就業規則の有効性
就業規則の有効性に関して質問があります。
1ヶ月ほど前に就業規則を策定、公知、届け出を済ませました。その就業規則は、厚生労働省からだされているモデル就業規則をベースにしております。
実は、就業規則に則り、業務命令を出したにも関わらず、無視を続ける社員がいるため減給措置を取ろうと思っております。就業規則において、減給の表現部分は、修正もせずサンプルどおりそのまま利用しています。
さて、従業員が弊社に入社する際、offer letterというものにサインをしてもらったものを取り交わします。そのletterには減給や残業(例えば、the employee that there is minimum overtime hours required in order to get the full payのような)定義はありません。単に、給料、有給日数、入社日、誰の監督下で働くか等の簡易的なものになります。
時間軸的には、offer letterが先で、就業規則発効になります(因みに、上記問題社員は2年以上前に入社)。後法優先の原則に当てはまるのか理解できてないのですが、この場合、就業規則(特に興味の対象は減給)は有効だと思っております。専門家の方々の解釈ではどのようになるかご教示お願いできないでしょうか。
投稿日:2016/09/03 15:30 ID:QA-0067287
- Jinji-jiroさん
- 東京都/通信(企業規模 6~10人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
まず文面のoffer letterですが、いわゆる労働基準法で定められた労働契約の明示要件を満たしていれば、労働契約書として有効になりますが、そうでなければ別途労働契約書の取り交わしが必要になりますので注意が必要です。
そして、就業規則が労働契約より後に制定(または改正)されていれば、先の労働契約の内容が優先しますので、減給措置等が重くなった場合には労働条件の不利益変更に該当します。その場合は、労働者側の同意を得る事が求められます。
但し、労働契約法第10条に定められている通り改正内容に合理性・妥当性があれば、個別の労働者の同意がなくとも有効とされています。
文面のケースの場合ですと、業務命令に従わないことに制裁措置を科す事自体は問題無いと思われますが、減給規定の適用については改正に至る詳細事情を上記法令に照らし合わせて判断される事が必要になります。
投稿日:2016/09/05 10:14 ID:QA-0067291
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
労働者にとって「有利な方」が適用に
▼ 日本での雇用関係の優先順位は次の通りです。
① 労働基準法 ② 労働協約 ③ 就業規則 ④ 労働契約
▼ 就業規則のない会社では、OfferLetter に、職務内容、ポジション、報酬、休日、休暇、試用期間、守秘義務、競業禁止規定、など詳細な項目を盛り込んでいるのが通例です。
▼ 日本でも、10人未満で、就業規則がない場合がありますが、その際には、労基法で要求されている事項全てを、個別労働契約に記載する必要があります。
▼ 優先順位が上の法令、規則に違反して労使双方で約束事をしても、その部分は優先順位が上の法令規則が適用されます。問題の OfferLetter は、労働契約と位置付けられますが、就業規則の内容と労働条件が相違する場合、労働者にとって「有利な方」が適用になりますので注意が必要です。
▼ 然し、労使間のルールである統一的就業条件を定めた就業規則と異なる、個別契約が存在するのは、経営管理上、好ましいことではありませんので、問題の減給の定めも、一定のバッファー期間の設定を設けるなどの措置により一元適用化したい処ですね。
投稿日:2016/09/05 11:25 ID:QA-0067293
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
まず、就業規則が有効であるためには、周知する必要があります。周知されていれば、規則が不合理でない限り、有効となります。
次に労働契約と就業規則の内容ですが、簡単に言えば、労働者にとって有利な方が有効とされます。例えば、労働契約で、残業や減給ははないと明記してあったならば、そちらが優先されます。
今回は、定義がないだけとありますので、就業規則が有効であると思われます。
投稿日:2016/09/05 12:25 ID:QA-0067296
相談者より
ありがとうございます。
労働契約で、残業や減給の記述はございません。就業規則が有効になるとのこと。理解できました。
投稿日:2016/09/06 12:44 ID:QA-0067334大変参考になった
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