複数の退職所得に対する退職所得控除について
現在当社の退職金制度では複数の退職所得を別々の年度に受け取るケースがあり、退職所得の計算に苦慮しております。当社のもっともあり得るモデルケースが下記の通りなのですが特に確定拠出年金(企業型)の退職所得計算が正しいかどうかご教示をお願い致します。
60歳到達後の直近の3月末か9月末で受給(いずれも一時金として受取)
①会社が直接支給する退職金 600万円 勤続年数38年
②確定給付企業年金 700万円 加入年数38年
65歳到達月に受給(一時金として受給)
③確定拠出年金(企業型) 1200万円 加入年数43年
退職所得の計算は下記のとおり。
①と②は同年なので合算して計算。
1300万円 -(800万円+70万円×18年)= 退職所得0円
③は上記も合算して計算
1200万円 -((800万円+70万円×23年)-1300万円))=90万円
⇒90万円÷2 = 退職所得45万円
それとも 1200万円 -((43年-38年)×40万円)= 1000万円
⇒1000万円÷2= 退職所得500万円 となるのでしょうか?
また、さらに人によっては65歳到達時に確定拠出年金(個人型)を受給するケースも考えられます。2024年12月の改正以降加入者が増加することが考えられますので仮に上記の条件に加えて65歳時点で金額500万円、加入期間30年の場合、どのような計算方法になるのかご教示いただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。
投稿日:2024/10/28 15:54 ID:QA-0144952
- カラアゲさん
- 東京都/建築・土木・設計(企業規模 101~300人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
(1)(2)はご認識のとおりです。
(3)については以下のとおりとなります。
・(1)(2)で使用した退職所得控除の年数:20年+(1300万円-800万円)÷70万円=27年(端数切捨て)
※22歳~49歳の27年((1)(2)の勤続・加入期間は22歳~60歳の想定)
・(3)の退職所得控除額(重複考慮なし):800万円+70万円×23年=2,410万円
※(3)の加入期間は22歳~65歳の想定
・(3)の退職所得控除額(重複期間分):800万円+70万円×7年=1,290万円
※22歳~49歳の27年に対応
・(3)の退職所得控除額(重複考慮後):2,410万円-1,290万円=1,120万円
・(3)の退職所得:(1,200万円-1,120万円)×1/2=40万円
これに加えて65歳時点でiDeCo一時金(加入期間は35歳~65歳の30年)を受け取る場合は加入期間に対応する退職所得控除を使い切っていますので、一時金額×1/2が退職所得に加算されます。
なお、実際のケースにつきましては税務署もしくは税理士にご確認ください。
投稿日:2024/10/29 11:17 ID:QA-0144997
相談者より
使いきれていない退職所得控除(年数)の計算について大変参考になりました。
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2024/10/29 14:21 ID:QA-0145008大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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