【ヨミ】フクムキリツ 服務規律

服務規律は、企業秩序の維持を図るために社員が遵守すべき義務やルールを定めたもの。就業規則に、労働条件などと並んで明記されるのが一般的です。
(2010/1/18掲載)

服務規律のケーススタディ

多様化する職場内トラブルに対応
社員の自由やプライバシーにも配慮を

社員が服務規律に反した場合は就業規則違反となるため、当然、懲戒処分に値しますが、いいかえれば、服務規律に明記されていない事項に関してはそのかぎりではありません。たとえ業務遂行に支障が出たり、会社に何らかの損害を与えたりしても、懲戒処分に問うのが難しくなるケースもあります。だからこそ、服務規律をたえず充実させておく必要があるのです。

人々の職場での働き方や行動パターン、それに伴うモラル意識は時代の変化と無縁ではありません。たとえば「社員が会社のパソコンで頻繁に私用メールを行い、業務に支障をきたしている」「個人のブログに会社の批判や社外秘の情報を記載している」というような問題は、企業内外にIT技術が普及する以前の職場環境では考えられなかったことでしょう。服務規律の重要性はいまにはじまったことではありませんが、多様化・複雑化する一方の職場トラブルに対応し、社員の行動を適切に管理するためには決して疎かにできない、つねに見直しが必要なテーマであるといえます。

現に多くの企業では、酒気を帯びて就業しないといったごくあたりまえのルールから、近年になって社会問題化しているセクシャルハラスメントやパワーハラスメントに関する内容、企業秘密や個人情報の漏洩防止についてまで、幅広く、具体的に規定しています。とりわけ懸念されているのが、先述の私用メールの事例のような、会社のコンピュータ・ネットワークをめぐるさまざまなトラブルです。度を越えた私的利用は、社員が有する「職務専念義務」に違反するだけでなく、放置しておくと顧客データの盗用やインターネット上への流出、有害ウイルスへの感染などのリスクが飛躍的に高まり、企業倫理やコンプライアンスを脅かしかねません。

ステークホルダーとの信頼関係を醸成する観点からも、こうしたトラブルを未然に防ぐために、社内のパソコンや電子メールなどの情報通信機器の私的利用禁止やモニタリング(利用状況の調査)の実施などについて適切に規定し、就業規則として全社員に周知徹底させる必要があるでしょう。ただし企業秩序の維持が目的とはいえ、服務規律の規定には従業員の自由やプライバシーとの調和も求められます。理由や必要性もなく、抜き打ちでモニタリングや所持品検査を実施することは基本的に認められません。どのような場合にどんな方法で調査を行うのかをあらかじめ明確にし、適切な運用に努めましょう。

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