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【ヨミ】エイチエスピー HSP

「HSP」とは、ハイリー・センシティブ・パーソン(Highly sensitive person)の略で、さまざまな刺激に過剰に反応してしまう「高度な感覚処理感受性」と呼ばれる気質および、そうした気質を先天的に有する人を言う言葉です。アメリカの心理学者のエレイン・N・アーロン博士が考案し、1996年に自著で発表しました。「HSP」には、他者に比べて、職場や家庭での日常生活に疲れやすさや生きづらさを感じる人が多く、周囲から「繊細で神経質」「内気」などと見られがちです。アーロン氏によると、「HSP」は病気や障害ではなく、あくまで気質の一種。五人に一人程度は見られる正常なものだといいます。
(2017/5/31掲載)

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HSPのケーススタディ

五人に一人が該当、“敏感過ぎる”という気質
周囲の誰かが怒られているだけでお腹が痛い!?

「光や音、匂いなどの刺激が気になってしかたない」
「感情やイメージをたくさん感じているのに、うまく言い表すことができない」
「相手のことを考えすぎて、イヤだと言えず断れない」
「他人から監視されたり、評価されたり、競争させられるのが大嫌い」
「周囲の人の気分や感情に左右されて動揺しやすい」
「複数のことを短時間でこなすよう求められると混乱してしまう」

これらは、「HSP」の人に共通する特徴の一部です。「HSP」とは、感受性が鋭敏であるがゆえに、他の人にとっては何でもないような小さな刺激にも驚いたり、動揺したりしやすい気質のこと。上述のアーロン博士らの研究が進む前は、たんなるシャイな性格や繊細さ、内向性、あるいは社会恐怖症、社交不安障害などの精神障害の一種とも混同されがちでしたが、近年、それらとは一線を画す特質であることが分かってきました。

「HSP」の人は、日常生活では、他人の何げない一言がいちいち心に引っかかったり、周囲の雰囲気に過剰に反応したりして、必要以上に疲弊し、傷ついてしまうことが少なくありません。極端な場合、自分でなく、周囲の他の誰かが上司や教師などから叱責されているときでもいたたまれなくなり、お腹が痛くなってしまうことがあるそうです。

社会人になって組織に入り、会社などの管理の下で働き始めると、生きづらさを感じるケースがさらに増えてきます。複数の仕事を短時間のうちに達成することを要求されると途端に混乱してミスしてしまったり、頼まれたことは断ってはいけないという思い込みが人一倍強いため、過剰負担を抱え込んでしまったり。一番問題なのは、「生きづらいのは、自分が弱い人間だから」と、自分を責めてしまう傾向があることです。放置していると、睡眠障害やパニック症状を起こし、さらにはうつ病などにかかってしまう可能性もあります。

数年前には「鈍感力」が注目され、最近は職場でもメンタルタフネスやレジリエンスといったストレス耐性を求める風潮がますます強まっています。悩みやすい「HSP」が、こうした“逆風”下で強く生き抜くためには、まず「HSP」であることを自覚し、その特性を理解しなければなりません。病気や障害ではなく、「HSP」という気質だと分かるだけで、「弱い自分が悪い」と決めつけて責めていた自罰傾向から解放され、心が軽くなるといいます。

「HSP」は、言い替えれば、周囲からの刺激を感覚データとしてより細かく、より深くとらえられる性向の持ち主。それゆえに、周囲から「一つのことを多角的に見られる人」「人に共感しやすく気配り上手」などと評価されていることも多いのです。「HSP」のポジティブな面を長所と認め、職場などで積極的に活かしていくことが大切でしょう。

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