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社内規程・ルールの公開義務、範囲について

今回、旅費規程の改定を契機に、ある社員から内規・細則を含む、社内の全てのルールを社員に公開するように、との承服しかねる訴えを受けました。

就業規則、また同等の規則・規程は周知義務を負うことは認識していますが、法令上、社内規則・規程類の公開義務・公開範囲はどこまであるのか、またそれを定めたものがあるか、具体的にご教示いただけないでしょうか。
申し出のあった社員に対し、冷静かつ客観的事実で回答をしたいと考えており、諸先輩方、専門職の方、ご回答よろしくお願い申し上げます。

投稿日:2012/12/29 16:57 ID:QA-0052694

ひでさんっさん
東京都/電気・ガス・水道・エネルギー(企業規模 31~50人)

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プロフェッショナル・人事会員からの回答

全回答4

プロフェッショナルからの回答

小高 東
小高 東
東 社会保険労務士事務所 代表(特定社会保険労務士) 

ご質問の件

内規というのは、法律用語ではなく、会社によってその定義が異なります。社員の方がどういったものを公開しろと言っているのか、質問者の方が、承服しかねる内規とはどういったものなのかで判断していくことになります。
ポイントとしては、内規が就業規則にあたるのかどうかの判断になります。本則以外の旅費規程など諸規定は就業規則にあたりますので、周知すなわち公開が必要であり、労基署への届け出も必要となってきます。就業規則の規定解釈、運用や一時的、臨時的なもの(賞与の支給率など)やであれば、周知、届出は不要となります。
ただし、よほどの特命事項や、個人情報は別にして会社のルールであれば社員には公開したほうが、誤解をなくしトラブル防止にもなりますし、モラルアップやモチベーションアップにもつながります。

投稿日:2012/12/30 06:21 ID:QA-0052695

相談者より

小高様、年末のご多忙の折丁寧なご回答を頂戴しましてありがとうございました。これまで手厚すぎると判断された取り扱いを今回見直したことをきっかけに、人事への不信感からルールや取扱いは全て公開しろ!、書いてないことには従わない、といった感情論となってしまいました。ご指摘の通り、人事、会社への不信感からモラル、モチベーションダウンになるのは本意ではありませんので、冷静に対応していきたいと思います。

投稿日:2012/12/31 10:07 ID:QA-0052698大変参考になった

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プロフェッショナルからの回答

服部 康一
服部 康一
服部賃金労務サポートオフィス代表

お答えいたします

ご利用頂き有難うございます。

御相談の件ですが、私共は人事労務管理の専門家になりますので、当該範囲の規則等についての回答となる件ご了承下さい。

その上で申し上げますと、就業規則は原則として当該規則に委任規定がある別規程も含めまして指すものとなります。従いまして、例えば賃金規程や旅費規程等も通常含めて就業規則となりますので周知義務がございます。

これに対し就業規則に委任規定のない内規その他の社内ルールに関わる文書等につきまして、一般的にはこうした労働基準法上の周知義務まではございませんし、全て公開しなければならないといった直接の法的義務もございません。

中には外部に知られたくない経営上の重要事項や当人以外の従業員に関わる情報等が含まれているかもしれないことからも、いきなり目的も明確にせず社内ルールの全てを公開せよというのはやや乱暴な要求と考えられますので、それにすぐさま応じる必要もないでしょう。

しかしながら、具体的な内容によりましては、公開しない事で従業員の会社への不信感が高まることも考えられます。例えば自身の人事評価等についてフィードバックがない状況において、事情を知りたい為公開を求めるような場合には、それを敢えて非公開とする事の合理性は低いものといえます。

従いまして、対応としましては具体的に何を公開して欲しいかを示すよう求めた上で、人事労務に関わる部分で差し障りのないものについては公開するといった措置を採られるのが妥当といえるでしょう。

但し、問題の性質上人事労務以外の法令面での検討も必要になる場合がございますので判断が難しい場合には、弁護士等法律全般についての専門家に御相談される事をお勧めいたします。

投稿日:2012/12/30 11:19 ID:QA-0052696

相談者より

服部様、年末のご多忙の折丁寧なご回答を頂戴しましてありがとうございました。周知義務のあるものは就業規則および、付帯する賃金・旅費・退職金等に関する規程であること、それ以外、労基法等、法律上の制約は受けないものである、という旨、理解いたしました。その上で具体的な対応についてもご教示ありがとうございました。今回の件に限らず、これまでも書いてない(公開されていない)ことには従う必要はない、といった私からすると乱暴なことを投げてくる社員が最近多いと感じていたため、一度ここで整理でき、大変参考になりました。

投稿日:2012/12/31 10:24 ID:QA-0052699大変参考になった

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プロフェッショナルからの回答

川勝 民雄
川勝 民雄
川勝研究所 代表者

公開範囲を実務的観点から限度仕訳

人事労務関連を含む諸規程は、外部の第三者にとっては、「 内部統制の判断 」 として、使用者・労働者にとっては、 「 就業上のルールブック 」 と位置付けられていますから、 公開の原則が適用されます。 実務的には、これら社内規程は、株式公開申請書類の添付史料として提出が要求されていることから明らかですが、 制度本旨を損なう恐れのない、重箱の隅々に至るような部分までの公開は、手間のみ多く、不毛な場合も多いものです。 原則論でヤリトリを続けても、結論も、成果も期待できないと思います。 会社としては、実務的観点から、 ① 全文、常時、公開すべきもの ( 就業規則及び直接関連規程 )、 ② 要請があれば直ちに提示、説明すべきもの ( 施行上の手続きなど )、 ③ 公開を要しないもの ( 事務的処理方法、手順など ) に、シッカリ仕訳し、線引きをし、同じ土俵で話をしないと、不毛の結果しか期待できないでしょう

投稿日:2012/12/30 11:46 ID:QA-0052697

相談者より

川勝様、年末のご多忙の折丁寧なご回答を頂戴しましてありがとうございました。公開の原則が伴うものの、実務的な観点からのアドバイスありがとうございました。今回該当社員と本件で1時間近くの電話のやりとりが生じ、まさに不毛なやりとりとなってしまいました。アドバイス頂いたことを念頭に、年始、解決に向けて対応して参りたいと思います。

投稿日:2012/12/31 10:33 ID:QA-0052700大変参考になった

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プロフェッショナルからの回答

増沢 隆太
増沢 隆太
株式会社RMロンドンパートナーズ 人事・経営コンサルタント

対応

一般論としては、法的に公開義務のある就業規則や、社員が知っておくべき規定等は公開。査定評価基準や年棒按分等、経営資料的な裁量に属すると判断されるものは非公開ということになるのではないでしょうか。本件ですが、「全てのルールを社員に公開」というのは上記を逸しており、また組織人としての自覚が無さ過ぎる過剰な要求と感じます。対上司・組織内でのトラブルや会社への恨みといった、二次的な要素が影響しているのではないでしょうか?冷静に対処するのはたいへん重要であり、またご担当としての強い責任感とプロフェッショナリズムだと感じます。ただし相手がそうしたクレーム目的である場合は切りがありません。そもそも組織人として必要以上の情報を開示せよという要求そのものが常軌を逸した要求ですので、直属上長と所属組織のトップ等、監督責任者からも事情を聴き、また必要であれば一緒に面談するなどして、根本的な対処に取り組まれるべきではないかと思いました。

投稿日:2013/01/05 21:59 ID:QA-0052711

相談者より

増沢様、この度はご丁寧かつ解りやすいご回答を頂戴し、誠にありがとうございました。公開義務を負うものとそれ以外のもの、その根拠について整理できたと思います。本件、アドバイスをいただきました通り、現所属長にも共有の上、今回整理した情報は持った上、再度ご本人の話を聴き、解決に向けて対応したいと思います。

投稿日:2013/01/07 20:30 ID:QA-0052734大変参考になった

回答が参考になった 1

回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。



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