのではなく、短時間勤務などのリハビリ期間を設け、徐々に慣らしていくことを検討されてはいかがでしょうか。
場合によっては配置転換、職種転換にも必要になるかと思います。
また、診断の結果次第では、再度休職としたほうがよろしいでしょう。
その際は、傷病手当金など所得の保障があることや、会社として、体を治してからの復職を望んでいることを伝えておけば、従業員の方も納得しやすいかと思います。
該当の従業員は、現在の業務を行う意志が高いものと思われます。
会社と従業員の方がお互いに納得できる働き方を目指されてはいかがでしょうか。
投稿日:2012/12/04 22:34 ID:QA-0052371
相談者より
ご回答ありがとうございました。
配置転換や働き方の変更を本人に提案したのですが、拒否されてしまいました。
産業医も専門外ということで親身になってくれませんでした。
3週間自宅療養ということで、様子を見てみることにします。
投稿日:2012/12/06 09:58 ID:QA-0052397大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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