支援組織の就業規程に定年を定めることによる不利益について
(経緯)
令和3年12月に実施された自治体担当課との令和4年度支援組織補助金の予算折衝の中で、当支援組織の規程に定年を設けないのかと自治体担当課(総務課部署からも指摘あり)から指摘を受けた。
令和3年12月近隣支援組織の状況を調査した結果、2支援組織が60歳定年、1支援組織が65歳定年であった。
このように自治体担当課からの指摘と近隣支援組織の状況から、当支援組織としても定年を定める必要があると考え、就業規程の一部改正の準備を行った。
具体的には、現職で63歳の職員が在籍していることから、①「65歳定年(65歳到達後の最初の3月31日まで)の案」②「63歳定年(63歳到達後の最初の3月31日まで)の案」、③「60歳定年で経過措置として63歳到達後の最初の3月31日までの案」の3案を作成した。
令和4年1月正副理事長会議を開催して、来る令和4年1月開催の第5回理事会に諮る改正案の決定を行った。副理事長2名からは65歳定年を押す声があったが、理事長から3案を理事会に上程するとの提案があり理事長の意見が採用された。
(相談内容)
(1)令和4年1月の理事会で仮に②「63歳定年(63歳到達後の最初の3月31日まで)の案」及び③「60歳定年で経過措置として63歳到達後の最初の3月31日までの案」が採決された場合、強制退職まで2カ月強しかないが労基法に抵触しないのか。
(2)その他法律や損害賠償金等の請求対象にならないのか。
投稿日:2022/01/15 16:58 ID:QA-0111388
- *****さん
- 三重県/公共団体・政府機関(企業規模 1~5人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
定年制を定めることによる不利益があるかどうかは、事案ごとに総合的に判断することになります。
まず、63歳の方が在籍する組織の定年制はどちらでしょうか。
仮に60歳だとすれば、その方はどういう立場で在籍しているのでしょうか。
また、定年後の再雇用制度、雇用確保措置はどのような設計になっているかにもよります。
さらに63歳の方の契約では、退職についてどのような定めとなっているかにもよります。
実態として、強制退職ということであれば、本人の同意が必要ですし、
同意がない場合には解雇となりますので、よく説明し、納得してもらうよう努めることです。
投稿日:2022/01/17 12:53 ID:QA-0111409
相談者より
ご回答ありがとうございました。
現在の規程には定年の定めがございません。また再雇用の規程もございませんので、先ずは定年の定めを先行させ、その後、再雇用の規程を設けようと考えました。なので、3つの案を考えましたが、労基法上違反か否かを知りたかったわけです。
投稿日:2022/01/17 20:52 ID:QA-0111420あまり参考にならなかった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、法令で禁止されているのは60歳を下回る定年制になります。
従いまして、いずれの案でもそれ自体で直ちに法令違反という事にはなりえません。
但し、現行定年無で事実上当人が希望する年齢まで勤務可能になっているという事ですと、これを突然一定の年齢で退職してもらうという措置につきましては、労働条件の不利益変更に該当しますので避ける必要がございます。
対応としましては、労働契約法にも示されています通り、変更内容の合理性等を確保する必要がございますので、少なくとも高年齢者雇用安定法に基づき65歳までの定年後再雇用を確保されるべきといえます。
投稿日:2022/01/17 22:38 ID:QA-0111421
相談者より
ご回答ありがとうございました。参考にさせていただき再度検討いたします。
投稿日:2022/01/18 15:57 ID:QA-0111454参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
高年齢者雇用確保措置
▼「高年齢者雇用確保措置」で、定年(65歳未満のものに限る)の定めをしている事業主が採るべき処置は下記、3方式のいずれかです。
① 定年の引上げ ② 継続雇用制度の導入 ③ 定年制の廃止(終身現役)
▼ご相談内容は、① 及び ② に該当しますが、継続雇用制度の趣旨上、65歳迄の引上げが必要です。
投稿日:2022/01/18 14:03 ID:QA-0111444
相談者より
ご回答ありがとうございました。
高齢者継続雇用を規程に盛り込まないのであれば、65歳定年が妥当ということでしょうか?
投稿日:2022/01/18 16:01 ID:QA-0111455参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
問題が解決していない方はこちら
-
定年について 労基法には定年に触れてないと思い... [2007/02/13]
-
定年の定めの廃止について 今回、定年の定めを廃止しようと考... [2024/07/06]
-
定年退職について 社員が定年で退職した場合は、一般... [2008/06/12]
-
定年後継続雇用の件 弊社では、就業規則で定年60歳と... [2009/08/06]
-
高齢者の定年引上げについて 来年4/1より、段階的に定年を引... [2005/10/19]
-
契約社員の定年について 標記の件、質問させてください。当... [2009/01/07]
-
定年延長と退職金 出向先の話で恐縮です。定年を60... [2016/04/05]
-
有期契約と定年について 有期契約社員に「定年」は適用でき... [2016/12/09]
-
定年再雇用の年数について教えてください。 教えて下さい。来年定年を迎える社... [2021/06/29]
-
職種による定年制度の相違について 定年制度についてお尋ねしたいと思... [2013/02/05]
お気軽にご利用ください。
社労士などの専門家がお答えします。
関連する書式・テンプレート
定年再雇用辞令
定年となった従業員に再雇用を通知する辞令のテンプレートです。
嘱託雇用契約書(定年再雇用)
定年再雇用制度を設け、嘱託の形式を用いる場合のテンプレートです。
退職辞令
退職となった従業員に正式に通知を行う辞令です。定年などのケースにご利用ください。
会社組織図例
全社の組織を体系化して示した図です。