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給与制度変更による不利益変更の考え方

いつも参考にさせていただいております。

弊社では今年給与制度の改定を予定しております。
現在の給与制度は年功序列のような感じで、勤続年数が長いほど給与が高くなる傾向にあることや、
人材確保の必要性から中途採用についてもほぼ前職給与に近い水準で採用してきたことにより、給与とパフォーマンスがバランスしていないことが少なくないため、等級制度とともに導入することになっています。
目的は社員一人ひとりの能力、実力に合わせた賃金の再配分であり、人件費削減ではありません。

改定にともない、能力に関わらない属人的な手当や、時代にそぐわない手当は支給基準の見直しまたは廃止の方向で進めていますが、これらの原資は新制度導入時に全社員に配分し、総額人件費そのものも多少アップする見込みです。

お伺いしたいのは、新制度導入の際の不利益変更についてです。
①固定残業代の廃止(実残業時間によって時間外手当を支給する)
 これにより、残業が発生しない場合には月額賃金が10%ほど減少する社員がいます。
 廃止予定の対象社員の中には、ほとんど残業していない社員もいる現状です。
家族手当の見直し
 家族構成によっては減額になるケースも増額になるケースも出てきます。
③皆勤手当の廃止

これらの手当の見直しや廃止を考えておりますが、全体では人件費はアップするものの、個別には給与が増える社員と減る社員がいるのは間違いありません。
総額人件費は増えるという前提のうえで、上記手当の見直し、廃止によって給与が減額となる社員については調整給を支給しない、というのはやはり不利益変更と考えた方がよろしいでしょうか。
ちなみに、所定内賃金については制度導入によって減額となる場合には、調整給を支給する予定です。

どうかアドバイスいただきますようお願いします。

投稿日:2018/03/23 19:47 ID:QA-0075686

べっかんさん
神奈川県/家電・AV機器・計測機器(企業規模 101~300人)

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プロフェッショナル・人事会員からの回答

全回答2

プロフェッショナルからの回答

服部 康一
服部 康一
服部賃金労務サポートオフィス代表

お答えいたします

ご利用頂き有難うございます。

ご相談の件ですが、労働条件の不利益変更につきましては個々の労働条件毎に判断されますので、一部手当の減額または廃止も該当することになります。それ故、当事案に関しましても不利益変更に該当する事に変わりはございません。

しかしながら、固定残業代の廃止に関しましては本来あるべき残業代支給方法への見直しという事で望ましい方向性といえます。

加えまして、他の手当に関しましても、労働契約法第10条に示されているように、労働者側との十分な交渉を経て不利益の緩和措置を取られ合理性のある内容であれば、不利益変更であっても有効とされています。

従いまして、変更事情をきちんと示された上で、手当につきましても調整手当または他の代替措置で不利益の緩和をされることで、労働者の個別同意を得なくとも変更出来る余地はあるものといえるでしょう。

投稿日:2018/03/26 10:28 ID:QA-0075693

相談者より

ご回答ありがとうございました。
お礼が遅くなり申し訳ございません。

従業員への説明、不利益の緩和措置など、
万全を尽くして導入していきたいと思います。

投稿日:2018/04/02 15:40 ID:QA-0075869大変参考になった

回答が参考になった 0

プロフェッショナルからの回答

藤田 敏克
藤田 敏克
社会保険労務士法人SRグループ 代表

丁寧な説明で対象者の理解を

ご質問にあります①固定残業代の廃止、②家族手当の見直し、③皆勤手当の廃止 いずれも全員が対象にならなくても影響を受ける人がいる以上不利益変更であることは確かです。
ただし、今回の制度改定において御社の目的は年功序列色強い制度の是正し、中途採用者の給与水準の決め方に統一性を持たせ、給与とパフォーマンスがバランスを取るための原資の再配分であり、何より総額人件費もアップとのことで人件費の削減ありきでないということは明らかです。

労働条件の不利益変更を含む制度の変更は容易なことではありませんが、それを言っていたら今回のような変更もできなくなります。
今回の制度改定が何を目的としたものか、そして前述の①~③については
改定においてどのような位置づけで見直するものか説明し、また今回減額となる人たちについても中長期的には有利に働くこともあるということについて理解されるようなアプローチをご検討ください。

投稿日:2018/04/03 23:24 ID:QA-0075896

相談者より

ご回答ありがとうございました。
お礼が遅くなり申し訳ございません。

制度改定の目的や見直しの方向性については、従業員には繰り返し説明をしておりますが、
どうしても制度の中身ではなく、制度を改定するという一点においてポジティブでない印象を
持っている社員が多いのが現状です。いずれにしてもしっかり説明して理解を得る方向で進めていきたいと思います。

投稿日:2018/04/16 09:38 ID:QA-0076104大変参考になった

回答が参考になった 0

回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。



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