職務放棄による懲戒処分
当社の勤務は非常に特殊で1日の勤務時間が4時間程度であったり13時間ほどあるものもあり変則的です。
しかし、従業員にしてみれば1日4時間の勤務で出社するより有給で1日8時間確保する方が良く休暇申請が多かったため看做し時間として4時間プラス2時間程度事務所待機して8時間勤務と看做すこととしております。
しかし、この内容は現場レベルの対応で行っておりました。そこで、勤務時間は8時間と看做しているため、その看做し時間中に他の勤務を付けたところ、社員より通常と違う形態になる場合には他の者との公平性などのこともあるので前所長(今年4月より所長交代しています)より前もって確認をとるとの約束をしていたので当日言われてもできないと言われました。
そこで、話し合いの結果、今回のように約束を反故にされる可能性があるので書面で約束内容を書いて欲しいと言われましたが、当方としてはその必要性は無いと思い拒否しました。当該社員は、当日いつもどおり4時間プラス2時間後に退社しました。
当方としては、勤務時間内の業務であり命令違反として職務放棄による懲戒処分のため懲罰委員会を開こうと思うのですが、問題はありますでしょうか?
投稿日:2015/09/26 09:37 ID:QA-0063690
- 青ふくろうさん
- 滋賀県/運輸・倉庫・輸送(企業規模 101~300人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、就業規則に規定のない任意の運用に関しまして就業規則に基づく制裁を科する事は困難といえるでしょう。加えまして、「看做す」という表現は法律用語で確定事実と同じ効果を持つ強い内容ですので、文面のような場合でも事情がどうあれ実際の勤務の有無に関わらず8時間勤務という態様を翻す事は出来ません。
そもそも問題は労働時間といった極めて重要な労働条件についてこのような就業規則上にない運用をしている点にございます。これは従業員側というよりも会社の人事管理の不手際の方に責任があるといえます。
従いまして、対応としましては、現場レベルで運用させるのではなく、労使間できちんと協議の上就業規則できちんとこうした特殊な運用についてそもそも認めるか否かも含め明確に定めを置かれる事が必要といえます。
投稿日:2015/09/28 10:47 ID:QA-0063695
相談者より
回答ありがとうございます
8時間という勤務を翻すことができないのならなおさら、その時間内の業務を放棄した者を賞罰することは可能ではないのでしょうか?会社にも問題報告はしているのですが前進しません。が、このようなことを放置していては他の者に示しが付かないのですが、もし、賞罰委員会に掛けた場合に起こりうるリスクはどういったものが考えられますか?お忙しいところご回答いただけると幸いです。
投稿日:2015/09/28 21:32 ID:QA-0063713大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
変形労働時間制の導入で解決できるのでは・・
ご説明では、 どうやら、 実態は、 1カ月単位の変形労働時間制のように思えます。 若しそうなら、 就業規則に定め、 または労使協定を締結し、 労基署への届け出が必要になります。 そうすれば、 各日の始業・終業時刻 (結果的には所定労働時間)が予め明らかになりますので、 「看做し」 がどうの、 「職務放棄だ、命令違反」 だの、 「取得有休の賃金」 がどうのといった問題は、 自ずから、 明らかになるのではないでしょうか。
投稿日:2015/09/28 11:24 ID:QA-0063699
相談者より
回答ありがとうございます
おっしゃる通りなのですが会社の上はなかなか改善していただけないので現場での対応となっているのが現状です
投稿日:2015/09/28 21:34 ID:QA-0063715大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
文面を拝見する限りでは、職場放棄とするのは、いささか、急であり、
ますます、トラブルが大きくなるリスクがあると思われます。
労働時間は従業員にとっても賃金とならんで、重要な条件であり労働条件であり、
書面で明示することが義務付けられています。
現在、労使間で、お互いに、思い違いが起こっているのは事実ですから、
今回のことをきっかけとして、
労働時間について、会社の考え方を整理したうえで、従業員さんとよく
話あったり、説明し、規定化することをお勧めします。
投稿日:2015/09/28 13:17 ID:QA-0063701
相談者より
回答ありがとうございます
考えられるリスクとはどういうものが考えられますか
ご回答いただけると幸いです
投稿日:2015/09/28 21:35 ID:QA-0063716大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
段階
就業規則等で明確化していない瑕疵が会社側にはあると思われますので、今回いきなり懲戒するのは無理でしょう。明文化の上、従業員への指導、できれば問題ありそうな社員への個人面談なども行い、もれなく周知を図った上で、それでも従わない例が出た時に懲戒へと進むべきです。
投稿日:2015/09/28 21:33 ID:QA-0063714
相談者より
回答ありがとうございます
参考にさせていただきます
投稿日:2015/10/02 07:43 ID:QA-0063769大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
再度お答えいたします
ご返事下さいまして感謝しております。
「8時間という勤務を翻すことができないのならなおさら、その時間内の業務を放棄した者を賞罰することは可能ではないのでしょうか?」
― 「8時間という勤務を翻すことができない」からこそ制裁は科せられません。何故なら、「4時間プラス2時間後に退社」=「8時間勤務」ですので、前者を行えば後者も当然行っていることになるからです。つまり、既に8時間勤務の履行は完全に成立しているわけですから、後は何時に帰宅しようとも従業員の自由である事は明白です。お気持ちはよく分かりますが、「看做す」とはそういう意味ですのでご理解される必要がございます。
「会社にも問題報告はしているのですが前進しません。が、このようなことを放置していては他の者に示しが付かないのですが、もし、賞罰委員会に掛けた場合に起こりうるリスクはどういったものが考えられますか?」
― 会社が就業規則に定めていない措置で賞罰委員会にかけられますと、従業員側は制裁根拠のない制裁という事で無効を主張する可能性がございます。そして、会社が認めなければ労働基準監督署や外部労組への申告、さらには制裁無効を求めての訴訟提起といった可能性も否定できません。さすがに訴訟まで行くかは微妙でしょうが、いずれにしましても、外部機関等への申告によって御社の信用低下に繋がりかねません。
そもそもは前回も申し上げました通り、就業規則の未整備といった会社側の責任でもございますので、当該従業員の行為のみを殊更問題視されるのは問題であると考えるべきです。
勿論、どうしても賞罰委員会にかけたいという事でしたらこちらで止める権限はございませんが、それによって発生する労務リスクについてはすべて受け止めなければなりません。重大な問題ですので、慎重に御社自身で責任を持って最終決断される事が必要です。
投稿日:2015/09/29 17:44 ID:QA-0063726
相談者より
回答ありがとうございます
とても良くわかりました
今後の検討課題が見えた気がします
ありがとうございました
投稿日:2015/10/02 07:44 ID:QA-0063770大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
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