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【ヨミ】コヨウチョウセイジョセイキン 雇用調整助成金

減産や休業を余儀なくされた企業が雇用を維持するために従業員を休ませたり、教育訓練を受けさせたりする場合に、従業員に支払う休業手当や教育訓練費などの一部を国が助成するしくみを「雇用調整助成金制度」といいます。
(2009/2/16掲載)

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雇用調整助成金のケーススタディ

あいつぐ助成要件の緩和、支給枠の拡大
制度見直しを機に大手にも利用が広がる

雇用維持を考える企業を支援する雇用調整助成金の利用が急拡大しています。厚生労働省が実施した調査によると、2008年12月に同助成金を申請した全国の事業所は1,795ヵ所で前月の約9倍、助成対象となる従業員の数は約15倍の13万3,321人に達していました。

助成金の支給総額でみると、06年度は過去最低の2億3,000万円でしたが、08年度は12月以降に申請が急増したことにより、約54億円の支給が見込まれています。09年に入っても雇用の余剰感は依然高く、助成金利用の増勢は衰えていません。支給総額はさらにはねあがり、09年度の見通しでは580億円程度。過去最高となったバブル崩壊後の1994年度(657億円)に迫ると予測されています。

企業は従業員を休業させる場合、賃金の6割以上の手当を支払う義務があります。雇用助成金はもともと、国が手当の1/2(大企業)ないしは2/3(中小企業)を、3年間で上限150日まで支給するという仕組みでした。厚労省は雇用維持対策の一貫として、2008年12月から中小企業に対する助成率を4/5に引き上げ、支給日数の上限も200日に拡充。この見直しで中小企業の申請がいっきに増加しました。

さらに、生産量や雇用量に関する従来の助成要件――「最近6ヵ月間の生産量が前年同期比で10%以上減少していること」や「最近6ヵ月間の雇用保険被保険者数が前年同期比で増加していないこと」などの基準が大幅に緩和されたため、大企業も利用しやすくなったといわれています。現に深刻な販売不振から減産に歯止めがかからない自動車業界では、マツダや三菱自動車、三菱ふそうトラック・バスなどが利用を申請。日産自動車も09年1月末時点で申請を検討しています。

同年2月初旬、厚労省はさらなる要件緩和と大企業に対する助成率の引き上げ(1/2を2/3に)を発表しました。一度助成を受けたら1年間は再利用できなかった、従来の「クーリング期間」も撤廃されます。減産対応に苦慮する大手企業の利用がますます拡大することは間違いないでしょう。

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