ワークシェアについて
こんにちは。
最近ニュースでよく耳にするワークシェアですが、
実際の運用にあたっていくつか教えて頂きたいことがあります。
今回、緊急避難型と言われるワークシェアを導入する予定です。
時給制の方は、実際の労働時間かける時給となるのですが、
月給制の方は、基本給を下げずに、標準労働時間からのマイナス分を
時間換算して減額する、という方法に問題はありますでしょうか?
それとも、基本給自体を変える運用にすべきでしょうか?
また、1日当たり1時間の時間減とした場合でも、
有休休暇取得時は、1日8時間となりますか?
雇用契約書(覚書)の改訂はせずにいこうと思っています。
その際、覚書上、標準労働時間を1日8時間と明記しています。
アドバイスよろしくお願いします。
投稿日:2009/02/12 13:53 ID:QA-0015165
- 人事担当歴若干さん
- 大阪府/マスコミ関連(企業規模 51~100人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
緊急避難型と言われるワークシェアですが、その名の通り期間限定の一時的な措置になります。
特に御社の場合は雇用契約の改定を行なわないということですので、労使間で十分に協議した上で、期間を明確に区切って実施する事が求められます。
ご質問の賃金の支払い方等につきましては、特に制限はございませんので、減額方式でも問題ないです。
また年休の場合も基本的には通常のルール適用と同じですので、年休当日の労働時間に合わせて支払を行えばよいでしょう。
「ワークシェア」自体の法的枠組みが現状では存在しませんので、労働基準法を始めとした現行法に違反しないこと、及び賃下げ等不利益変更になる場合には十分な根拠を示し労働者側の同意を得るように努めることが求められるものといえます。
投稿日:2009/02/12 21:51 ID:QA-0015171
相談者より
投稿日:2009/02/12 21:51 ID:QA-0035951参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
ワークシェアのポイントと問題点
■ワークシェアという極めて難しい実施上の問題点を内蔵している事項について、あまりにもさらりとしたご相談なので、少々面食らっていますが、現在、持ち合せの情報を整理して回答します。
■「多様就業対応型」に対し、雇用を維持するために、賃金単価を引き下げずに、従業員1人当たりの労働時間を減らし、賃金総額を引き下げるのが、「緊急避難型」のワークシェアのポイントです.。現実には、単位労働者の仕事を減らしたからと言って、思ったように人件費を下げられないという問題があり、労使のせめぎあいの場となります。
■単純な時間給と違い、基本給に様々な手当が積み上がった正社員の賃金体系、仕事の範囲や責任の曖昧性、時間管理の煩雑化、退職金への影響、実施期間の確約の難しさ等々、これから実施上の問題点が吹き出してくるものと思われます。自動車、電機業界の大手でも、工場休止日のうち一部の日数の賃金を、法定以上の 8割保証するといった程度しか実現しておらず、ワークシェアとはとても呼べない現状で、本番はこれからといった感じです。
■以上を踏まえた上で、ご相談にお答え致します。
▽ 労働組合にとって、ワークシェアリングは賃下げにつながるとの警戒感が強く、労使間の合意、協定化、など多難なハードルを越えることが条件になりますが、ワークシェア方式自体が違法という訳ではありません。
▽ 基本給自体を変える、つまり、賃金単価を引き下げ(ベースダウン)ということになると話は違ってきます。これは、いわゆる賃金表の下方への書換えという「構造的な不利益変更」であって、もはや、ワークシェアの域を越しています。そのハードルは、いわゆる、整理解雇の4要件に匹敵する厳しい要件をクリアすることが求められると思います。
▽ 有給休暇の賃金については、① 平均賃金、② 所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金、③ 健保法の標準報酬日額に相当する額の3種類の決め方がありますが、いずれにしても、労使間合意と法定手続きを経て決められた、ワークシェア労働時間に基づき、ほぼプロラタ的に減額されることになります。
▽ 最後に、雇用契約書の件ですが、1日当りの労働時間の減少、労働日数の減少、またはその組み合わせによって、労働時間を減らし、賃金総額を引き下げるという重大な労働条件の変更ですので、雇用契約書の変更は避けることはできません。
投稿日:2009/02/13 09:09 ID:QA-0015177
相談者より
投稿日:2009/02/13 09:09 ID:QA-0035956大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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