韓国籍の従業員が死亡、未払い給与や功労金の支払方法
お世話になっております。当社の従業員で韓国籍の方がお亡くなりになりました。未払い給与と功労金があります。ご本人は未婚でお子様もいません。
お父様は死亡、お母様はご健在です。法定相続人はお母様になると思いますが、兄弟姉妹が複数いらっしゃるとのことです。そのうちのひとり弟さんが
代理で手続き関係をするようです。会社に提出して頂く書類関係は下記のもので宜しいでしょうか。
・家族関係証明書・基本証明書(韓国発行、日本語翻訳及び翻訳者署名)
・お母様の身分確認書類(在留カードまたはパスポートの写し)
・印鑑証明書(日本の市区町村発行または韓国領事館発行)
・お母様から弟さんへの委任状(お母様の署名、押印入り)
功労金、未払い給与の請求・受領権限を委任する旨を明記
・弟さんの本人確認書類(在留カードまたはパスポートの写し)
・振込口座情報(通帳コピー)
よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/10/29 10:50 ID:QA-0160028
- ピョン吉さん
- 東京都/電機(企業規模 501~1000人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1. 相続人の確認と基本方針
ご指摘のとおり、被相続人(従業員)に配偶者・子がいない場合、韓国の民法でも**直系尊属(この場合は母親)**が第2順位の相続人となります。
父親がすでに亡くなっているため、母親が単独相続人と考えられます。兄弟姉妹は、母親が健在であれば相続人になりません。
したがって、
→支払先(法定相続人)は母親であり、弟さんは委任を受けた代理人として扱う形が正しいです。
2.提出書類の確認
ご提示のリストは極めて的確で、実務的にもほぼ完璧です。
以下に細かい補足と実務上の注意点を加えます。
書類名内容・注意点(1) 家族関係証明書・基本証明書韓国の「家族関係登録簿」に基づく公式書類です。日本での「戸籍謄本」に相当します。日本語訳と翻訳者署名を付けることが重要です(翻訳者は身内でも構いませんが、氏名・住所を明記)。(2) お母様の身分確認書類在留カードまたはパスポートの写しで問題ありません。どちらかに統一。(3) 印鑑証明書日本に居住されていれば市区町村発行で可。韓国在住の場合は、在日本韓国領事館発行の印鑑証明(署名証明)を用います。(4) 委任状弟さんを代理人とする内容で、「未払給与・功労金等一切の金員の請求・受領を委任する」旨を明記。お母様の署名・押印が必要(印鑑証明と一致する印)。日本語訳付きが望ましいです。(5) 弟さんの本人確認書類在留カードまたはパスポートの写しでOKです。(6) 振込口座情報弟さん名義の口座に振り込む場合は、**委任状で「代理人名義口座への振込を希望」**と明記。またはお母様名義口座を推奨。
3.会社側の実務対応(支払手順)
上記書類一式を確認・保管
相続人確認書(会社側で作成)
→ 「被相続人の法定相続人が母○○○○であることを確認した」旨を会社として文書化しておくと良いです。
支払報告書等への記載
→ 税務上、未払給与や功労金の性質により扱いが異なります(後述)。
支払時の源泉徴収・税務処理
→ 未払給与は「給与所得」として課税対象、功労金(死亡退職金)は「みなし退職所得」または「相続財産」となり、内容により課税区分が異なります。税理士確認を推奨します。
4.参考:税務上の取扱い(概要)
区分内容税務上の取扱い未払給与死亡時点で既に労務提供済の給与相続人に支払う場合でも、被相続人本人の所得(給与所得)として源泉徴収対象功労金(死亡弔慰金等)勤務に対する功労や弔慰の意味を含む金銭性質により、「退職手当金」「弔慰金」「相続財産」などに分類。一般的な弔慰金は非課税限度内で相続税の非課税扱い
5.推奨する最終チェックリスト(会社側)
家族関係証明書・基本証明書(原本+日本語訳)
母親の身分証写し
印鑑証明書または署名証明書
委任状(日本語訳付き・押印一致確認)
弟さんの身分証写し
振込口座情報(委任状に記載あり)
社内決裁書類(支払理由・法定相続人確認記録)
ご提示の書類リストは正確であり、上記の補足を踏まえれば実務的にも十分整っております。
税務処理区分(給与所得 or 相続財産)の判断だけ、社内会計または顧問税理士と確認されると完璧です。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/10/29 15:42 ID:QA-0160046
相談者より
早々のご回答ありがとうございました。
大変参考になりました。
投稿日:2025/10/29 16:29 ID:QA-0160057大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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