採用面接の結果通知までの期間
毎々お世話になっております。
経験者採用で、内定通知書を発行するまでの期間について、ご意見をお伺いしたいと思います。
弊社では、経験者採用の応募があってから内定通知書を発行するまで、社内の事務手続きの事情もあって、3か月以上かかることがあります。この場合、それまで応募者の就職活動を制限してしまうことを心配しておりますが、その場合、何か法的に問題となることはありますでしょうか?アドバイス宜しくお願い致します。
投稿日:2025/10/25 09:06 ID:QA-0159912
- トッシー82さん
- 東京都/半導体・電子・電気部品(企業規模 11~30人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたます。
内定通知書の発行まで3か月以上かかることが何かの法令に直接抵触すること
はありません。
しかしながら、3か月という期間は一般的には長い為、優秀な人材の離脱リスク
や、最終的に不採用とした場合は、応募者の内定への期待権を侵害したとして
トラブルに発展する可能性があります。
何故、3ヶ月以上かかるのかを社内精査いただき、より短い期間で内定通知を
出せるように体制を整える方へ注力いただくことをお勧めいたします。
投稿日:2025/10/27 09:02 ID:QA-0159932
相談者より
いつもお世話になっております。
法律には抵触しないが、トラブルのリスクがある旨承知いたしました。適宜改善に繋がるようにしてゆきたいと思います。ご回答ありがとうございました。
投稿日:2025/10/30 11:33 ID:QA-0160083大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1.法的には「内定の遅延」自体は違法ではない
まず結論から申し上げると、
内定通知までに時間がかかること自体は、法律違反にはなりません。
日本の労働法(労働基準法・職業安定法など)では、
「採用面接後、何日以内に結果通知をしなければならない」という定めはありません。
したがって、3か月以上の期間がかかっても法令違反にはならないのが原則です。
2.ただし、トラブル防止の観点では注意が必要
法的問題にはならなくても、
実務上は以下の点でトラブルリスクがあります。
(1) 応募者の「応募の自由」を不当に制限しないこと
採用結果を保留している間に、
「他社への応募や就職活動を控えてください」と明示・黙示に伝えると、
職業安定法第5条の4(求職者の自由な職業選択の妨げ)に抵触するおそれがあります。
特に「当社の結果が出るまで他社に応募しないでください」などの発言は避けてください。
→ 対応策
「選考には時間を要する場合がありますので、他社の選考もご自由にお進めください」と伝えておくと安全です。
(2) 応募者の期待権・信義則上の問題
たとえば、明確なスケジュールを提示せずに3か月放置すると、
応募者側が「採用される可能性がある」と期待して他社の内定を断るなど、損害が生じるケースもあります。
裁判例では、「採用内定取消」や「選考途中の一方的中止」が信義則違反とされる場合があります(例:京都地裁平成8年5月)。
→対応策
- 書面やメールで「選考期間の目安(例:2〜3か月)」を明示する
- 状況に応じて途中経過を連絡する(例:「現在社内調整中です」など)
(3) 応募書類の保管・管理責任
職業安定法第5条の4・施行規則第10条では、応募者の個人情報の適正管理が求められています。
長期間選考を続ける場合、個人情報を不必要に保有し続けないように注意が必要です。
→対応策:
- 採用選考終了後は速やかに返却・破棄するルールを就業規則または採用管理規程に明記。
3.実務上の「安全な運用モデル」
ステップ→推奨対応
面接時→「選考には2〜3か月程度かかる可能性があります」と説明
1か月経過時→中間連絡:「社内調整中ですが、引き続き選考しております」
決定時→「採否結果通知」または「内定通知書」送付
3か月超過時→可能な限り結果を確定するか、再度応募者へ意向確認
※ 遅延が不可避な場合は、連絡を絶やさないことが信義則上のリスク回避になります。
4.ご参考:厚生労働省のガイドライン
厚生労働省『公正な採用選考の基本』では、
「選考結果はできるだけ速やかに通知することが望ましい」としています。
(義務ではなく、努力目標です。)
5.まとめ
観点→内容
法的義務→内定通知の期限は法定されていない(違法ではない)
主な注意点→応募者の職業選択を制限しない・長期保留を避ける
実務上の推奨→期間の目安提示・中間報告・個人情報管理の徹底
トラブル防止策→「自由応募の尊重」と「誠実な連絡」がポイント
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/10/27 09:23 ID:QA-0159936
相談者より
いつもお世話になっております。
法律には抵触しないが、トラブルのリスクがある旨承知いたしました。ご助言を参考にし、適宜改善に繋がるようにしてゆきたいと思います。ご回答ありがとうございました。
投稿日:2025/10/30 11:34 ID:QA-0160084大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
日本の人事部Q&Aをご利用くださりありがとうございます。
私もかつて似たような職場で採用を担当していたことがあるので、質問者様のご懸念やご不安はよく理解できます。文面から推察するに「3ヶ月以上待たせた結果、不採用となる可能性もある」という前提で回答をまとめてみましたので、ご確認ください。
1. 法令上の扱い
原則として選考から内定通知までの期間をどのくらいの長さで設定するかは企業側の自由です。ただし、次のリスクを伴うことを認識しておく必要があります。
2. 想定されるリスク
(1) 信義誠実の原則違反
信義誠実の原則とは、権利の行使や義務の履行にあたり、相手の信頼を裏切らないよう誠実に振る舞うべきという法律の基本であり、労働契約法にも明記されていますが、採用前であっても、長期間にわたり応募者を拘束し、就職活動に不利益を与える行為が、信義則に反すると判断される可能性があります。
(2) 期待権の発生と不法行為責任
選考過程で採用が確実であると期待させるような言動を繰り返した場合、応募者に労働契約締結への正当な期待が生じます。その後の手続き遅延あるいは長期間の待機の末に不採用を決定するなど、応募者が著しい不利益を被った場合、不法行為責任を問われる可能性があります。
(3) 個別労働関係紛争の発生
労使関係の成立前(=採用前)であっても「募集及び採用に関する事項」についてのトラブルは、個別労働関係紛争に該当します。長期間の待機により他の就職機会を逸失したとして苦情が申し立てられた場合、都道府県労働局長による助言や指導の対象となる可能性があります。
(4) 自社イメージの悪化
応募者は採否通知があるまで不安な状態で待機しており、速やかな通知が求められています。内定通知までの期間に他社への就職活動を制限するような確約書を取得するような企業もありますが、このような行為は応募者の職業選択の自由を実質的に制限し、人材に対する企業の姿勢を疑われる可能性があります。
3. まとめ
内定通知まで3か月以上の期間を設けること自体が直ちに違法となるわけではありませんが、応募者への誠実な対応を怠った場合、信義則違反や不法行為責任を問われたり、個別労使紛争に発展することで、自社の企業イメージを悪化させ、特に若年層の採用が困難になってしまうことも考えられます。
まずは選考中の応募者に対して、内定通知までに3ヶ月以上を要すること、および内定決定までの社内プロセスなどを説明し、定期的にコミュニケーションをとって進捗をきちんと報告するといった配慮が必要です。もし可能なら、貴社内の採用選考プロセスを見直し、採用管理の合理化を図ることをお勧めします。
以上よろしくお願いします。
投稿日:2025/10/27 09:49 ID:QA-0159938
相談者より
いつもお世話になっております。
法律には抵触しないが、トラブルのリスクがある旨承知いたしました。ご助言を参考にし、適宜改善に繋がるようにしてゆきたいと思います。
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2025/10/30 11:35 ID:QA-0160085大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
対応
法律ではなく、単純に優秀な人材を獲得できなくなるリスクが高いだけだといえます。優秀な人材は他社から見ても優秀に映るため、少なくとも採用決定はできる限り早く行います。
社内手続きに3カ月というのはどうみても異常な長さであり、決定プロセスに問題があると思われます。
採用決定から入社まで「最長3カ月」のような、入社手続きは別ですが、判断だけは早めるべきでしょう。
投稿日:2025/10/27 10:16 ID:QA-0159940
相談者より
いつもお世話になっております。
法律には抵触しないが、人材確保ができないリスクがある点、3ヶ月は異常な長さであるご指摘等、コメントありがとうございました。ご助言を参考にし、適宜改善に繋がるようにしてゆきたいと思います。ご回答ありがとうございました。
投稿日:2025/10/30 11:39 ID:QA-0160086大変参考になった
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
- 大阪府/その他業種
法的には何も問題はありません。
応募から内定通知書発行までに3か月以上もかかるからといって、応募者の就職活動に制限がかかることはありません。
労働者には「職業選択の自由」があり、その間も就職活動をすることはもとより自由です。
内定通知書の発行までに、他社に就職が決まり断りをいれてくることも大いに予想はされますが、だからといって拒否はできず、そこは割り切るしかないでしょう。
応募者にすれば、採用が決まったかどうかもわからない状態で3か月以上も持たされるのは不安定、かつ苦痛でしかありません。
発行まで3か月以上もかかるというのは、普通に考えても長すぎます。
新卒社員ならともかく、経験者を採用するわけですから、もっとスピーディーに対処すべきであって、2週間程度が妥当ではないかと考えます。
投稿日:2025/10/27 11:23 ID:QA-0159944
相談者より
いつもお世話になっております。
そもそも3ヶ月は長すぎる旨承知いたしました。2週間のご助言も参考にし、適宜改善に繋がるようにしてゆきたいと思います。
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2025/10/30 11:41 ID:QA-0160087大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、採用活動に関しましては原則自由に行われるべきものですし、内定通知期間等にも法的制限は見られません。
また、他社への応募についても配慮義務等はございませんので、特に問題はないものといえます。
但し、個々の応募者の側から事前に併願についての申出等が有れば、内定取消等を避ける上でも御社側での採用日程について詳しく説明され了承を頂くべきといえるでしょう。
投稿日:2025/10/27 18:48 ID:QA-0159975
相談者より
いつもお世話になっております。
応募者には良く説明する必要があること承知いたしました。ご助言を参考にし、適宜改善に繋がるようにしてゆきたいと思います。
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2025/10/30 11:45 ID:QA-0160088大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
合理的な説明
以下、回答いたします。
「経験者採用の応募があってから内定通知書を発行するまで、社内の事務手続きの事情もあって、3か月以上かかることがあります」とのことです。
なぜ、3か月以上を要するのか、この点について点検し、「内定通知書を発行するまでの期間」について合理的に説明できるようにしておくことが必要であると考えられます。
(1)想定されうる局面として、
3カ月後に不採用の通知を出した際、「連絡を待ってくださいとのことでした。待たされたことによって就職活動ができませんでした。なぜ、3か月も要したのでしょうか。場合によっては、就職活動が妨害されたことについて損害賠償を求めます」旨のクレームが寄せられることが考えられます。
(2)これを回避するためには、予め、「採用の有無についての連絡は3か月後を目途としています。それまでの間、自由に就職活動をしていただいて構いません」旨の説明をすることが考えられます。この場合においても、なぜ「3か月」なのかについて、合理的な説明を求められることになろうかと思われます。
投稿日:2025/10/28 07:46 ID:QA-0159990
相談者より
いつもお世話になっております。
法律には抵触しないが、トラブルのリスクがある旨承知いたしました。ご助言を参考にし、適宜改善に繋がるようにしてゆきたいと思います。
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2025/10/30 11:47 ID:QA-0160089大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
問題が解決していない方はこちら
-
採用内定書をタイミングと10月以降の採用内定解禁時の内定書 今年度大学卒新卒者を6月に採用、... [2009/06/18]
-
【2010年度入社】 新卒の採用単価について [2009/09/17]
-
内定通知の時期について 新卒採用で10月以前でも内々定で... [2005/09/03]
-
中途採用の採用ポイント IT系採用担当になって、まだ4ヶ... [2007/05/21]
-
内定通知書について 間もなく10年度卒業の学生に対し... [2009/05/13]
-
新卒採用を行うメリットとは 当社では現在中途採用のみ行ってお... [2004/10/28]
-
採用時面接について 採用試験時の面接について、その手... [2006/02/21]
-
採用の秘訣 専門商社ですが採用の質量ともに苦... [2021/10/18]
-
裁量労働制を採用されている人材をダブルワークにて採用に関して 採用に関してのご質問になります。... [2023/06/07]
-
募集人数と採用人数について 新卒採用活動中です。募集人数を5... [2006/02/22]
お気軽にご利用ください。
社労士などの専門家がお答えします。
関連する書式・テンプレート
採用内定通知
採用内定通知書です。
最後の一文がポイントです。是非ご利用ください。
内定通知書
新卒採用において、内定出しをする学生に渡す「内定通知書」の一例です。
内定通知書
新卒者向けの内定通知書です。どうぞご利用ください。
採用稟議書(採用決定時)
社内の関係者に、選考の進んだ応募者について、採用をするかどうかを諮るための稟議書です。