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【ヨミ】ブラサガリシャイン ぶら下がり社員

「ぶら下がり社員」とは、いわゆる問題社員の類型の一つで、仕事や組織へのコミットが弱く、指示された用件や与えられた仕事はこなす反面、求められる以上の役割はけっして果たそうとしないタイプの社員を指します。目的意識や成長への意欲に欠け、現状維持に安住したがる傾向が強いため、会社や上司には従順ですが、自らが管理職になって責任を負うことは嫌がります。社内で昇進を目指すつもりはなく、だからといって転職するつもりもありません。仕事やキャリアに無気力なまま、会社にべったりと依存しているのでマネジメントしづらいというのが、ぶら下がり社員の特徴です。
(2015/9/29掲載)

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ぶら下がり社員のケーススタディ

“辞めない。でも、頑張らない”問題社員
自分・組織・未来へのあきらめが意欲を奪う

与えられた仕事はきちんとこなし、遅刻やサボリもなく、必要なら残業さえいとわない。上司の言うことは素直に受け入れ、逆らったりしない。現在、職場に急増しているといわれる「ぶら下がり社員」は、いい加減ではなく、むしろ一見、まじめで従順な社員です。問題は、つねに受け身で言われない限り動かないこと、そして自分から仕事のハードルを上げようとしないこと。いつも7割程度の力しか使わず、リスクをとってのチャレンジや新しい提案などは全くしません。ぶら下がり社員は、他の社員に比べ成績が著しく劣るローパフォーマーや重大なミスを頻発するお荷物社員のように、会社に対して直接的な損害を及ぼすわけではないものの、人材の活用や生産性向上といった経営視点からすれば、けっして看過できる問題ではないでしょう。

ぶら下がり社員は、本来なら会社の中堅として活躍を期待されるはずの、30歳前後の社員に多いといわれます。この年代は、子どもの頃にバブル崩壊による企業社会の窮状を目の当たりにして育ち、2000年代初頭の大学卒業時には就職氷河期に直面。入社後は強引な成果主義の導入によって人間関係が希薄化した職場の中で過ごすこととなりました。そしてリーマン・ショックで、異業種へ移るのなら30才までとされる転職の機会まで奪われてしまったのです。当時、世間では「大卒者の3割が3年以内に辞める」と言われ始めていましたが、この年代の多くは、結果的に辞めませんでした。

「辞めません。でも、頑張りません」――ぶら下がり社員の心理を端的に表現した言葉で話題を呼んだ『「新・ぶら下がり社員」症候群』の著者である、株式会社シェイク代表の吉田実氏によると、ぶら下がり社員化する原因には、(1)自分に対するあきらめ(自分にはどうせ無理、いまのままで十分)、(2)組織に対するあきらめ(うちの会社や部署は変わらない、頑張っても給料は上がらない)、(3)未来に対するあきらめ(時代が悪い、夢なんて持てない)の、三つのあきらめが介在し、こうしたあきらめが過剰なまでに保守的な思考を生み、若者のチャレンジ精神を蝕んでいると指摘しています。

最近では企業が仕事と育児の両立支援に取り組んだ結果、その“副作用”として、せっかく職場復帰を果たしたワーキングマザーがぶら下がり社員化してしまうといった問題も起こっています。子育て中の女性は、責任やリスクを伴わない代わりにやりがいも乏しい仕事を回されがち。それが企業や上司の配慮であっても、復職した本人にとっては意欲を削がれ、上述のあきらめに支配されるきっかけになりかねません。そうした過剰な配慮に甘んじているうちに自身の成長も見込めなくなり、ぶら下がり社員になってしまうというわけです。

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