みなし残業対象者が賃金締切日を跨いで代休を取得した場合の計算
みなし残業代を支給されている者が、賃金締切日を跨いで代休をとった場合の給与計算についてご教示ください。
・1日の所定労働時間は8時間
・基本給32万円(所定労働時間160h。時間給換算時の単価は2,000円。)
・みなし残業代:5万円
・固定給は「基本給」と「みなし残業代」のみ
・賃金締切日:末日
・10/25(法定外休日)に8時間の休日出勤
・11/7(労働日)に代休を取得
<10月分の給与計算>
残業代としては20,000円(2,000円×1.25×8時間)、みなし残業代5万円を超えてないため、残業代の別途支給は無し。
10月分の総支給額:370,000円(基本給32万円+みなし残業代5万円)
<12月分の給与計算>
11/7の代休取得分として△16,000円(2,000円×△8時間)。
12月分の総支給額:354,000円(基本給32万円-代休分16,000円+みなし残業代5万円)
上記の計算で問題ないでしょうか?
給与締切日を跨いだために通常の支給額より減額になってしまうため、「これってどうなんだろう?」と思い、質問させていただきました。
何卒ご教示の程よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/12/02 17:20 ID:QA-0161463
- いちにいさん
- 宮城県/その他業種(企業規模 1~5人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
イノキュウの回答
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1.結論
ご提示の計算方法で概ね問題ありません。
代休取得日は「所定労働日として労務提供がなかった」ため、ノーワーク・ノーペイの原則に基づく控除(2,000円×8h=16,000円)は適法です。
また、みなし残業代(固定残業代)は、実際の残業時間に関わらず毎月支払う性質であるため、代休取得によって減額する必要はありません。
したがって、
●10月:370,000円
●11月(12月支払):354,000円
という計算は法的にも整合しています。
2.なぜ「締切をまたぐと給与が減ったように見える」のか
ポイントは以下のとおりです:
(1)10月の休日出勤=所定労働日に対する割増賃金ではない
本件は 法定外休日労働(10/25) です。
みなし残業代は「所定労働時間内の時間外労働」を想定しているため、
法定外休日労働分については、
みなし残業代に含めるかは会社の規程によるものです。
ただし、質問文では「みなし残業5万円で吸収される」という会社ルールで運用されているとの前提のため、
10月は残業代の別途支給はゼロで整合します。
(2)11/7の代休=給与控除(所定労働日欠勤)になる
代休は「休日出勤の代わりに与える休日」であり、
労働基準法上の 休日労働の代償ではあるが、有給ではない のが原則です。
そのため、給与計算上は以下の扱いになります:
労務提供がなかった所定労働日 → 控除対象(欠勤控除計算)
これは完全に適法です。
(3)代休を翌月にとると「控除だけ翌月に反映される」ため、見た目上減額になる
実務ではよくありますが、代休の控除は取得月に計上されます。
今回は 11/7 の代休 → 11月分給与(12月支払)で控除 となるため、通常より総額が減ったように見えるだけです。
法的にも会計的にも完全に正しい処理です。
3.実務的に注意すべき点(ここが重要)
(1)就業規則に「代休は無給」と明記されているか
代休を無給扱いする場合、就業規則・給与規程に明記が必要です。
「代休取得日は、賃金を支給しない(欠勤控除相当)」
「代休は休日出勤の割増賃金に対する代償休日ではない」
といった文言があることを確認してください。
(2)固定残業代との関係
みなし残業代のルールが明確でないと、代休控除との整合性が説明しづらくなります。
1.固定残業代に含める残業の種類
(所定外のみ?休日労働も?)
2.超過分の計算方法
が規程や雇用契約書に明示されているか確認してください。
(3)労働者への説明
今回のように「締切をまたいで代休取得 → 翌月だけ金額が下がる」ことは起こり得るため、従業員には次のように説明するのがベターです。
・代休は無給のため、その月の給与で控除になる
・休日出勤時点でみなし残業代の範囲内に収まっていたため、10月には上乗せなし
・そのため11月の給与だけが通常より少なく見えるが、計算としては正しい
4.まとめ
・ 控除額16,000円の計算は正しい
・みなし残業(固定残業代)は毎月支給で減額不要
・ 締切日をまたぐと翌月の給与が通常より下がるのはよくある現象
・ 就業規則に代休の取り扱いが明記されているか要確認
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/12/03 11:13 ID:QA-0161496
相談者より
詳細にご教示いただき、ありがとうございました。
大変参考になりました。
投稿日:2025/12/03 13:54 ID:QA-0161511大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
ご認識のとおりですが、
念のため、みなし残業代の規定を確認しておく必要があります。
みなし残業代に休日労働分も含まれているかどうかです。
休日労働分は別枠とするケースもあるからです。
投稿日:2025/12/03 15:37 ID:QA-0161516
相談者より
早速のご回答ありがとうございました。
投稿日:2025/12/03 16:26 ID:QA-0161520大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
正確な回答としては、貴社の会社規定内にて、代休時の給与の取扱いを
どのように定めているかによります。
給与計算方法については、規定いただく必要がありますので、原則、
会社規定に沿った対応(計算方法)となります。
但し、一般的には、以下のような減額が生じるような規定にはいたしません。
|給与締切日を跨いだために通常の支給額より減額になってしまう
理由は、ご質問者様が疑問に思われた通り、何故減るのか?に付随します。
投稿日:2025/12/03 16:14 ID:QA-0161518
相談者より
早速のご回答ありがとうございました。
投稿日:2025/12/03 16:27 ID:QA-0161521大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、代休取得された分翌月の労働時間数が減っているわけですので、賃金支給額がそれに応じて減るのは当然の措置になります。
固定(みなし)残業代の支給があっても同様ですので、示された支給額で差し支えございません。
投稿日:2025/12/03 21:43 ID:QA-0161540
相談者より
早速のご回答ありがとうございました。
投稿日:2025/12/04 08:59 ID:QA-0161546大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
割増賃金の意義
以下、回答いたします。
(1)割増賃金の意義については、通達において「時間外労働及び休日労働に対する割増賃金の支払いは、通常の勤務時間とは違うこれら特別の労働に対する労働者への補償を行うとともに、使用者に対し、経済的負担を課すことによってこれらの労働を抑制することを目的とするものである」旨が記述されています。(平6.1.4 基発1号)
(2)一方、賃金締切日を跨いで代休をとった場合に、『法定外休日の出勤については「みなし残業代」を超えていないため別途の残業代支給は行わず、翌月の代休取得分については給与から控除する』とのルールは、一定の残業時間を維持させる方向で作用するものと考えられます。これは、上記(1)の割増賃金の意義に必ずしも合致しないものと認識されます。
(3)このため、法定外休日の出勤については「みなし残業代」の対象とはならない旨を就業規則において明示していくことが適切であると認識されます。
投稿日:2025/12/03 23:28 ID:QA-0161543
相談者より
早速のご回答ありがとうございました。
投稿日:2025/12/04 08:59 ID:QA-0161547大変参考になった
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