労基法23条、退職時の金品の返還の解釈について
平素は大変参考にさせて頂いております。
さて表記については、「労働者の退職の場合において、権利者の請求があった場合、7日以内に賃金を支払う」ことが定められています。
これに絡んだ案件がありましたため、ご相談いたします。
【案件】
6/30に退職する正社員より、6月支給の給与を労基法23条に基づき、7日以内に支払うよう5月28日に請求があった。
【当社の通常時の正社員への給与支払方法】
月末締めの当月27日払い(基本賃金)。見込み払いであるため、後で欠勤があったことが発生した場合は翌月27日払いの給与で遡及処理を行う。
また、時間外手当など当月中に実績が確定しない変動賃金は同様に翌月払いとしている。
日給月給制である。
【現時点で判断できかねている点】
類似の制度として労基法25条の「非常時払い」の場合と当方は混同して、本請求が「既往の労働」に田対するものだと認識しておりました。労基法コンメンタールを見ると「一般には既往の労働に対する賃金んをいうが、労働者が支払いを要求しうる賃金は全て含む」とあり、相当の強行法規であると認識しました。
【問1】この「支払を要求しうる賃金」ですが、起算日を「退職日」とみなしているのか、社員が求めるように「5月28日」いずれとみなせばよいでしょうか。
【問2】仮に前問で「5月28日」とみなした場合、7日以内に6月の基本賃金、5月の変動給を支払うような形に今回はなると考えています。ただ、厳密には6月に仮に欠勤した場合は日割り遡及する必要が生じるため、その場合は将来的に返金を求めるなどの念書をとることは可能でしょうか?
【問3】問1で「退職日」とみる場合、退職日以降に生じる手当等(6月の時間外手当などの変動給)を7/27の支給を待たず、退職日から7日以内に支給するという考えでよいでしょうか?
初歩的な質問で恐縮ですが、今まで当社で事例がなかっただけにドタバタしてしまっております。
よろしくご見解賜りますよう、よろしくお願いいたします。
投稿日:2018/05/29 09:42 ID:QA-0076855
- 着眼大局さん
- 静岡県/医療・福祉関連(企業規模 10001人以上)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
対象は、請求時点に確定している未払い賃金のみ
▼ 先ず、「未発生の賃金」は債権ではないので、「権利者の請求」対象とはなりません。日給月給制の下では、更に明確に認識できます。対象となる賃金は、「権利者の請求があった場合」、つまり、「請求時点(5月28日)に確定している未払い賃金」ということになります。確定している賃金額ですから、返金請求等の事態は生じません。
▼ 「7日以内」に支払うべき上記金額以外に、退職日迄に発生する労務提供に対する賃金の支払は、本請求とは関係なく、就業規則、或いは、定例化している手順で行えばよいと言うことになります。ご質問1~3を一連の流れとして、回答致しました点。ご容赦下さい。
投稿日:2018/05/29 11:44 ID:QA-0076858
相談者より
早々に明快なご回答頂き、ありがとうございました
投稿日:2018/05/29 12:58 ID:QA-0076861大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
1.2.3
労基法23条は退職の場合においてとなっており、6/30に退職とありますので、7/1~7日以内に払えば足ります。
5/28に請求しても6/30までは在職中なわけですから、法の主旨は退職した場合の生活補助です。
請求があった場合には、7/27ではなく、7/7に支払う必要があります。
投稿日:2018/05/29 12:33 ID:QA-0076859
相談者より
明快なご回答ありがとうございました。
投稿日:2018/05/29 12:58 ID:QA-0076860大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご質問の件に各々回答させて頂きますと‥
【問1】「支払を要求しうる」のは、同条の文言から「退職の場合」における「権利者」ということになります。従いまして、退職していない時点では権利者には該当しませんので、5月28日ではなく実際に退職される日が起算日となります。
【問2】退職日以後の支払いになりますので、勤怠は確定しており遡及払いにはなりません。
【問3】ご認識の通り、元来の支給日ではなく退職日から7日以内に支払う事が必要です。
投稿日:2018/05/29 19:33 ID:QA-0076874
相談者より
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2018/06/20 09:48 ID:QA-0077265大変参考になった
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