社員の飲酒運転の処罰について
数ヶ月前に飲酒運転をした社員に対して、口頭注意をしていましたが、反省もあまりしていない状態であったため、人事から正式に注意し、始末書を提出してもらいました。
懲罰の減給の基準については、就業規則に記載していますが、始末書での減給はありません。
そのため月給は変えていませんが、決算賞与だけは他の社員と少し差をつけたいと考えています。
決算賞与は、その期によって支給する・しないは決まっておらず、雇用契約書にも支給については記載をしていません。
この場合、決算賞与を減額しても問題はないでしょうか?
どの程度であれば減額をしてもいいのか、もし目安があれば教えていただけますでしょうか。
投稿日:2025/07/15 16:49 ID:QA-0155467
- NEさん
- 大阪府/情報処理・ソフトウェア(企業規模 11~30人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
決算賞与について、減額することは可能です。
給与と違い、減給の制裁に該当するような上限ルールはございません。
どの程度の減額が可能かについて、貴社における算出基準が明確化されて
いない以上、絶対の基準はございません。
しかしながら、余りにも減額幅が大きすぎますと、差別的な評価として、
問題視される可能性が高まります。
目安の減額幅は、評価を加味し、20%程度までが妥当かと思案いたします。
投稿日:2025/07/15 17:04 ID:QA-0155468
相談者より
ご回答ありがとうございます。
大変参考になりました。
いただいた内容をもとに社内で支給額の検討をさせていただこうと思います。
投稿日:2025/07/15 17:14 ID:QA-0155470大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1.結論
就業規則や雇用契約書に「決算賞与の支給基準」が明示されておらず、かつ「業績や勤務成績等を勘案して支給する」とされている場合には、飲酒運転等の非違行為を理由に「支給額を他の社員より減額」することは法的に問題ないとされる可能性が高いです。
2.理由・背景
決算賞与は「任意支給」が基本
・賞与には大きく分けて「労働の対価としての賞与(定期賞与)」と、「利益分配型の任意賞与(決算賞与)」があります。
・ご質問のように、支給有無や金額が業績や勤務成績に左右され、毎期不確定である「決算賞与」は、法的には 使用者の裁量が広く認められている ものです。
・そのため、明確な支給基準がない限り、「反省の様子が見られない飲酒運転行為」などを勘案して支給額を調整するのは、合理的な判断と評価されやすいです。
支給の平等性は必要だが、「勤務成績に応じた差」は許容される
・労働法上、差別的取扱いの禁止(労基法3条)はありますが、「賞与の査定における相対評価」や「勤務態度・成績による差」は正当な理由があれば合法です。
・今回のように、「重大な服務違反」が査定対象になるのは一般的な判断です。
3.減額幅の目安
法令で具体的な「何%までなら妥当」という基準はありませんが、実務上・裁判例上は以下のような観点から慎重に判断されるとされています。
判断基準→ポイント
過去の賞与実績→例年支給されている金額・割合との比較
他の社員との比較→同等の職責・勤務成績の社員との差が大きすぎないか
行為の重大性→飲酒運転という反社会的行為であり、一般的に重大とされる
懲戒処分との二重制裁にならないか→既に懲戒処分(減給など)を科していないことがポイントになる
4.実務目安
目安として 他の社員より10〜30%程度の減額であれば、評価差として合理的範囲内と判断されることが多いです。
ただし、50%以上など極端な減額は「実質的な懲戒処分とみなされる」リスクがあるため、理由の明示や説明責任が求められます。
5.推奨対応策
(1)減額理由を明確に記録する
- 「勤務成績評価・服務態度を踏まえた支給判断」として文書化しておくとトラブルを防げます。
(2)本人への説明は慎重に
- 可能であれば「全体の評価により査定を行った結果、支給額に差がある」旨を伝え、飲酒運転を明示しない形もあり得ます。
- ただし、本人から問いただされた場合に備え、判断基準を内部で整理しておきましょう。
6.注意点
仮に今後、決算賞与が恒常的に支給されるような運用をしていると、実質的に「当然支給される」と判断される可能性があります。その場合は、賞与の減額・不支給がトラブルに発展することもありますので、制度設計や評価基準の明確化を検討されることをおすすめします。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/07/15 17:10 ID:QA-0155469
相談者より
ご回答ありがとうございます。
大変参考になりました。
減額理由の記録も部内で行い、本人説明の際も慎重に行いたいと思います。
投稿日:2025/07/15 17:19 ID:QA-0155471大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
対応
基準が決まっていないのであれば、賞与の評価反映は可能です。
目安は決まったものがある訳ではなく、以前の「口頭注意」の内容や、その後の反省度合いが見られない状況や本人の改悛状況などで決めるしかありません。
とはいえ、ボーナス減評価は通常大きなモチベーションダウンになるものなので、わずかな金額でも、懲戒的な主旨は理解できるのではないでしょうか。特に評価に関する面談は非常に重要なので、何が評価を下げているのか、どう行動すれば評価が上がるのかなども本人と伝えるべきでしょう。
投稿日:2025/07/15 17:42 ID:QA-0155474
相談者より
ご回答ありがとうございます。
大変参考になりました。
反省度合いが見られない状況や今後についての注意も改めて促しながら、伝えることにしたいと思います。
投稿日:2025/07/15 18:42 ID:QA-0155477大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
懲戒処分の戒告等として、始末書を取ったのであれば、
さらに賞与減額ということですと、二重処罰の禁止に抵触する可能性があります。
あとは、賞与規定によりますが、
決算賞与について、支給する場合の金額が確定していないのであれば、
懲戒処分としての減額という概念には当たりませんので、
懲戒処分としての、減額支給としないことです。
投稿日:2025/07/15 18:54 ID:QA-0155478
相談者より
ご回答ありがとうございます。
賞与規程は設けておりませんので、伝えの仕方を気をつけて行うようにできればと思います。
投稿日:2025/07/16 09:55 ID:QA-0155508大変参考になった
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
- 大阪府/その他業種
問題はありません。
賞与の場合は、給与のような減給の制裁といった考え方はありませんし、また、どの程度までの減額なら可能かといった目安なども特にはございません。
基本的には御社の裁量で構いませんが、減額幅が大きすぎれば本人の生活設計に及ぼす影響も少なくはなく、小さすぎればそれはそれで飲酒運転への戒めとしての効果はあまり期待もできず、この程度の減額で済むのかといった印象を持たれてしまえば、元の木阿弥です。
賞与の額により、概ね15%~25%の範囲内が妥当ではないかと考えます。
投稿日:2025/07/16 08:14 ID:QA-0155489
相談者より
ご回答ありがとうございます。
また具体的に書いていただき、減額幅も参考にさせていただこうと思います。
投稿日:2025/07/16 09:57 ID:QA-0155509大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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