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【ヨミ】エムビーオー MBO(Management By Objective)

「MBO」とは、Management By Objectiveの略で、従業員が自律的に目標を設定する人事評価制度のことです。1954年にピーター・ドラッガーが自著の中で提唱したマネジメント手法で、従業員には自分の目標を設定し、達成のために自己管理を強化していくことが求められます。これによって、個人の主体性を養い、組織の成果を最大化することが、MBOの目的。日本でも昭和後期にブームになりました。MBOの直訳が「目標によるマネジメント」であることから、「ノルマ管理を強化する売上至上主義」と誤解されることもありましたが、あくまで「主体性を伸ばすことで組織の成果が出る」という考え方に基づいた手法です。(2019/2/14掲載)

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MBO(Management By Objective)のケーススタディ

自分で目標を設定することによる
メリットとデメリット

MBOの最大の特徴は、組織の事業目標を踏まえた上で、個人がそれにつながる目標を自分で設定すること。ではこうしたマネジメントには、どのようなメリットがあるのでしょうか。また、デメリットや気を付けるべきポイントはあるのでしょうか。

まず、メリットとして期待できるのが、従業員のモチベーションアップです。組織の一員として働いている限り、多くの従業員には何かしらの目標数値が課せられます。基本的にこの目標は、企業全体の目標から事業部の目標、チーム目標へと紐づき、個人の目標へと落とし込まれたもの。しかし、もし全体像が見えないまま上司から数字が与えられれば、どうでしょう。従業員はやらされている感を抱き、モチベーションが下がってしまうかもしれません。MBOでは、組織としての目標をふまえて自ら目標を設定することで、自分の仕事の役割をより意識できるため、モチベーションの向上が期待できます。また、目標を達成するためには自律的な行動が必要なため、自己マネジメント能力を養うことにもつながるでしょう。

さらに、MBOを行うことで、マネジメント層の成長にもつながります。通常の目標管理では、上司は部下の成果に対する評価を行いますが、MBOではこれに加えて目標設定のプロセスを通したコミュニケーションが発生するため、より多くの経験が積めるのです。

一方、MBOを行う上で、気を付けなければならないこともあります。例えば、目標難易度に対する配慮。従業員が自分自身で目標を決めるMBOでは、一人ひとりの目標の難易度が異なってしまう可能性があります。そのような場合、「達成しやすい目標」を設定した従業員と「達成しづらい目標」を設定した従業員を、達成度で一律に比較すると、難しい目標を設定した従業員が不公平感を抱くことにもつながりかねません。そのため、企業は従業員一人ひとりの能力に応じた目標の難易度設定と、それに応じた評価を行う必要があります。

また、上司と部下のコミュニケーションが十分ではない場合には、目標設定と評価が形式的なものとなり、うまく機能しなくなってしまうこともあります。その結果、かえって自主性を損なってしまう可能性もあるため、注意が必要です。

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