固定残業代について
弊社では営業社員には営業外勤手当として役職に応じ固定残業代(以下本手当)を支払っており、現状はそれを超える残業代は支払っていませんが、今後の対応についてご教示ください。①今後のトラブル等を見据え、本手当を廃止し(もしくは激変緩和措置として少額に見直し)、一律に始業・終業に応じた残業代を支払おうと考えていますが、(残業の少ない社員は)本手当の廃止により収入減となることから、本手当は存続させて、それを超えた分は+αで残業代を支給すべきとの回答も予想されます。そこで、他企業の事例も含めて、一般的にはどう対応されていますでしょうか?。個人的には、急に廃止すると諸々の抵抗もあるので、一定の猶予期間を設けた上で廃止し、正確な就業に基づく残業代を支払うと考えています。②本手当を一旦存続するとして、就業規則にはどう記載すればよろしいでしょうか?。また、それを超える残業代の計算についてもアドバイスいただければ幸甚です。【現行の本手当は以下となっています。一般職34,500円、主任40,500円、係長45,500円、管理職50,500円。】
投稿日:2018/03/15 14:25 ID:QA-0075497
- 人事担当者Tさん
- 大阪府/食品(企業規模 501~1000人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
残業時間の正確な把握が可能なら、現制度は不要な盲腸みたいなもの、緩和措置も短期間に
▼ 固定残業代制は、兎もすれば、実態時間外労働時間を逸脱、一人歩き、然も、実態>固定の方向に動き、労働者に不利を齎し勝ちな制度です。
▼ 従い、本制度が有効とされる幾つかの要件があります。
① 定額残業代部分が、それ以外の賃金と、明確に区分されていること
② 定額残業代部分には、何時間分の残業代が含まれているのかが、明確に定められていること
③ 時間外労働(残業)時間が、上記②で定めた時間を超えた場合は、別途割増賃金の支払うこと
④ 労働契約・個別の合意、就業規則による規定化と労働者への周知
▼ 固定残業代制の廃止に伴う減収緩和措置は、本事案に限らず、賃金体系変更に伴う必然的ニーズですが、企業毎、事案毎に対応先は異なります。本件に限って言えば、減収相当額は、会社が認めてきたものとは云え、客観的には、不労所得です。
▼ 残業時間の正確な把握が可能なら、現制度は不要な盲腸みたいなものです。可求的速やかに廃止せれるべきです。止むを得ず、緩和措置を講じるとしても、精々、2賃金期間が最長限度だと思います。減収者のポケット勘定はいざ知らず、他の減収要因と違い、「不労所得」である点、どうしてもコメントも厳しくなります。
投稿日:2018/03/15 18:09 ID:QA-0075506
相談者より
早々のご回答、誠にありがとうございます。実態的には収入が増える営業社員のほうが大半なのですが、組合側としては減収者を保護する主張を要求し平行線ではありますが、鋭意、交渉に臨みます。
投稿日:2018/03/16 09:36 ID:QA-0075534大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、固定残業代には少なからずご指摘のよう違法のリスクを伴う弊害もございますので、廃止の方向性については適切と感じます。
但し、固定残業代の廃止によって現実に賃金減額となりますと、不利益変更に当たるものといえますので、一定慎重な対応が求められます。
企業によって対応は様々ですので一概には申し上げられませんが、1,2年程度は実際の残業時間による残業代支給額が現状の固定残業代より下回る場合その補填を調整手当という形で支給されるのが妥当と思われます。つまり、固定残業代の現行金額との差額を支給する旨を支給期限を明確にして定めておかれる事で対応するといった方法になります。
勿論、上記についてはあくまで一つの手法に過ぎませんので、御社内で十分議論・検討された上で決められる事をお勧めいたします。
投稿日:2018/03/15 21:06 ID:QA-0075516
相談者より
ご回答ありがとうございます。ご指摘の通り「不利益変更」に該当しますので、強硬的な交渉ではなくソフトランディングに努めます。
投稿日:2018/03/16 09:40 ID:QA-0075537大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
営業外勤手当として支払っている役職に応じた本手当が、固定残業代として認められるのであれば、本手当を廃止し、実残業代に切り替えることは、問題ありません。
そのためには、本手当が何時間分の残業代なのか明記してあるか等が必要です。
また、本手当を超える残業代を支払っていないとのことですので、基本給との比較、就業規則の記載にもよりますが、本手当は固定残業代としては認められない可能性も大きいといえます。
そうなりますと、本手当廃止は不利益変更となりますので、個別合意か、合理性(変更理由、説明、シミュレーション等)が必要です。
投稿日:2018/03/17 04:11 ID:QA-0075566
相談者より
アドバイスありがとうございます。本手当は就業規則には記載なく過去の通達での対応ですが、内容については、固定残業代だけではなく取引先とのお茶代や靴代、休日電話対応等、諸々のご苦労さん代のような手当として33年前に示達したものと聞いております。おっしゃるように不利益変更にも相当しますのでスムースな移行に努めます。
投稿日:2018/03/19 09:15 ID:QA-0075574大変参考になった
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