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【ヨミ】セイリカイコノヨンヨウケン 整理解雇の四要件

経営不振や事業縮小など、使用者側の事情による人員削減のための解雇を「整理解雇」といい、これを行うためには原則として、過去の労働判例から確立された4つの要件(1.人員整理の必要性 2.解雇回避努力義務の履行 3.被解雇者選定の合理性 4.解雇手続の妥当性)が充たされていなければなりません。これらを、「整理解雇の四要件」と呼びます。
(2010/7/16掲載)
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整理解雇の四要件のケーススタディ

日本型雇用慣行を前提とする解雇規制
「要件」から「要素」へ、緩和の流れも

整理解雇の四要件」のポイントは、それぞれ以下の通りです。

  • (1) 人員整理の必要性
    どうしても人員を整理しなければならない経営上の理由があること(「経営不振を打開するため」は○、「生産性を向上させるため」は×)。
  • (2) 解雇回避努力義務の履行
    希望退職者の募集、役員報酬のカット、出向、配置転換、一時帰休の実施など、解雇を回避するためにあらゆる努力を尽くしていること。
  • (3) 被解雇者選定の合理性
    解雇するための人選基準が評価者の主観に左右されず、合理的かつ公平であること。
  • (4) 解雇手続の妥当性
    解雇の対象者および労働組合または労働者の過半数を代表する者と十分に協議し、整理解雇について納得を得るための努力を尽くしていること。

「整理解雇」という言葉は、法律上の用語ではなく、過去の裁判の判例や実績から上記の四要件が判例法として確立されるなかで浮上してきた、あくまでも労働慣例上の用語です。

終身雇用制や年功序列型賃金を前提としてきた日本型雇用慣行において、落ち度のない従業員を経営上の理由で辞めさせる整理解雇は、雇用に関する労働者の期待を裏切るものであり、その生活や将来設計に大きな影響を及ぼします。そのため、使用者側には厳格な法的制約が課せられ、労使紛争が生じた場合、従来は四要件を一つでも満たしていないと「解雇権の濫用」として無効、すなわち不当解雇と見なすという判断が主流でした。

しかし、四要件が確立される根拠となった過去の判例には、一定規模以上の企業を舞台としたものも多く、必ずしも中小零細企業の実情に即しているとはいえません。多くの中小企業では、「配置転換したくても職場がない」「一時帰休させるほどの企業体力がない」など、大企業のように段階的な雇用調整を行う余裕がないため、いきなり退職勧奨や指名解雇に踏み込まざるを得ないのが実情です。

近年は「整理解雇の四要件」の前提である日本型雇用慣行が崩れつつあり、また終身雇用・年功序列の下にない非正規雇用の増加もあって、要件の解釈はかなり変わってきました。一つでも欠けると整理解雇が無効になるのではなく、何かが欠けても四つを総合的に考慮した結果、相当と認められれば有効とする、すなわち四つの「要件」ではなく、「要素」として捉える判例も増えてきています。現状としては、各企業の経営や雇用の実態を踏まえて、四要件の充足を従来よりも緩やかに認める流れに傾きつつあるようです。

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