拘束21時間半の勤務(労基法改正勤務間インターバル対応)
当社は一ヶ月単位の変形労働時間制をとる会社です。現在、勤務①9時から117時半(休憩1時間)、勤務②22時から翌日の6時半(休憩1時間)を基本に勤務を組んでいます。勤務②が終わると非番になり、その次の日は、また、①と②を組み合わせた勤務にしたり、①のみにして、一ヶ月の中で調整しています。
このままだと今後の労基改正の「勤務間インターバル11間制度化」に対応できないので、①と②の勤務をひとつの勤務として再整理し、「9時から翌日6時半(休憩3回→1時間、4.5時間、1時間)」としようと思います。6時半勤務勤務開放後は明け番というのは一緒です。
この拘束21半の連続的な勤務は、変形労働時間制なので、違法ではないという認識なのですが、いかかでしょうか。
投稿日:2025/12/11 14:27 ID:QA-0161863
- Ka10プリンさん
- 東京都/建設・設備・プラント(企業規模 1001~3000人)
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本Q&Aは法的な助言・診断を行うものではなく、専門家による一般的な情報提供を目的としています。
回答内容の正確性・完全性を保証するものではなく、本情報の利用により生じたいかなる損害についても、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
具体的な事案については、必ずご自身の責任で弁護士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
一ヶ月変形労働時間制でも、21.5時間の連続拘束勤務を恒常的に設定することは、
法的にリスクが高く、実務上は違法となる可能性が大きいといえます。
変形制は週40時間の平均調整を認める制度であり、1日の労働時間に上限がなくな
る制度ではありません。休憩・仮眠が実質的に自由利用できない場合は労働時間と
判断され、長時間連続勤務は、過重労働や安全配慮義務違反と評価されやすく、
労基署でも13〜15時間超の連続勤務に厳しい指導が行わるケースが多いです。
また、勤務間インターバル11時間制度化の趣旨からも、21.5時間勤務は認められに
くい運用です。従って、提案の勤務統合は推奨は出来ませんので、シフトの見直し
やシフト追加でインターバルを確保する方が安全であります。
投稿日:2025/12/11 14:57 ID:QA-0161866
相談者より
ご回答有り難うございます。念の為、お聞きしてよろしいでしょうか。これまで通り、勤務①(9時〜17時半)、勤務②(22時〜6時半)を別勤務とて扱う場合においては、勤務①と②の間に対しても、労基法改正の勤務間インターバル11時間確保が適用されると想定されますでしょうか。もちろん、改正法令が施行されるまで誰も確かなことはわからないという前提で、想定をお聞きしたいという位置づけとなります。どうぞよろしくお願いします。
投稿日:2025/12/11 22:53 ID:QA-0161895大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1.結論
提示の「拘束21.5時間連続勤務」は、変形労働時間制を採っていても、労基法上そのままでは適法と言えません。
2.理由
理由は以下の2点です。
(1)変形労働時間制は「労働時間」部分のみ調整できる制度
変形労働時間制(1ヶ月/32条の2)は、
1日の所定労働時間
1週間の総労働時間
を繁閑に応じて延長できる制度です。
しかし、変形制であっても、
●「休憩を除く連続労働時間」は自由に延長できるわけではない
●「過度の拘束」「健康確保」が問題となる
という制約は残ります。
今回の例では、
勤務時間:
9:00〜翌6:30=21.5時間拘束
うち労働時間:
21.5時間 − 休憩(1h+4.5h+1h=6.5h)
= 15時間の労働
つまり、15時間連続労働が発生する可能性がある構造です。
これは、
労働安全衛生法・健康確保指針に抵触するリスクが高い
「過重労働」として監督署から是正指導が入る典型例
となります。
(2)勤務間インターバル制度(11時間)とは別に「連続労働時間の限界」がある
勤務間インターバル義務化(令和8年4月〜)は、
「退勤から次の出勤まで11時間以上」
という“勤務間休息”の確保義務です。
しかし、今回はこれ以前に問題があります。
●1日の「労働時間」が15時間
→ 労基法32条では、1日8時間を原則とし、変形制でも「青天井に延長できる」趣旨ではない。
●過重労働ライン
厚労省の「過重労働防止ガイドライン」等では、
1日の実労働が13時間超は強い注意対象
15時間以上は「著しい過重労働」として原則禁止レベル
となっています。
よって、
15時間労働を制度として固定化するのは、高い違法・指導リスク。
(3) 拘束21.5時間の「実務上のリスク」
監督署の定期監督では、次の3点で指摘されます。
1.過重労働による安全配慮義務違反
疲労蓄積→事故発生リスク増大
特に深夜帯を含むため重大事故のリスクが高い。
2.休憩時間が実質的に取れない(労基法34条違反)
21.5時間拘束の中に「4.5時間休憩」は、
実質は仮眠や待機であり「休憩」と認められないケースが多い
電話待ち・呼び出しがあれば休憩ではなく労働扱い
特に夜勤時に「4.5時間休憩」を確保できる実態がなければ、
→ 休憩時間違反(法34条)
となる可能性が高いです。
3.深夜割増(22時〜5時)計算が複雑化し、誤計算リスク大
長時間勤務は賃金計算の誤りが必ず発生します。
(4)「勤務(1)+勤務(2)を一体化すれば合法」にはならない理由
勤務を「一体化」しても、次の点が変わりません。
労働時間が15時間に及ぶ
深夜帯が長時間
拘束が過長
過重労働ガイドラインに抵触
→ 変形労働時間制はこれを合法化する制度ではない
つまり、
「(1)+(2)を1勤務として扱う → 合法化」
というロジックは成立しません。
(5)実現可能な改善案(合法化の方向性)
(1) 勤務(1)(9:00〜17:30)
(2) 勤務(2)(22:00〜6:30)
の間に11時間インターバルを確保するよう交代制の再設計が必要です。
例:
勤務(1)終了後の翌日の勤務(2)を禁止
明け番後の次勤務まで11時間+αの退勤間隔を確保
夜勤専従・日勤専従へのシフト区分
3.まとめ
拘束21.5時間の勤務を「1勤務として再整理する」案は、
変形労働時間制でも適法と評価することは困難。
労働時間(実働15時間)・休憩実効性・健康確保のいずれからも、
労基法違反または行政指導レベルのリスクが極めて高い。
今後の勤務間インターバル11時間義務化にも適合しません。
必要なのは勤務形態の根本的な再設計(交替制・夜勤専従化など)です。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/12/11 15:00 ID:QA-0161867
相談者より
非常にご丁寧なご回答有り難うございます。非常によく理解できました。
念の為、お聞きしてよろしいでしょうか。これまで通り、勤務①(9時〜17時半)、勤務②(22時〜6時半)を別勤務とて扱う場合においては、勤務①と②の間に対しても、労基法改正の勤務間インターバル11時間確保が適用されると想定されますでしょうか。もちろん、改正法令が施行されるまで誰も確かなことはわからないという前提で、想定をお聞きしたいという位置づけとなります。どうぞよろしくお願いします。
投稿日:2025/12/11 22:54 ID:QA-0161896大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
特段問題はありません。
1と2は同日の労働時間となりますので、1労働日としての扱いとなり、
6時半勤務勤務開放後は明け番ということですので、
勤務間インターバルとしても明け番から11時間あれば、問題はありません。
投稿日:2025/12/11 16:10 ID:QA-0161878
相談者より
ご回答有り難うございます。大変失礼ではありますが、先行のご回答者様お二方は、①実質勤務時間が15時間で長すぎて合法と言いにくい点、②拘束が長すぎて実務上のリスクが大きすぎる点、の2点についてご指摘頂いているのですが、何かこの2点をクリアできる考え方がございますでしょうか。ご面倒をおかけますがよろしくお願いしますします。
投稿日:2025/12/11 22:45 ID:QA-0161894大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
対応
法的に可能なように見えますが、このような超長時間労働は明らかに時代に逆行するものだと思います。
念のため所轄労基に相談された方が良いかと思います。
投稿日:2025/12/11 19:40 ID:QA-0161891
相談者より
有り難うございます。一度の勤務が長時間になること自体が問題だとすると、その基本的なことを法律で縛りきれていないというのはいかがなものかと思います。いずれ、原案の考えでは、労基署に指摘される可能性が高そうということですね。有り難う御座いました。
投稿日:2026/01/02 14:44 ID:QA-0162613大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
情報提供
以下、情報提供いたします。
(1)「諸外国における勤務間インターバル制度等の導入および運用状況に関する調査―フランス、ドイツ、イギリス、アメリカ―」(勤務間インターバル制度に関する法改正のための参考資料を想定したもの)(独立行政法人 労働政策研究・研修機構)(2024年5月)では、以下の記載があります。
chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2024/documents/0282.pdf
〇 EU 労働時間指令は「24時間につき最低連続11時間の休息時間の確保」と規定しているので、当該の24時間につき労働時間を13時間までとする意味合いがある(EU指令第3条)。それに対して、日本のインターバル制度は1日24時間の枠はなく、前日の就業終了時刻と翌日の始業時間の間の一定の休息時間を確保することとされており、EU 指令と定義づけが異なる。
〇 2018年に勤務間インターバル制度が努力義務として導入された際の参議院附帯決議でも触れられているが、今後、勤務間インターバルに関する議論を行う場合には、EU 規制等の諸外国の規制も参考に検討する必要がありそうだ。
(2)但し、適用除外や特例措置を含め、EU諸国においても各国の規制は必ずしも一様ではなく、次のように整理されています。
フランスでは、1998年第1次オブリー法により1日11時間の休息が義務づけられており、1週間当たり24時間の休息(日曜休日の原則)が義務づけられている。しかも、2000年には週35時間の法定労働時間が定められて、時間外労働を含む1週間の上限時間が原則として48時間と定められている。ただし、勤務間インターバルの適用除外や特例措置があり、経営幹部職員はほとんど全ての労働時間規制が適用されないほか、サービス・生産の継続が重要な業務、運送サービス業務、保管・管理業務などは業務の性質を踏まえて、労働協約を締結することにより9時間までインターバル時間を短縮することができる。
ドイツは、EU労働時間指令に沿って国内法を整備し、労働時間法(ArbZG)で「勤務間インターバル」を義務化することによって労働者の健康確保をしている。同法5条(1)は、1日の勤務終了後、少なくとも11時間の連続した休息時間を付与しなければならないと規定している。例外として、病院、看護、介護、飲食、宿泊等の施設、交通事業者、放送局、農業、畜産業については、連続休息時間を10時間まで短縮することができる(同法5条(2))。さらに、病院、看護、介護施設においては、呼出待機中の要請による休息時間の短縮は、当該の短縮が休息時間の半分を超えない場合、他の時間で調整することができる(同法5条(3))。「勤務間インターバル」の適用対象外となるのは、管理的職員や医長、公勤務機関における部局長等、人事事項について決定権限を持つ幹部労働者等である。また、公勤務、航空、内水航行、道路輸送の労働者等も、その特殊な勤務形態から、一部適用が除外されている。
イギリスでも、EU労働時間指令の内容を受けて、労働時間規制(The Working Time Regulations 1998)によって国内法化された。24時間当たり連続11時間以上の休息、7日当たり連続24時間以上(または14日間当たり連続48時間以上)の休息を与えることが、使用者に義務付けられている。ただし、商船や漁船の船員は規則の適用が適用除外されるほか、軍隊、警察、民間航空(乗務員)、運転手(乗客、貨物輸送)は大半の規定が除外される。また、従事する職種・業種や、業務の性質等によって、つまりサービス・生産活動に連続性を要する場合、業務量が急増する場合や異常な状況や災害時等は、労働協約に基づいて規定内容の一部が適用除外となる。
投稿日:2025/12/11 22:02 ID:QA-0161892
相談者より
背景・経緯的にはいろいろあるのですね。勉強になりました。
投稿日:2026/01/02 14:45 ID:QA-0162614参考になった
プロフェッショナルからの回答
追加のご質問にご回答申し上げます。
追加のご質問をいただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
考え方や規定等につきましては、ご説明申し上げました通りです。
追加のご質問
「これまで通り、勤務(1)(9時〜17時半)、勤務(2)(22時〜6時半)を別勤務とて扱う場合においては、勤務(1)と(2)の間に対しても、労基法改正の勤務間インターバル11時間確保が適用されると想定されますでしょうか。もちろん、改正法令が施行されるまで誰も確かなことはわからないという前提で、想定をお聞きしたいという位置づけとなります。」
につきましての最終の判断は、所轄の労働基準監督署が行うものと存じます。
つきましては、本ご質問は、所轄の労働基準監督署の監督官にご確認されることをお勧め申し上げます。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/12/11 23:50 ID:QA-0161898
相談者より
有り難う御座いました。労基署相談しましたが、法律施行まで、いっさい答えられないとのことでした。
投稿日:2026/01/02 14:47 ID:QA-0162616大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、インターバル制度に関しましては、健康やワーク・ライフ・バランスの確保策として今後義務化が見込まれている制度になります。
つまり、義務化の詳細内容までは未定とはいえ、当該制度の主旨からしますと変形労働時間制なので対応されなくてもよいといった事柄ではございませんし、違法云々以前の問題としまして示されたような長時間勤務については当然に避けられるべきといえるでしょう。
投稿日:2025/12/13 23:26 ID:QA-0161986
相談者より
有り難う御座います。避けるべきなのでしょうけど、やりようがなく困っているところです。有り難う御座いました。
投稿日:2026/01/02 14:46 ID:QA-0162615大変参考になった
本Q&Aは法的な助言・診断を行うものではなく、専門家による一般的な情報提供を目的としています。
回答内容の正確性・完全性を保証するものではなく、本情報の利用により生じたいかなる損害についても、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
具体的な事案については、必ずご自身の責任で弁護士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。
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