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転勤をしないコースを選択することによる賃金カットについて

当社では来年の人事制度改定にむけて、転勤によるコース取り扱い規程を改定する予定です。
現在の規程では、

Aコース:転居を伴う転勤のないコース
Bコース:転居を伴う異動があるコース

という2つのコースがあり、Aコース選択者については、賞与支給金額の10%カットとなっております。

この規程にあるAコースを来期から条件を厳しくする旨改定する予定なのですが、
主旨として、
・Aコース選択者への賞与の減額はしない
・Aコース選択者の給与を何%かカットすることにより、Aコース選択者へのBコースへの移行を促す。

ということで規程の改定作業を進めています。

現在Aコース選択者の数は、約300名いる社員の内、約40%強になります。

給与を大幅カットすることによる規程の変更は、当然不利益変更にあたると思いますが、
このような制度を導入する場合、どのような点に注意をしなければならないのでしょうか。

そもそもこの手の改定は法的に問題ないのでしょうか?

ご教示のほどよろしくお願いいたします。

投稿日:2012/11/15 18:00 ID:QA-0052119

*****さん
東京都/建設・設備・プラント(企業規模 501~1000人)

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プロフェッショナル・人事会員からの回答

全回答3

プロフェッショナルからの回答

服部 康一
服部 康一
服部賃金労務サポートオフィス代表

お答えいたします

ご利用頂きまして有難うございます。

文面のような制度変更による賃金カットは当然ながら労働条件の不利益変更となります。従いまして、原則として変更の際は該当する労働者の個別同意が必要といえます。

変更内容が合理的である等において個別同意が不要となる場合もございますが、当事案ではBコースへの移行を促すといった会社側の一方的な意図によるものであることに加えまして、賃金という最も重要な労働条件を低下させるものですので、このままでは合理性に欠けており労働契約法に反するものといえます。賞与の減額をしなくとも毎月の給与の方が労働者にとりましては通常重要性が高いといえますのでやはり問題がございます。

個別同意なくしても変更を要する場合には、労働契約法第10条に定められている通り「変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものである」必要がございます。

従いまして、変更事情を明確にされると共に、さらなる代替・調整措置等不利益の緩和を図る事や労働者側と真摯に協議する等極めて慎重な対応が不可欠です。

投稿日:2012/11/15 22:52 ID:QA-0052124

相談者より

ご回答ありがとうございます。Aコース選択による給与のカットは相当慎重な対応が必要だと思いましたし、対象社員全員の同意を得るのはかなり困難ではないかと思います。

逆に、Aコース選択者の賞与を今の水準よりさらに引き下げるという対応の方が理解が得やすいのでしょうか?

投稿日:2012/11/16 16:41 ID:QA-0052150大変参考になった

回答が参考になった 0

プロフェッショナルからの回答

小高 東
小高 東
東 社会保険労務士事務所 代表(特定社会保険労務士) 

Aコースの賃金カットについて

不利益変更となりますので、一方的に実施せず、ステップを踏んでいくということが重要です。

ステップとは、
従業員へ、今回改定の背景、理由を十分に説明すること、賞与カットしないことは代替措置ともいえますが、その場合のプラスマイナスのシュミレーション、経過措置の検討などです。

Bコースにを望まない社員について、Aコースに残ってほしいのか、あるいは退職してほしい等
、すなわちもう一つのコースの想定も重要です。

労務管理的に、あるコースに誘導する手法は、ひとつの高度なテクニックですが、もともと2コースあったわけですから、プラス1の発想が重要になってきます。

投稿日:2012/11/16 08:57 ID:QA-0052130

相談者より

ご回答ありがとうございます。
会社として適正な人事配置をするために、Bコースへ極力移行してもらいたいとするのが、会社の意向ですが、Aコースを選択している社員については、既得権として捉えたほうが良いのでしょうか。

投稿日:2012/11/16 16:49 ID:QA-0052151大変参考になった

回答が参考になった 0

プロフェッショナルからの回答

服部 康一
服部 康一
服部賃金労務サポートオフィス代表

再度お答えいたします

ご返事頂きまして有難うございます。

「Aコース選択者の賞与を今の水準よりさらに引き下げるという対応の方が理解が得やすいのでしょうか?」とございますが、文字通りの措置ですとこれでは変更しない労働者にとりましてさらなる不利益変更の拡大となってしまいます。

従いまして、こうした「コース変更ありき」といった考え方による労働条件の引き下げは、一層労働者の反発を招くだけですので当然避けるべきです。変更促進を図るのが最大の目的であれば、むしろBコースの処遇を向上(賃金以外も含めて)させたり、あるいはBコースのメリット(将来の待遇等)を説明したりする等、Aコースの労働者の視点に立って納得が得やすい方法で進められるべきというのが私共の見解になります。

投稿日:2012/11/16 19:21 ID:QA-0052153

相談者より

ご回答ありがとうございます。
Bコースのメリットの視点についてこれから検討していきたいと思います。

投稿日:2012/11/17 09:01 ID:QA-0052157大変参考になった

回答が参考になった 0

回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。



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