パートタイマー用就業規則の休職の規定について
パートタイマー用の就業規則について、質問させて頂きます。当社の正社員の就業規則には休業欠勤が一定期間継続した場合に休職を命じ、休職期間満了後、復職できないときは退職とする規定がありますが、パートタイマー就業規則ではパートタイマーの休職についてなにも規定されていません。この場合、パートタイマー等の非正規社員が長期間欠勤した場合、どのような取扱いをするべきなのでしょうか。仮にパートタイマーには休職の規定は適用しないとした場合、長期欠勤、休業についてどのように取扱いをすればいいでしょうか。よろしくお願いいたします。
投稿日:2006/05/12 09:00 ID:QA-0004650
- *****さん
- 兵庫県/その他業種(企業規模 11~30人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
パートタイマー用就業規則の休職の規定について
■パート労働者は、法律上は、同じ仕事をしている通常の労働者と比べて、1週間当たりの労働時間が短いだけの労働者であり、正社員と比較して、権利義務が制限されるものではなく、労働基準法の適用を受けます。このため、正社員(通常の労働者)が既にある場合、労働条件等については、通常の労働者との均衡を図ることが必要です。
■ご質問の「長期欠勤および休職」についの「均衡点」の具体的な求め方は、通常の労働者への適用期間に対し、平均所定労働時間の比率を反映させる方式が合理的だと思います。具体的な規定内容が分りませんので確定的なことは申し上げられませんが、荒っぽく、通常の労働者への適用期間の2/3とするのも一案かと思います。いずれにしても、就業規則の追加になりますので、所定の手続きが必要であることは申し上げるまでもありません。
投稿日:2006/05/12 11:05 ID:QA-0004653
相談者より
ご回答ありがとうございました。
パートタイマーに休職規定の適用をせず、一定期間(1ヶ月等)連続欠勤した時点で退職してもらうこととした場合、これは自然退職となりますでしょうか、それとも解雇となりますでしょうか。お手数ですが、教えて頂けないでしょうか。
投稿日:2006/05/12 11:40 ID:QA-0031921大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 冨田 正幸
- 冨田社会保険労務士事務所 東京都社会保険労務士会 所長
Re
まず、パート社員との雇用契約書等で、休職に関しての取り決めをしておりますでしょうか?
全くしてない場合、現状では、パートに関しての休職の規定がないため、パート社員が正社員の就業規則に準じた扱いと勘違いされてしまい、もめることも多いです。
但し判例でも正社員の就業規則が全て適用されるということはしておりませんが、さまざまな証拠なども必要とされますし、費用面を考えても得策ではありません。
そのため、正社員の就業規則には、パートに関しては適用除外とし、個別の契約書で取り扱うなり、パートの就業規則に記載をされたほうがよいと思われます。
現状では、パートが休職を申し出た場合、個別に対応することになると思いますが、もめて訴訟になった場合、かなり面倒なことになってしまいます。
であれば、パートの勤続年数等に応じて、休職を与える基準をパートの就業規則に明確化をされることをお勧めします
投稿日:2006/05/12 11:12 ID:QA-0004654
相談者より
投稿日:2006/05/12 11:12 ID:QA-0031922大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 冨田 正幸
- 冨田社会保険労務士事務所 東京都社会保険労務士会 所長
Re:Re
上記の件ですが、休職の規定を設けていないので正社員の休職の規定で退職に関して、休職の際の取扱いに沿っていれば、自然退職として、労基署に申告はしても問題視されませんが、その期間以前であれば、解雇として性格が強くなります。
というのも、先ほど記載させていただいたような誤解がパートにある場合、やはりその部分でもめてしまいます。
どうしても早期に辞めてほしいのであれば、解雇の意思をパート社員に示してその30日後であれば、解雇は可能です。
いずれにしても、パート社員と話し合いをし、自己都合でやめてもらうか、もしくは、解雇の場合、その意思を示すなりしたほうがいいでしょう。
上記の内容のみでは、パートに何も伝えず、会社側から一方的に退職としてもらうとした場合、解雇の取扱いになりますので・・・
投稿日:2006/05/12 13:29 ID:QA-0004656
相談者より
ありがとうございます。現在、長期欠勤しているパートタイマーはいませんが、規程に何も定めがないので、今後出てきたときに備えてどのように決めておくか検討しています。正社員の場合は業務外の傷病により3ヶ月以上休業した場合、やむを得ない事由により1ヶ月以上欠勤した場合は6ヶ月の休職を命じ、休職期間満了後、復職できない場合は自然退職することとなっております。パートタイマーにはこの6ヶ月の休職期間なしで、業務外傷病による3ヶ月の欠勤、その他やむを得ない事由による欠勤1ヶ月で自然退職という定めは問題があるでしょうか。よろしくお願いいたします。
投稿日:2006/05/12 14:50 ID:QA-0031923参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
パートタイマー用就業規則の休職の規定について
■退職事由には死亡の場合を除き、自己都合・契約期間満了・解雇の3種類に大別されます。労働基準法第89条第3号は、就業規則の作成に際し、必ず記載することが必要な事項を規定しており、解雇の事由についても、必ず就業規則に規定することが必要となっています。解雇の事由は次の3つに分けられます。
① 労働者の労務提供の不能、労働能力又は適格性の欠如・喪失によるもの
② 労働者の規律違反の行為によるもの
③ 経営上の必要性によるもの
■「私傷病により一定期間(1ヶ月等)連続して欠勤した時点で退職させる」ことは、自己都合・契約期間満了のいずれでもなく、解雇(上記3分類の①)に該当します。最初に申し上げたとおり、解雇に関する具体的事由が記載されていないこと自体が労基法違反であり、解雇も無効になります。そもそも、正社員に適用される休職規定を「適用しない」という根本的問題を解決せずして、本件の合理的な解決は無理だと考えます。
投稿日:2006/05/12 14:57 ID:QA-0004660
相談者より
ありがとうございました。
パートタイマーが3ヶ月連続病気欠勤したとしてもこれを自然退職とすることはできず、さらに普通解雇とするにも根拠となる事由がパートタイマー用就業規則に記載されていなければ解雇も無効ということで、まず就業規則に解雇事由の追加をしなければならないということでしょうか。
また休職制度は正社員にだけ適用したいのですが、休職は労働基準法等の法律で全ての労働者について保護される権利ということになるのでしょうか。
投稿日:2006/05/12 17:44 ID:QA-0031925大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
パートタイマー用就業規則の休職の規定について
■パートタイマーの退職に関する規定が全くない具体的場面を想定してみましょう。「自然退職」は法的用語ではなく、自己都合・契約期間満了・その他の円満な退職を指すものと考えます。本人が3ヶ月連続病気欠勤し「私はまだ会社を辞めません」と言い張れば、ここで、<自然>な退職の目はなくなりますが、どうされますか?
■長期欠勤を事由に「解雇」(勿論、法に定める予告手当相当額を支払う)を申し渡しする以外に方法はありません。然し、普通解雇であれ、懲戒解雇であれ、労基法による、就業規則への必須記載要件である、「解雇事由」の明記がなければ、「解雇」を申し渡す根拠もないわけです。(現実は訴訟に発展することは殆んどないと思いますが、制度整備を怠ることは地雷を抱え込んでいるようなものです)
■休職制度は企業の任意制度であって、法的要件ではありません。別になくても労基法等の問題になることはありません。ここで申し上げたいことは、任意の制度であっても、正社員に適用する制度であれば、パートにも同趣旨の制度を設けるべきではないかという点です。内容は、勤務時間等を勘案して、合理的な格差を設けることは全く問題ではありません。
■結論として、「高い技能が要らない」「安くて」「便利な」という位置づけから拡大したパートタイマーは、既に法的には、正社員と同じレベルの保護を受けることができるように市民権を得ており、実態面でも、徐々ながら、確実に、勤務時間数を除き、正社員並みの対応が必要となることは間違いないと考えます。
投稿日:2006/05/12 21:37 ID:QA-0004665
相談者より
ご指導の通り、パートタイマーと正社員に合理的でない格差を設けるのは不公平であり、長期欠勤という理由による解雇というリスクを抱えるより、自然退職となるルールを置いておく方が良いと思いました。
パートタイマー就業規則に所定労働時間等で期間調整した休職制度を設けておこうと思います。何度も丁寧なご回答を頂き感謝いたします。ありがとうございました。
投稿日:2006/05/13 09:21 ID:QA-0031928大変参考になった
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