ぶら下がりシニア
ぶら下がりシニアとは?
「ぶら下がりシニア」とは、閑職に就いて、定年または再雇用の上限まで会社で働き続けるシニア社員のこと。仕事に対するモチベーションが低く、指示されたこと以上の仕事をしようとしない中堅社員のことを「ぶら下がり社員」といいますが、ぶら下がりシニアはその類語。役職定年を迎え、年収が下がることでモチベーションが下がり、時間を持て余すように働くことが特徴です。定年年齢や年金受給開始年齢の引き上げにともない、企業はシニア社員の働き方や働きがい創出に目を向ける必要があるでしょう。
何歳になってもイキイキと働くために
シニア活躍に取り組む企業事例
日本企業の特徴の一つである、終身雇用制度。不況になってもリストラをせずに雇用を守り続けてきたこの制度は、かつて日本の経済成長を支えました。しかし、最近は終身雇用や年功序列が生む副産物が課題視されています。その一つが「ぶら下がりシニア」の存在です。
ぶら下がっているシニア社員本人にとっても、それを目にする周囲にとっても、また企業にとっても、能力や意欲を発揮していない社員がいるのは望ましい状態ではありません。シニア社員がいつまでもイキイキと働けられるために、人事部ができることは何でしょうか。
ソニー株式会社は、人生100年時代を生きる社員がライフプランを主体的に考え、実行に移せるよう「キャリア・カンバス・プログラム」というキャリア支援施策を実施しています。何歳になっても挑戦できる環境を整えるため、現在の部署に籍を置いたまま業務時間の2~3割を使って別の仕事を兼務できる制度や、学び直しをサポートするための補助制度などを整備し、社内広報を強化した結果、自らのキャリアを柔軟に前向きに考える社員が増えたそうです。
サトーホールディングス株式会社では、定年年齢を65歳へと引き上げ、役職定年も60歳へと変更しました。目的は、社員を「引退モード」にさせないこと。同社は最終的には「やる気があればいつまでも働ける」ことを目標にしていますが、賃金カーブを変更することで、モチベーションの急落がないよう調整しているといいます。
企業は各世代の社員の声に耳を傾けながら、制度のようなハード面と風土づくりのようなソフト面の両輪から、シニア社員の活用に取り組んでいく必要があるでしょう。
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