復職後の対応について
初めてご相談いたします。
弊社では、社員に対して次のような休職制度を設けています。
「業務外で傷病にかかり、6ヶ月以内に120日以上欠勤したとき、休職を命ずる。」
「疾病休職中の社員が休職期間満了前に復職してより6ヶ月以内に
引き続きの症状で再度発病したときの欠勤日数は休職期間に参入する。」
しかしながら、近年うつ病などの病気が多発しており、
一度症状が回復しても再発することが多く、
復職後に発生した欠勤の事由が引き続きの症状なのかどうか
判断に悩まされております。
そこで、復職後の休職期間について
「引き続きの症状」だけでなく「理由を問わず」参入できるようにしたいのですが、
これはあまりにも乱暴な判断だと思いますので、
「同一ないし類似の事由」程度でとどめておくのがよいかと考えております。
就業規則の変更を検討するにあたり、
できれば、他社様のルールについても参考にさせていただきたいと思うのですが、
こういった場合、どのようにルールを定めている会社が多いのでしょうか。
情報があれば教えていただけると光栄です。
また就業規則を変更する場合の手続きについてもご教授いただけるとありがたいです。
また、復職した社員が6ヶ月以内に同一ないし類似の事由により
欠勤ないし通常の労務提供をできない状況に至ったときは、
復職を取り消し、ただちに休職をさせる、
といった内容の規程を加えたいと考えているのですが、
復職を取り消すにあたっての「6ヶ月以内」という期間やその他の条件について、
どのようにすればよいか、ご意見いただければと思います。
以上、長々とすみませんが、よろしくお願いいたします。
投稿日:2011/10/26 18:34 ID:QA-0046699
- すず☆さん
- 東京都/販売・小売(企業規模 1001~3000人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
まず休職制度につきましては各会社が任意に制度を設けて運用するものですので、各社様々といえます。ちなみに、ご認識の通り近年ではうつ病等による再度の休業が発生するケースも増加していますので、対策としまして休職及び欠勤期間の通算規定を設けている会社が多くなっているものといえます。その場合は、やはり「同一ないし類似の事由」までとされておくのが妥当でしょう。いかに任意で設けられる制度であっても、社会通念に反するような規定では有効性に疑いが生じるからです。
また、就業規則の変更手続きは通常通りで、過半数労働組合(無い場合は過半数代表従業員)の意見書を添えて所轄労働基準監督署へ届け出ることになります。
また、後段に見られます復職後再発への措置ですが、一旦復職した事実まで取り消す事は出来ません。加えて「ただちに休職をさせる」というのでは個別事情を踏まえての対応が出来なくなりますし、かえって休職を恐れる従業員にプレッシャーを与え無理をさせる結果となりかねませんので、このような規定は不要というのが私共の見解になります。
投稿日:2011/10/26 20:39 ID:QA-0046703
相談者より
ご回答いただきましてありがとうございました。
弊社といたしましても、
社会通念に反するような規程にはしたくないので、
「同一ないし類似の事由」までとしておくのが妥当だとわかったことは参考になりました。
就業規則を変更する場合、
意見書を労基署へ届けるということですが、
小売業で各地に店舗を構えている場合は、
その店舗がある地域の所轄労基署に
それぞれ届け出る必要があるということでしょうか。
可能であれば教えていただけると助かります。
復職の取消についても、
アドバイスいただきありがとうございました。
投稿日:2011/10/27 10:32 ID:QA-0046709参考になった
プロフェッショナルからの回答
弾力運用の余地を
>復職後に発生した欠勤の事由が引き続きの症状なのかどうか判断
につきましては、御社の産業医の判断を参考とする等、御社が合理的に判断できる余地を残してはいかがでしょうか。いずれの場合も「自動的に○○できる」というような設定は難しく、あくまで個別判断になりますが、医療の素人である人事が直接判断するのではなく、御社側である産業医の所見を参考として、経営判断を加えられるような形が良いように思います。
この趣旨から「復職を取り消し、ただちに休職をさせる」の「ただちに」の部分も好ましくないのではないかと感じます。「6ヶ月」は不自然な感じは受けません。
投稿日:2011/10/26 22:42 ID:QA-0046704
相談者より
適切なアドバイスをありがとうございました。
判断基準が悩ましい案件が多いため、
会社が合理的に判断できる余地を残すというのは、
非常に現実的であると思いました。
また、医療の素人である人事のが判断ではなく、
会社側である産業医の所見を参考にすることで
説得力のある判断になると思いました。
参考にさせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
投稿日:2011/10/27 10:13 ID:QA-0046708大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
各局面で、軸足のぶれない対応を
|※| 精神的疾患の増加に対し、企業としては、① 就業規則の整備、② 労働時間の管理、③ 休職事由の発生時、復職・再発時の措置などの各局面で、軸足のぶれない対応が欠かせなくなってきました。ご相談では、これらの局面が混在しているように思えます。 .
|※| 先ず、休職の繰返しに対する期間通算ですが、同一の疾病の場合以外でも通算は違法ではありません。然し、現実には、短期間の休職期間を設定している場合には、酷に過ぎると判断されるので、「 同一ないし類似の事由 」 とされるのは、妥当だと思います。 .
|※| 次に、後半の復職後6カ月以内の再発時の措置ですが、「 復職を取消し 」 という意味が分りかねます。「 復職した事実 」 は、消すことはできないと思いますが、これは「 復職しなかったものと看做す 」 という意味でしょうか。復職した期間中に支払った賃金は、どうなるのでしょう。因みに、「 再発時までの6カ月 」 の期間の是非は判断しかねますが、もう少し長めの方がよいのではないかという気がします。 .
|※| ご質問に直接関連しませんが、うつ病による労災認定のケースの多発傾向に対処し、厚労省は、具体的な判断基準として、「 発症直前の3週間で、約120時間以上の時間外労働があった場合は、・・・うつ病の原因となる 」 とする方向で、検討を進めているとのことです。労働時間の管理の重要性が、益々高くなってきます。
投稿日:2011/10/27 10:50 ID:QA-0046711
相談者より
ご回答いただきましてありがとうございました。
「 同一ないし類似の事由 」 とするのが妥当な判断だと伺い、参考になりました。
復職の取消については、ご意見いただいた通り「 復職しなかったものと看做す 」 という意味で書いたのですが、そもそも復職の事実を取り消すことはできないというのはもっともですし、期間中に支払った賃金や期間など、更に検討する事項が多いことを実感いたしました。
再検討の上、また改めてお伺いするかもしれませんが、その際はどうぞよろしくお願いいたします。
投稿日:2011/10/27 11:10 ID:QA-0046712大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
再度お答えいたします
こちらこそご返事頂き有難うございます。
再度御質問の件については標題の復職問題とは外れてしまいますが、折角ですので簡潔に回答させて頂きます。基本的には店舗(事業所)毎に届出を行うことが求められます。但し、就業規則及びその変更内容が全く同じであれば、本社で一括届出をすることも可能です。その際は、店舗数と同じ部数の提出が必要ですし、意見書も各店舗毎に取られる事が必要です。またそもそも店舗が極めて小規模で独立性に欠けるような場合ですと、直近上位の事業所に含めることになりますので当該店舗に関する届出自体が不要ですが、その場合は既に現行の就業規則や雇用保険等に関わる手続きもそうした形にされているはずです。その他手続き詳細で不明な点につきましては、所轄労働基準監督にご確認頂ければ幸いです。
投稿日:2011/10/27 11:47 ID:QA-0046713
相談者より
再度のご回答ありがとうございます。
就業規則及びその変更(予定)内容についても全く同じですので、店舗部数分の意見聴取と届をそろえて、本社で一括届出することができると伺い、大変参考になりました。
手続きの場合は、労基署にも確認しつつ、そのような形で進めさせていただこうと思います。
投稿日:2011/10/27 11:54 ID:QA-0046714大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
前休職期間の残余日数を休職期間として充当するのはいかがでしょうか?
うつ病等メンタル疾患による業務外疾病からくる休職からの復職については、全快せずに再度欠勤に至るケースがよく見受けられます。今般のご相談も同様の事例ではありますが、例えば、復職の日から一定日数期間内に再び同一または類似の疾病で欠勤する場合は、前休職期間の残余日数を休職期間とする、としてはいかがでしょうか?休職期間満了前という前提条件がありますが、従前の休職事由が何らかの理由で解消せず、再び休職とせざるを得ない今回のケースには有効と思われます。
尚、「復職を取り消すにあたって」という内容ですが、一度復職を命じ就労の実態がある以上、こうした事実を取り消すことは出来ませんし、または、復職しなかったものと見做しても、その間の賃金等の取り扱いをどうするか色々と問題が発生致します。
最後に、就業規則の変更手続きですが、まず変更した就業規則に対し、労働者の過半数で組織する労働組合(無い場合は過半数を代表する者)の意見書を添え、所轄の労働基準監督署へ届出を行います。
参考までに、復職時の判断ですが、本人提出の診断書のみで判断せず、その診断書に対するセカンドオピニオンを御社産業医に求め、場合によってはその産業医と本人との面談を実施して、医学的な見地からの客観的情報を収集、併せて本人の業務遂行能力や、復帰予定の職場状況の確認等を総合的に行うとよろしいかと思います。その際、就業規則において、復職の判断に関する事項として、上記内容を規定しておくとよろしいでしょう。
投稿日:2011/10/27 14:52 ID:QA-0046715
相談者より
ご回答ありがとうございました。
前休職期間の残余日数を休職期間として充当するということについては、「復職してより6ヶ月以内に引き続きの症状による欠勤が発生すれば、休職期間に参入する」となっているため、アドバイスいただいたのとほぼ同等の対応がとれているように思います。
ただ、言い換えれば、6ヶ月以内に同症状の欠勤がなければ、今までの休職期間をすべてリセットすることになっているため、その点については検討の余地があるように思います。
「復職」の事実を取り消すことはできないということについては、確かに賃金の問題など他にまえもって検討しておかなければならない事項が多くあるように思います。
再度検討いたします。ありがとうございました。
投稿日:2011/10/27 16:33 ID:QA-0046717大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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