在宅勤務時のフレックスタイム制の適用外について
	お世話になっております。
 
 以前より本サイトのQ&Aを参考にさせていただいております。
 過去のQ&Aの中でフレックスタイム制は在宅勤務時は適用外とすることが可能という回答を何回か拝見しております。
 そちらついてお伺いしたいことがございます。
 
 株式会社労務行政が発行している情報誌「労政時報」にて、
 「テレワークを行う特定の日のみフレックスタイム制を解除することはできない」
 との記事がありました。
 (2025年7月25日発行 労政時報 4102号 102頁「相談室Q&A テレワーク時のみフレックスタイム制の適用を解除した上で、残業を許可制とすることは問題か」)
 
 現在弊社のフレックスタイム制に関する規程では、
 「在宅勤務時は適用外とする」と明記しております。
 
 こちらは問題となりますでしょうか?
 
 令和7年10月育児・介護休業法改正に伴って「柔軟な働き方を実現するための措置」として、在宅勤務の緩和を検討しております。
 
 在宅勤務が増加することが懸念されるため先だってお伺いしたい次第です。
 専門家の皆様によっても意見が分かれる内容かもしれませんが、意見を頂戴できますと幸いです。
 
 よろしくお願いいたします。    
投稿日:2025/07/31 09:58 ID:QA-0156104
- 綾鷹さん
- 愛知県/電機(企業規模 1001~3000人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
                ご質問いただきまして、ありがとうございます。
 次の通り、ご回答申し上げます。
 1.結論:原則として「一部日・一部社員のみ適用除外とするフレックス制の運用は困難」です。
 ご指摘の通り、『労政時報』(4102号)の見解にもあるように、「在宅勤務の日のみフレックスタイム制を解除する」という運用は、法的に問題がある可能性が高いです。
 
 2.根拠となる法令・通達等
 労働基準法第32条の3(フレックスタイム制)
 昭和63年1月1日 基発1号(行政解釈)
  →「フレックスタイム制を適用する労働者の範囲は、就業規則等で明確に定める必要がある」
  →「一部日についてフレックスタイム制の適用を除外するような運用は想定されていない」
 
 3.問題となる点
 (1)1日単位での適用除外は不適切
 たとえば「出社日はフレックスOK・在宅日はNG」とする運用は、労働時間制度として一貫性がないと判断されるおそれがあります。
 法的には「清算期間内の所定日数すべてにおいてフレックスを適用する」のが原則的運用です。
 (2)適用除外とする場合は「対象者単位」で明確化を
 フレックスタイム制の対象者・対象部署・対象職種などを就業規則や労使協定に明記すれば、在宅勤務を基本とする部署や従業員を最初から制度対象外にすることは可能です。
 ただし、それはあくまで「制度適用の対象外者を明示しておく」という構成が必要で、「特定日だけ除外する」という日単位の除外は、労使協定との整合性が取れないためリスクがあります。
 
 4.制度の見直し案(在宅勤務増加に備えて)
 在宅勤務が今後増えることを見越して、以下のような整理をおすすめします。
 見直しポイント解説
 フレックスタイム制の適用範囲の再整理就業規則および労使協定において「制度の適用対象者」を「部署」「職種」「勤務形態」ごとに明確に定める。
 在宅勤務時の始業終業のルール明示「フレックスタイム制適用下の在宅勤務」では、実際の勤務開始・終了時刻を申告制等で管理。
 業務指示の時間制限管理職等が、コアタイム外に業務を強制しないルールを整備。
 
 5.具体的対応例(御社規程の修正方向)
 現在の規程:
 「在宅勤務時はフレックスタイム制の適用外とする」
 この文言は、リスクがあるため、下記のような形に修正を検討ください:
 【例文:適用対象の明確化】
 「本制度は、原則として本社勤務に従事する正社員を対象とする。<br>ただし、テレワークを恒常的に行う部署に所属する社員については、業務の性質上、当制度の対象外とする場合がある(別途、労使協定で定める)。」
 
 6.まとめ
 項目→回答
 在宅勤務の日だけフレックスを除外する→×法的に難しい(行政解釈・実務解説にも反する)
 特定の職種・部署を制度対象外とする→〇労使協定や就業規則で明確にすれば可能
 現在の「在宅勤務はフレックス適用外」との規程→△日単位の除外を意味する場合は問題あり。対象者単位での除外に書き換えるべき。
 
 以上です。よろしくお願いいたします。                
投稿日:2025/07/31 13:08 ID:QA-0156119
相談者より
                ご回答ありがとうございます。
規程の修正案についても参考にさせていただきます。                
投稿日:2025/08/05 14:28 ID:QA-0156375大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
                ご質問について、回答いたします。
 
 以下の点がクリアできていることを条件に、テレワーク時のみ
 フレックスタイム制の適用を解除できるものと思案いたします。
 
 ・就業規則、労使協定においてテレワーク時は適用除外の旨が明記されている
 ・テレワーク時において適用除外とすることの合理的説明が可能である
 
 仮に協定書において適用除外として事前に定めて協定を行っていない場合は、
 テレワーク時においてもフレックスを認める必要があるでしょう。
 
 また、現在は可能でも、今後の柔軟な働き方の実現措置に関する指針等の拡大
 により、将来的には在宅勤務はフレックス不可という制度設計は見直しを
 求められる可能性はございます。                
投稿日:2025/07/31 13:18 ID:QA-0156123
相談者より
                ご回答ありがとうございます。
弊社は基本は出社勤務で、家庭の事情等で1日や数日だけテレワークするケースが多いのですが、数日だけのケースでもご提示いただいた2点をクリアしていれば解除しても問題ないのでしょうか?
※清算期間は1か月です。                
投稿日:2025/08/05 14:33 ID:QA-0156376大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご参考
                以下、情報提供させていただきます。既に御案内の場合、ご放念ください。
 
 
 「効率的な働き方に向けて フレックスタイム制の導入」(厚生労働省)において、以下のQ&Aがありました。ここでは、「特定の日」を「在宅勤務日」に読み替えることが考えられます。
 
 Q3 フレックスタイム制の適用のある労働者に対して特定の日の始業、終業時刻を指定することはできますか。
 
 A フレックスタイム制は、労働者の自主的決定の範囲が広く、生活と仕事との調和を図りながら働くことが容易なものについて認めるものであり、労働者に係る始業及び終業の時刻をその労働者の決定に委ねる労働時間制度であるので、フレックスタイム制の適用のある労働者に対し、特定の日の始業、終業時刻を指定することはできません。
  例えば、1週5日労働の場合の4日についてだけフレックスタイム制を採用することとし、特定の曜日についてはフレックスタイム制を適用せず、その日に会議等を行い、通常の固定的な労働時間とするような、通常の労働時間制とフレックスタイム制の混合の形態については、先に述べたように法がフレックスタイム制を認めることとした趣旨に反し、認められません。
  また、このような趣旨から、管理職が早朝出勤や残業を命ずることはもちろん、フレキシブルタイム中の会議、研修への参加命令もその開始時刻を指示する限り同様に許されないと考えられます。                
投稿日:2025/07/31 13:27 ID:QA-0156124
相談者より
                ご回答ありがとうございます。
参考にさせていただきます。                
投稿日:2025/08/05 14:33 ID:QA-0156377大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
                同一労働者で同一月に通常勤務と在宅勤務が混在するケースでは、
 
 特定の日(在宅勤務)のみフレックス対象あるいはフレックス除外と
 することはできません。
 
 現時点では、厚労省もQ&Aにて
 フレックス制において、例えば、週1日だけは、所定労働時間制とすることについては、法の趣旨から、原則、認めないとしています。
 
 あくまで、全労働日について、始業・終業時刻を労働者に委ねることとしています。                
投稿日:2025/07/31 15:44 ID:QA-0156137
相談者より
                ご回答ありがとうございます。
参考にさせていただきます。                
投稿日:2025/08/05 14:34 ID:QA-0156378大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
                ご利用頂き有難うございます。
 
 ご相談の件ですが、例えば清算期間中フルに在宅勤務をされる場合ですと、就業規則に基づき適用除外が可能といえます。
 
 これに対し、示されたような特定の日のみ除外されるという場合には、清算期間単位でのフレックス適用になる事からも解除は出来ないものと考えられます。
 
 つまり、在宅勤務の態様によって判断されるべきものといえます。                
投稿日:2025/08/01 18:57 ID:QA-0156172
相談者より
                ご回答ありがとうございます。
弊社の清算期間は1か月なのですが、清算期間をフルに除外する分には問題ないが、1日や数日だけテレワークにするケースでは解除できないと認識しました。
参考にさせていただきます。                
投稿日:2025/08/05 14:36 ID:QA-0156380大変参考になった
    回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
    回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
    ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
    
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