懲戒の運用について
先日当社職員が交通事故を起こしました。就業規則では懲戒委員会にてその処分を決めることとなっております。内容からして懲戒解雇に相当する案件であった訳ですがこれまでの本人に対する評価及び期待度など考慮し減給とすることとしました。
そこで、減給の限度についてお伺いします。 就業規則では「始末書を提出させて、1回の額が平均賃金の1日分の半額、2回以上ある場合は月額の10分の1の範囲内で行う」となっていますが懲罰委員会で次のとおり決定しました。
「本人は基本給の30%を2ヶ月、上司である課長2名及び部長は基本給の10%を1ヶ月の減給とする。」 この懲戒委員会の決定に問題は無いでしょうか?
投稿日:2005/11/21 11:43 ID:QA-0002798
- *****さん
- 富山県/建設・設備・プラント(企業規模 101~300人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
懲戒の運用について
■結論から言えば上司である課長2名及び部長については「条件付」適法、本人については違法ということになります。労基法第91条は、① 1事案について1回の額が平均賃金の1日分の半額まで②一賃金支払期に複数回発生した数事案に対しては賃金総額の10分の1以内でなければならないと規定しています。因みに、就業規則もこの趣旨に沿って設定されているようですね。
■本人の場合、懲戒事由が1つであれば、1回の事由に基づく減給は給与の半日分ですから、例えば月給40万円、日額2万円だとすると、1回の減給の最高額は1万円となります。基本給の3割は間違いなく1万円を上回るでしょうから違法となります。どうしても減給額を増やしたいのであれば、複数の懲戒理由についてそれぞれに減給額を計算し、それを合算したものを、毎月1割以内ずつ差し引いていくことになります。あるいは、本人から返上させたような形式をとったりして、その分の賃金をカットする等の手法を用いざるを得ません。
■上司である課長2名及び部長の場合は、賃金総額の「10分の1を超えていない」のでギリギリ合法ということになります。ただし、この場合でも、複数の懲罰事由が「条件」です。
■なお、人事考課や「交通事故を惹起した自動車運転手を制裁として助手に格下げし、従って賃金も助手のそれに低下せしめる場合の降格、降職などの職務変化に伴う当然の結果であり、労基法第91条には該当しないとされています。
投稿日:2005/11/21 14:50 ID:QA-0002802
相談者より
早速のご返答ありがとうございました。一日分の半額の基準も基本給では無く平均賃金を元とする事も理解出来ました。本日、懲戒委員会で決定したものの、基本的知識があまりにも無かったことを改めて痛感しました。頂いたコメントを参考にして事故再発防止のための手段を再検討したく思います。
本当に有難うございました。
投稿日:2005/11/21 15:37 ID:QA-0031125大変参考になった
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