経歴詐称および就業規則違反をした社員の懲戒処分について
平素よりお世話になっております。
この度は経歴詐称および就業規則違反をした社員の懲戒処分についてご相談したく、投稿いたしました。
昨年、当該社員が「10社以上転職している」「面接で騙される方が悪い」と発言したことを聞き、履歴書と職務経歴書に記入された社歴と年金手帳の第一号被保険者期間を見返しました。この結果、2つの記録が合わないことが判明し、経歴詐称をしていることがわかりました。
対処を考える中で、いくつか疑問がわき、アドバイスをいただきたく思っております。
当該社員が行った就業規則違反のうち、特に問題があると考えるものを挙げます。
1. 上長が業務上、購入が必要だと言った備品を「管理が面倒」という理由で発注を拒否。
2. 上長が新人の指導をしていたところ、指導を妨害。
3. 求人票を見るために、就業時間中にハローワークへ行く。
4. 外出届を出さず、就業時間中に定期預金口座を開設するため銀行へ行く
5. 知人を採用させるため、人事権を持つ上長にほかの応募者の評価を下げることを進言する
6. 常日頃、上長に「殺すぞ」などの暴言を口にする
弊社の就業規則には懲戒解雇として、次のことが明記されています。
1.経歴を偽るなど、偽りの行為があったとき
2.正当な理由なく会社の業務上の指示命令に従わないなど、事業場の秩序を乱したとき
3.上長の命令を侮辱反抗し、上長や他の者に暴行脅迫を加え会社の業務を妨げたとき
以上の状況を踏まえて、ご相談したいことが4つあります。
1.上記の行動は弊社の就業規則に違反していると考えますが、懲戒処分の根拠として法的に認められますか。
2.就業規則違反について記録(日時と内容)をとってあるのですが、裏付けとなるボイスレコーダーなどの証拠はとっておりません。確たる証拠がない場合でも、法的に有効でしょうか。
3.当該社員は給料計算の一部を担当しているのですが、懲戒処分を科す場合、業務を放棄または妨害する可能性が高いと予想されます。同じ部署の者が早急に引き継ぎをする必要があるため、当該社員に自宅待機または出勤停止を命じたいと思っているのですが、法的に問題ないでしょうか。
4.先述した経歴詐称と就業規則違反を根拠に懲戒解雇を科した場合、解雇権の濫用となることは考えられますか。
投稿日:2017/02/12 22:38 ID:QA-0069260
- 人事担当Mさん
- 千葉県/鉄鋼・金属製品・非鉄金属(企業規模 11~30人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご質問に各々回答させて頂きますと‥
1.すべての懲戒解雇事由に該当しているものといえますので、根拠としましては十分です。但し、解雇を有効足らしめるためには会社側から改善指導を行ってきたという実績も重要となります。
2.証拠は記録のみならず社員の証言等も有効になります。これだけ問題を起こしている社員であれば、そうした裏付けは比較的容易であるといえるでしょう。
3.問題ございませんが、懲戒の一つとなりますので、挙げられた問題行為のうち一つまたは複数の行為を特定し懲戒理由として措置される事が求められます。そして、二重制裁を避ける上で懲戒解雇には別の問題行為を理由とする必要がございます。
4.経歴詐称が直接業務に重大な影響を及ぼしていないと判断された場合には解雇権濫用と判断される可能性がございます。従いまして、他の問題行動の方を主な理由とされるのが妥当でしょう。
投稿日:2017/02/13 11:24 ID:QA-0069271
相談者より
服部様
先日に引き続き、ご回答ありがとうございました。
服部様の助言を受け、今後のことを具体的にイメージすることができました。
上長としっかりと相談いたします。
投稿日:2017/02/18 16:12 ID:QA-0069333大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
体制固め
解雇は事由があればできるものではありませんので、しっかりとした体制作りをして臨む必要があります。経営責任による全社体制を取って下さい。もちろん顧問弁護士等も含めた、プロジェクト対応が望ましいと言えます。
1.証拠が必要です。録音や聞き取りの事実、改善指導などの記録は会社側の証明責任があります。
2.言った言わないは本格的に係争になれば不利です。
3.すべての体制を整えた上で業務から外すなど、行き当たりばったりでなく周到な計画の下、実施する必要があります。
4.証拠がなければ社員が訴えた場合不利になるのは会社側でしょう。
以上、ここまで常軌を逸した服務違反を放置した責任は会社にあります。経歴詐称以前に、職場服務規律を乱してもそれを黙認していたと取られかねません。証拠が無いのであれば、このまま泳がせて、しっかり証拠固めをしてから取り組む手もあります。いずれの場合も本人への指摘と改善誓約をしっかり取らなければ会社側が不利になる可能性があります。
投稿日:2017/02/13 21:02 ID:QA-0069281
相談者より
増沢様
ご回答ありがとうございました。
ご指摘いただいたことをしっかりと受け止め、上長と相談いたします。
投稿日:2017/02/18 16:17 ID:QA-0069334大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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