緊急事態宣言発出後の派遣社員の休業補償について
いつも参考にさせて頂いております。
弊社は食品メーカーで、主な取引先は全国の百貨店、スーパーです。
今回の緊急事態宣言を受けて派遣社員の一時休業(解除ではありません)について、現在各派遣会社へ当社としての休業補償はしない旨の通知をしているところでございます。
その中で、休業補償60%~100%を要求してきている派遣会社が多く対応に困っているところです。
双方の話し合いが重要であることは承知しておりますが、今後折衝する中でポイントになりそうな部分について、アドバイスをいただきたく思いましたので投稿いたしました。
宜しくお願い申し上げます。
①派遣先会社の責任か?
今回の緊急事態宣言後、関東、関西の百貨店が全館休業、または食品フロアのみ営業という体系に分かれました。弊社はどちらの営業体系の百貨店にもテナントとして入っています。全館休業は問題ないのですが、食品フロアのみ営業という百貨店の場合、感染拡大抑止と従業員の安全保持のため、テナントの継続営業はメーカーに任せます、という指示が百貨店より出たため、弊社は営業を休止することとしました。(営業継続しているテナントさんは半数位と聞いています)
この決断が、派遣会社が返答してきた、「自主的に休業した」という言い分になっております。
こういったケースは、派遣先企業の都合となり、派遣会社へ補償額を払わなければならないのでしょうか?
②60%の根拠が曖昧
弊社に休業補償を申し入れている派遣会社は、口をそろえたように”60%”という数値を提示されています。
恐らく世間一般に言う休業補償率のことを言っているとは思いますが、この60%を、契約時給単価に乗じて請求するとのことです。派遣社員への支払いであれば、契約時給ではなく、派遣社員へ実際に支払っている時給のほうが妥当だと思うのですが、どちらが当てはまるのでしょうか?
③派遣会社が請求する雇用調整助成金について
上記2点の相談について、弊社が仮に補償を認めたとします。派遣会社も雇用調整助成金の申請を行うところもあると思うのですが、そうなった場合、派遣先からも補償額を受けてさらに助成金申請が認可された場合、二重取りになって結果、派遣会社は損をしないように見えるのですが、このような事は許されるのでしょうか?(派遣会社を敵対視して書いているわけではありません)
派遣会社数社は、「うちは絶対、助成金申請は通らないんです」とも言っておりますが、そんなに厳しいものなのでしょうか?
今回の件については、他のユーザーさんも質問されていますが、少し特殊な例と思いましたので投稿しました。
長文失礼いたしました。ご回答いただければ幸いでございます。宜しくお願い致します。
投稿日:2020/04/17 18:02 ID:QA-0092317
- 黒板五郎さん
- 愛知県/食品(企業規模 501~1000人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、派遣社員への給与支給及び休業補償に関しましては、雇用主である派遣元に責任が生じますので、当然ながら派遣先である御社に支払する義務はございません。
その一方で、派遣元が派遣社員に支給された給与や休業手当等に関わる料金負担につきましては、派遣契約に基づき両会社間で協議の上決められるべき事柄になります。
従いまして、法的にいずれかが必ず負担しなければならないといった義務は直ちに発生しませんので、①の問題、すなわち補償額の料金負担をされるか否かはあくまで協議の結果次第という事になります。逆に言えば、負担に同意されなければ支払わなくても直ちに違法行為とはなりませんので、時間をかけてでも納得行かれるまで協議を続けられるのが妥当と考えられます。
そして、②につきましては、ご認識の通りです。休業補償は派遣元の責任ですので、派遣料金の請求でその数値を持ち出される事の根拠は希薄といえるでしょう。
また、③につきましては、仮に二重取りがあっても御社が単に負担のに応じる合意をすれば支払義務が生じてしまいます。従いまして、協議される中で合意事項におきまして雇用調整助成金も含め何らかの補てん措置が別途なされた場合には料金支払義務が免除されるといった内容を必ず盛り込まれておく事が重要といえます。
投稿日:2020/04/20 17:27 ID:QA-0092365
相談者より
ご回答ありがとうございます。
色々と燻ぶっていたものがクリアになりました。
特に②の内容については、先方と話し会う上で参考になりました。
今後ともよろしくお願いいたします。
投稿日:2020/04/21 10:57 ID:QA-0092398大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
緊急事態宣言発出後の派遣社員の休業補償
① 派遣元と派遣先は企業間の関係にあり、異論を申し立てるのは自由ですが、法定事項でない限り、話合いで決めるのが原則です。コロナという異形の環境下でも、補償ありきの局面ではありません。
② 6割というのは、労基法26条の保証率が原点と思われますが、派遣料の6割とは大違いです。派遣料金には、派遣社員の賃金以外に、派遣会社の経営上の必要経費に利益が加算されるため、(個人的推定では)4割程度の割戻し(社員賃金÷0.4 = 2.5倍のグロスアップ)となる筈です。
③ 雇用調整助成金は二重取りが許されるような甘いものではありません。「うちは絶対、助成金申請は通らないんです」と言われている事業主さんは良く勉強されています。
▼長文に亘るので、時間があれば、下記、厚労省サイトをジックリ参照してみて下さい。
https://www.mhlw.go.jp/content/000611773.pdf
雇用調整助成金 ガイドブック ~雇用維持に努力される事業主の方々へ~
投稿日:2020/04/21 11:28 ID:QA-0092403
相談者より
ご回答ありがとうございました。
①についてはしっかり話し合いをしていきます。
②の見解が交渉の際の材料となりそうで、大変参考になります。
投稿日:2020/04/21 17:30 ID:QA-0092418大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
対応
①やむを得ない事情と拝察しますが、休業命令や閉鎖命令が発せられていない限り文面からは貴社の判断と考えられます。
②派遣会社は派遣社員への60%補償をしなければならず、それが根拠ではありますが、派遣料金は派遣社員給与ではありませんので、ここは状況を説明しての交渉の余地があるのではないでしょうか。
③派遣社員への給与は待つことができませんので、ご提示の可能性はありますが今の時点で誰も断言できず、考えても仕方ないように思います。
確定したことは誰も述べることができませんので、現時点では真摯な話し合いで落としどころを見つけるしか無いと思います。
投稿日:2020/04/21 11:53 ID:QA-0092406
相談者より
ご回答ありがとうございました。
②についての見解が大変参考になりました。
③については仰る通り、推測の話ですので、信頼関係があることを前提に真摯に話し合いを行っていきたいと思います。
投稿日:2020/04/21 17:34 ID:QA-0092419大変参考になった
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